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2014年02月10日

【歴史番外編】カツマタ様の、古典レゴモータ使ったトレイン。50年の時を超えて。

 レゴのモーター・電気系は1966年、4.5Vトレインシステムと同時に始まったと認識されています。
 このシステムは1970年代後半までの4.5Vシステムの絶えざる改良の中で、互換性を保ちつつ、システムとしての一貫性を持ってきたとも云えます。
 そして、12Vシステムを並行しつつ、1986年以降ゆっくりと連続的に9Vシステムに置き換わっていったのでした。ちなみに現PowerFunctionも9Vシステムの流れにあると云えましょう。

 しかし、それ以前にもレゴにモーターなどの電気系が存在していました。

<画像はbricklinkより>
 #002 4.5V Samsonite Gears Motor Set 1965年?

 セット内容はクリアケースに収まったパックモーターと、同じくクリアの単2電池×3用の電池BOX。接続ケーブル。要は4.5Vですので、後のシステムと互換性はあります。但しケーブルのコネクタが左右分離しているタイプである必要がありますが。
 互換性が無いのは車軸。ぶっとい金属製のボス。1970年代まで使われていた金属製車軸とも互換性はなさそうです。

 正直なところ、これが日本に現存しているとは思いませんでした。
 それも、稼働状態で。


 まずは、動画ご覧ください。50年前の電気系が稼働しています。
 しかも、状態が綺麗です。デッドストック品でしょうか? クリアやホワイトに劣化が全くありません。コレクションとして奇跡的なコンディションと云えましょう。

 以下は、動画からのキャプチャーです。

 動力車と「バッテリーカー」。使用している歯車も#001 ギアセット(1965年)のものを使用しています。
 なお、この世代の電池BOXにはなんとスイッチがありません。動画では、ケーブルの抜き差しでスイッチ代わりにしています。

 右の白いギアが、黄色いギアを回し、左の白いギアを回しています。そこから先は1970年代後半以降の現行テクニックシステムの世界。そして車輪は2006年以降のRC/PF用という混成なのが、レゴシステムの高度な互換性を物語る。ここは感動的でさえあります。

 2軸駆動。ちなみに#002のパックモーターは、後日の4.5V(12V/9V)パックモーターと異なり1軸しか駆動しません。

 #002の箱。美品です。奥の乾電池が時代を感じさせます。

 その中身。電池BOXとモーターと、接続ケーブル。なお、セット外の電球ユニット(ヒューズ形の管球使うもの)も入っています。

 モーター本体。後の4.5Vパックモーターよりもコンパクトで、一見使い勝手もよさそうに見えるのですが、1軸しか駆動しないのはパワー不足であったかもしれません。
(9V・PFなどで自作動力造った方ならご存知でしょうが、駆動軸数1はパワー的に厳しい場面が多いです)

 それにしても、このコンディションは素晴らしいです。
 また、クリアで中の見える電気系・動力系というのも知育玩具としては効果的、魅力的なものでもありましょう。ただ、完成作品のリアルさなどを考えると、後日の青や黒になったのは致し方ないことだったのでしょうね。

 歴史の証人がまたひとつ。大事になさってください。
 
posted by 関山 at 23:59| Comment(5) | TrackBack(0) | レゴトレイン製品史 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年06月13日

【歴史】レゴトレイン製品史30 1994年 9Vの3年目。貨物列車セットの刷新。

 1994年は、9Vトレインの3年目。
 そんな時代のトレイン新製品は3種。工事機材1。単品貨車1。そして貨物列車セットが早くも3年でリニューアルされています。赤いL形小型ディーゼルの#4563は意外と短命だったのですね。

 大きな目で見ると、「街シリーズ」「宇宙シリーズ」が精細化の進化の果てに行き着いたのが1990年代前半……と。また、細かい目で見ると、カチカチではない旧タイプヒンジの全盛期でもあります。あれはあれで良い部品だったのになぁ……意外と流通量は多いので、現在の相場は高くないのですけども。
 それから1990年代以降の特徴として「1×4」「1×6」「1×8」といった長タイルが潤沢に使われるようになったのも上げられましょう。1970年代と1980年代前半、タイルパーツというのはとてもとても貴重なものだったのですよ……。

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◆#4525 Road and Rail Repair

http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=4525-1
 所謂、軌陸ユンボ。
 可倒式の小径車輪付き。連結器付きというのが当時の良心って感じがします。
 旧タイプヒンジによるアームは、今の目で見るとかなり線が細い印象。この頃のレゴのデザインは実物よりも「華奢」、そして「精細」な印象があります。今は実物のマッチョ感を強調している感じですけども。どっちがよいのやら。


◆#4544 Car Transport Wagon with Car

http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=4544-1
 自動車運搬用のフラットカーと、積込み用ランプのセット。
 斜路から可動プラットフォームに車を載せ、回転することで無理なく貨車に接続。車を積載できるというもの。貨車自体は極めてシンプルな作りですが、自動車の固定装置と、隣車への渡り板を備えています。二両目以降の貨車は自分で造ってくれ……ということでしょうか?
 回転プラットフォームはもう一段階回転させて、線路と重ならない位置にも収容できるようです。

 実物の自動車積込設備とは随分違いますが(※)、玩具としては扱いやすい題材のようで、この前にも1978年の#167と、1986年の#7839が存在しています。

 ※:実物だと線路終端から固定ランプで自走のみでどんどん送り込むやり方が、日本でも欧米でも普通です((新車輸送でも、旅客の自動車運ぶ場合でも)。そもそも自動車積載車(車運車)は二段積が多く、フラットカーに乗用車積むことは殆どありません。


http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=167-1
 #167 青レール末期の1978年製品。日本未発売。シンプルな斜路です。


http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=7839-1
 #7839 灰レール末期の1986年製品。日本未発売。スライド可動式プラットフォーム。


◆#4564 Freight Rail Runner

http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=4564-1
http://www.brickset.com/detail/?set=4564-1
 貨物列車セットは3年目でリニューアルされました。旅客列車のほうは「メトロライナー」が好評だったのかそのまま継続の模様。

 セット構成はレール円周16本+直線2本。給電ケーブル。スピードレギュレータ(+国別ACアダプタ)。ディーゼル機関車と、二軸貨車3両。小さなプラットフォームとダンプカー。

 ディーゼル機関車はボギーのセミセンターキャブタイプとなりました。日本で言うならお馴染みDE10のようなタイプ? いや寧ろ35噸クラスのボギースイッチャーでしょうか? 勿論、この手の機関車は西欧でも多々見られるものです(日本と違って電気式だったりしますが)。
 好みはわかれますが、先代の小型L形機からはえらく豪華になったもの。ライト周りやキャブ周りが黒というのはお洒落。正しく、ヨーロピアンモダン。

 この機関車を印象づける、キャブ周りの精細なキャノピー%6567系(6567c01/6567c02/6567c03)は部品は長らくこのセット専用でした。次に採用されたのはかのサンタフェ#10020(2002 赤)。その次が貨物列車セット#4512(2003 濃灰)。後に緑(2006年)や赤別ver(2011年)。あと濃青(2013年)。Cityで警察車両に使われた濃青以外はすべて鉄道関係であり、よくも悪くも出し惜しみされてきた部品です。

 また、機関車の形状そのものも後日の#4512(2003)及び、#3677(2011)に「リメイク」されているのはご承知の通り。

 Eurobrickの#3677のレビュウ(typo氏)より。同系列機の三代並び。
 PF機器収容の関係で#3677が大柄なのはやむをえない? 機関車側面の乗務員ドアがあるのは#4564のみ。ドアは出来れば割り切らないで欲しいものですが……。

 なお、このセットでは貨車もまた立派なものでした。
 床に回転機能を備えるフラットカー。青い有蓋車(郵便車)。赤いホッパ車。何れも積み替え遊びを意識したギミックがあります。
 フラットカーはダンプカーと荷台の積み替えが可能。
 青い有蓋車は内部にテクニックビームで組まれた回転台があり、妻面のハンドル操作で荷降ろしが可能。
 赤いホッパ車も同様です。

 まぁ有蓋車(郵便車)にはやり過ぎなギミックだと思いますが(郵便物こんな扱いされたくないですよね?)、ホッパ車ではなかなか有効な仕掛けであったとおもわれます。また、このホッパ車はなかなかの美形……4.5v/12v/9V/RC/PF通してのベスト・ワンだと思うのですが、如何なものでしょう?
 
 サブインストでは、小型の凸型ディーゼル機関車+赤い無蓋車+ボギーのフラットカー+二軸のフラットカーに組むことが可能でした。
 
posted by 関山 at 23:58| Comment(8) | TrackBack(0) | レゴトレイン製品史 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年06月06日

【歴史】レゴトレイン製品史29 1993年 素晴らしい単品車輌。その向かう先は新大陸?

 1992年はリリース無し。1991年あそこまで頑張ったので1年おやすみ。
 その翌年1993年のリリースは単品車輌3種。どれも歴史に残る名作。覚えてらっしゃる方、またお持ちの方も少なくはないでしょう。
 
 但し、この単品車両3車種中2車種は明らかに「アメリカ形」がプロトタイプになりました。今まで幾つかの例外はあったものの(西部の汽車など。但し12Vでアメリカ市場は相手にしないもの)、原則欧州形であったレゴ汽車シリーズの伝統への変革? 
 無論、レゴトレインのアメリカ形参入は後世のサンタフェやBNSF、マースクトレイン等見ればわかりますよう、益のほうが大きいものです。新市場の開拓という意味で、アメリカへのすり寄りは否定的に捉えてはなりますまい。アメリカは旅客鉄道輸送は一度壊滅した国ですが、鉄道趣味活動は大変に盛んな国なのですから!


 門題は、単品車輌増結車輌もある鉄道模型的展開と、レゴ社の方向性がなかなかマッチングしないことにありましょう。未だに解決しない問題ですが。

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◆#4537 Octan Twin Tank Rail Tanker
http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=4537-1
 二軸のタンク車と、ドラム缶積みフラットトラックのセット。
 純粋に貨車単品ではなく、積込関係も付属してセット単品でも遊べる構成を意識しています。悪い発想ではないのですが、問題はコストでしょうね。まぁこのトラックなら重複しても構わないデザインですが(笑)。

http://www.brickshelf.com/cgi-bin/gallery.cgi?i=3082293
 断片的ですが箱裏画像。タンクローリー+無蓋貨車という組換が可能な模様。

 デザインは優れています。二軸貨車という意味では欧州系。
 ただ、自分が知る限り球形タンク体のタンク車って日本は勿論、世界の何処にも存在しないはずなのですが(極めて特殊な試作車などは存在した可能性はあります)。そこだけが問題ですかも。
 セメント用のホッパ車で、欧州ではサイロ状の球形に近いものは一般的ですので、レゴ社のデザインで燃料輸送用のタンク車と混同してしまった可能性はあります。
 なお、これだけは日本でも発売されました。



◆#4547 Club Car
http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=4547-1
 #4558 MetroLinerの増結用の単品客車。
 2階がサロン、1階が個室寝台になった夢の客車。デザインもそつなく纏められ、名作に恥じない逸品。#4558の価値を更に高めたのでした。

 プロトタイプはいうまでもなく、Amtrakの総二階スーパーライナー客車のサロン車。
 本物は一両まるごとがサロン車として使われ、1階は売店になっています。この種の車両はアメリカでは極めて一般的ですが(長距離列車には必ず1−2両連結)、欧州では稀な存在です。
 二階建て車自体は欧州でも少なくないのですが、ほとんどが通勤用など輸送力本位のもの。あと、普通の座席とは別に定員外のサロンを設けた車輌も欧州では少ないです。
(寧ろ日本のほうがこの種の車両には恵まれていましょうね)

 さて、二階建てでインテリアはどうやって再現していたのかというと、屋根が真ん中でパカっと割れて、2階部分の床が丸ごと外せるようになっており、そうして1階部分にアクセスが出来るようになっていました。階段などの表現はありません。
http://www.brickshelf.com/cgi-bin/gallery.cgi?f=441513
 こちらが分かりやすいです。

 日本では復刻版の#10002(2001年)も含め、未発売でした。但し、入ってきた数は少なくはないようです。管理人の手許の一両は部品とりにバラしてしまいましたが。今思えば……。
 まぁそんな事考えてるとレゴで遊べなくなっちゃいますよね?
 


◆#4549 Container Double Stack
http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=4549-1
 単品のコンテナ貨車と、リーチスタッカーとトレーラーのセット。コンテナ4個付。
 1セットで貨車からトレーラートラックへの積み替え遊びが出来るという、プレイアビリティの高い構成です。貨車単品でも、ここまで遊べるセットが作れるんだぞ、と。
 但し、セット価格が高価になってしまいこの貨車だけ連ねた編成で遊ぶのは難しそうですね……。

 プロトタイプはアメリカ固有の輸送形態「ダブルスタックトレイン」。台枠を張り下げた低床形貨車にコンテナを二段積みにするもので、車両限界の大きくかつ電化率の低いアメリカならではの高効率な輸送です。
 欧州ではこの種の輸送は行われていません。(21世紀入ってからですが)中国の一部では行われているようです。

 製品ですが、ダブルスタック貨車の台車部分に小型コンテナを載せるという使い方はなく、若干の架空要素を含むものです。先の#4547との部品共有上、やむを得ないところでしょうか。ともあれ、カラフルな(そして精細な)コンテナの4個載った姿は楽しく・美しいものです。後世にマニアの手でこのタイプの貨車・コンテナの長大編成とかが作られ、それは魅力的なものでした。
 トレーラーやリーチスタッカーの出来もまた、1990年代前半のレゴ街シリーズが精細化の極みに達した頃のもので素晴らしいものです。
(正直、Cityがこの水準に追いつけたのってこの2−3年じゃないかと思います)

 さて、これも日本では未発売でした。日本では馴染みの少ない車種でもありますので、#4547(#10002)と違って後日にマニアの手で入ってきた数も少ないはずです。管理人はまだ実物見たことがありません。

 なお、復刻ではありませんがダブルスタック貨車ははるか後日に#10170(2005)がリリースされています。クリブリ発売はありました。
 また、#10219マースクトレイン(2011)もダブルスタック貨車を含んでいました。こちらは最後まで日本での一般販売はないまま絶版に。


 欧州形オンリーのファンには複雑な気分ではありますけれど、アメリカンな貨車が、せめて常時1車種は入手できる体制ではあってほしいものです。貨車は沢山繋げたいものなのですから。
 そして、今はAfol、レゴトレインの本場の1つがアメリカなのですから!
 
posted by 関山 at 23:58| Comment(0) | TrackBack(0) | レゴトレイン製品史 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年06月01日

【歴史】レゴトレイン製品史28 1991年 9V製品(単品・レール等)

 引き続き、1991年、9Vスタート時の製品です。
 単品貨車が2種類に気合の入った駅セット。そして当然ながらレール各種。交換用モーター。
 #4554「黄駅」は圧倒的でした。以後のレゴ建築の方向性を変えるさきがけになったと言っても過言ではありますまい。

 12Vから退歩するまい……といわんばかりのクオリティと攻勢。
 実際、幾つかの機能は退歩していたわけですので、欧州市場を考えるとこれくらいしておかないといけなかったのかも知れません。

 これがずっと維持できればよかったのですが、当時はまだ「大人もレゴを買う」時代になっていなかった。ゆくゆく退潮していくことに。


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●#4515 Straight Rails

http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=4515-1
 直線レール単品。8本入。日本でもカタログ掲載品でした。
 御多分にもれず、いつも品薄だったようです。箱のデザインは上記のものの他、2003年以降のWorldcityタイプが存在します。後者が2007年ころの供給停止まで使われていました。中身は2004年ころから「新濃灰」に変わっています。


●#4520 Curved Rails

http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=4520-1
 曲線レール単品。8本入で半周円分。日本でもカタログ掲載。
 御多分にもれず、いつもあまり気味だったようです(苦笑)。但し、それでも2003年以降のWorldCityタイプ及び、2004年以降の新濃灰タイプも存在したのでした。直線レールもそうなのですが、箱を開けないと色がわかりません……。


●#4531 Manual Points

http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=4531-1
 ポイント左右セット。ポイント左右+曲線レール2本。日本でもカタログ掲載。
 これもWorldCity箱と新濃灰版があります。


 注意書き。左には「選択式」であることが示されています。12V時代「全通式」だったことを知ると、この当たり前のことが記されている意味がわかってきましょう。

 右には分岐側に直接曲線外方、または直線レールを繋いではいけないとの記載があります。
 正直、この制限の意味が未だにわかりません。純正品車輌なら「×」の繋ぎ方でも問題なく走行しますし、自作の蒸気機関車のような面倒な?題材でも、「×」パターンでも概ねクリアしますから(というか、走行テストさせます)。
 小刻みな小カーブが連続してしまうので不安定になり、「動作対象外」になるよってことだとは思います。


●#4558 Transformer and Speed Regulator

http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=4548-1
 スピードレギュレータ単品。本体+ACアダプタ+レールへの給電ケーブル。
 #4558メトロライナーにスピードレギュレータが含まれませんでしたし、#4551クロコダイルのような単品機関車のことを考えれば単品販売も必然性がありました。
 しかし、#4563貨物列車には標準で含まれていましたし、後日のトレインセットでは含まれているのが標準になってきます。
 そうなると#4558は余り物に……。そのためWorldcity箱は存在しないものと思われます。


●#5300 Electric Train Motor
http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=5300-1
 トレインモーター単品。
 おそらくサービスパックとして、箱なしパック入りでの供給であったと思われます。単品の9Vトレインモーターとしては後日の#10153がありますが、あちらは通常商品として箱入りだったとのは対照的。
 理由は、この時代にはモーター無動力車の発売がなく、店頭に置く必然性がなかったためと思われます。


●#4536 Blue Hopper Car

http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=4536-1
 貨車単品。貨車と小さな荷降ろし場付き。日本では未販売。
 欧州系のホッパー車がモデルで、いま見てもリアルな形状です。ダミーではありますが開閉シリンダの表現があるのがらしさを増していましょう。
 底面は開閉しホッパとして機能します。そのため車体フレームには4.5V時代のものが使い回されています。

 %4178 灰レール4.5V時代に機関車用で使われていたもの。今の目で見ると過渡期的な製品と云えましょうか?


●#4543 Railroad Tractor Flatbed

http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=4543-1
 貨車単品。貨車と作業用重機のセット。これも日本では未販売です。単品車両軽視は4.5v時代より悪化しています……。
 貨車はボギー無蓋車。重機はこれを使って保線作業するのもありでしょうし、また貨車の積荷としても楽しめましょう。純粋に貨車単品だと地味な製品になってしまいでしょうから、こうした工夫は必要だったのでしょうね。ただ、製品価格に跳ね返ってしまう問題はありますけれども。

 「貨車単品」が欲しい今としては、考えてしまう問題です。


●#4546 Road and Rail Maintenance

http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=4546-1
 保線用の軌陸車。云うまでもなくウニモグがベース。4幅車の模範的といえるスタイル。レゴのウニモグはこの製品が元祖と思われます。
 車輪は9Vに合わせて新規開発の「小径車輪」を初採用。見てお分かりの通りこの車輪はヒンジで上方に折りたたむことができます。

 なお、後方には連結器がついており、保線モーターカーや入換機関車の代用としても使える配慮がありました。
 

●#4539 Manual Level Crossing

http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=4539-1
 定番の踏切単品。踏切警手の小屋付。これは日本でも発売されていました。
 踏切警手は今の日本ではほぼ見られませんが、1990年代は未だ何箇所か残っていたと思います。なお、2009年のロシアでは「踏切=警手の居るもの」でした。安全思想の差を感じます。

 閑話休題。この時代は踏切のバーは専用の一体部品です。後日の製品は赤白をテクニックコネクタやタイルなどで表現していますが、どちらがよりスマートなんでしょうね。

 ともあれ、こじんまりとしつつ、まとめ方の巧い製品でしょう。


●#4554 Metro Station

http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=4554-1
 駅。所謂「黄駅」。歴代のレゴの「駅」というか鉄道系ストラクチャの中ではもっとも立派なもの。悲しいかな駅に関してはこれを上回る製品は未だに存在しません。当然というか必然というか、日本未発売でした。

 モデルは欧州でもアメリカでも多々見られる古典建築。丸プレート使った装飾や、大量の2×2旧規格窓は羨望の的!
 日本の感覚では、なんで駅の正面がホーム側を向いているの? ってことになりそうですが、あちらではホーム側もまた「正面」と捉えられてるようで手抜きがされてないのですよ! 

 建物の造作は今で言うところの「#10000代」を思わせます。但し、壁面などは大型ブロックで一体化されてたりして、この時代の一般品であることもわかるのですが。プラットフォームも一体部品で、これは後日港湾のセットにも転用されています。
 付属品は大げさな荷運び車。日本での往年の荷物輸送はもっと小型のロールパレットやらターレット使ってましたので、こんな大きなトラクター+トレーラーには違和感感じるところですが、これもあちら(少なくともアメリカとロシア)では当たり前なのでした。

 ともあれ。
 レゴの建物はこれまでずっと合理性やモダニズム路線だったのに対して、古典化や精細化という意味で1つの方向転換になった記念碑的製品とも云えましょう。
 この「黄駅」があったからこその「モジュールビル」「Architecture」というのは大げさな見方でしょうか? ……まぁ、そこに行き着くまでの紆余曲折がとてつもない話なのですが。
 
posted by 関山 at 10:53| Comment(0) | TrackBack(0) | レゴトレイン製品史 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年05月14日

【歴史】レゴトレイン製品史27 1991年 9V製品(セット・車輌)/動力近代化の完成

 1991年、9Vスタート時の製品を見ていきましょう。
 「クロコダイル」「メトロライナー(インターシティライナー)」は歴史に残る名品! 基本セットにあたる、赤いディーゼル機関車の貨物列車もまた素敵。紹介次回になりますが、所謂「黄駅」もこれまでのレゴの建物にはない立派なものであったのです。

 それだけに、9Vに掛ける期待は大きかったのでしょう。
 スタートは華やか! これまでの互換性・連続性の一部を失った分を補って余りある、魅力のあるものになりました。

 但し、光にはまた影もあり。
 4.5Vには存在した、動力は後付け前提の廉価かつ低年齢向けの「手押しセット」が消滅してしまい、トレインシステム導入への敷居が大きく上がってしまいました。高価格は新規ユーザ獲得には不利になってしまい、対象年齢ではデュプロトレインとの落差を作ってしまいました。
 そうした敷居の高さが、以後の「汽車セット」……もといレゴトレインを何処か特殊なポジションに追いやってしまった可能性はあります。売れにくくなれば、アイテムも出難くなります。
 そのあたりの悪循環、RC/PFと移行した今も断ち切れていないように思えてなりません。

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●#4563 Load and Haul Railroad

http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=4563-1
 セット構成はレール円周分16本、給電ケーブル、スピードレギュレータ、国別のACアダプタ。二軸のディーゼル機関車1両に、2軸貨車3両。積荷のトラクターとオートバイと大量の樽。フォークリフト。ミニフィグ3体。

 4.5Vと12Vにそれぞれあったディーゼル機関車+貨物列車のセットを統合したようなポジションのセット。機関車はL形のスイッチャー。特定のタイプは思いつきませんが、25噸クラスの割と世界中の何処にでもいそうなタイプに仕上がってます。前面部品はかの「クロコダイル」にも使われている専用部品でした。
 青い無蓋車はアオリ戸が新部品。形状がこれまでの貨車にはありえなくリアルになりました。
 赤い有蓋車はスライドドアが新部品起こされ、ドアを重ねることが出来るように。全体に欧州系のデザインではあります。

 サブインストも含まれています。ディーゼル機関車をセミセンターキャブに。無蓋貨車1両+車掌室付無蓋貨車1両にするものでした。

http://www.brickshelf.com/cgi-bin/gallery.cgi?i=3032405
 パッケージ。上蓋付きで、中身を見せるタイプのものが奢られました。スピードレギュレータとACアダプタの存在感がやや大きいですが……。9Vレールとドア、連結器も魅せる要素になっています。

 このセットは当然、日本でも発売されました。お持ちであった方も少なくないでしょう。

http://www.brickshelf.com/cgi-bin/gallery.cgi?i=3032418
 箱裏の画像。怪しげな箱型機関車とかの組換作例も載っています。


●#4558 Metroliner

http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=4558-1

 12Vの#7740(TEE風 1980)や#7745(TGV風 1985)の後継となる旅客列車セット。
 日本での商品名は「インターシティライナー」でした。欧州の事情はわかりませんが、恐らくアメリカでの商品名が構成に半ば公式になってしまったものと思われます。
 なお、「メトロライナー」はペンシルバニア鉄道→Amtrakの車輌・列車名でした。詳細こちら。

 似ていないといえば似ていません。但し、灰色のボディに三色帯のラインは当時のAmtrakの塗り分けを彷彿させます(※1)。なんであれ、レゴの列車がアメリカを意識した最初と云えましょう。

 ※1:ただし、より雰囲気が近いのはマレーシア国鉄の客車等の塗り分けですが、まぁそこまで意識してたかどうかは謎です。インターナショナルな雰囲気のため、敢えてアジアの発展途上国のをモデルにした可能性は否定しきれませんが。

 セット構成はレール円周16本と直線4本。3両編成の列車は「動力+売店車」+「客車」+「寝台+荷物車」という凝った構成です。プラットフォームとミニフィグが11体という豪華版。
 ただし、スピードレギュレータは別売でした……。本体価格が余りに高価になってしまったためでしょうか? 或いは先の#4563貨物列車の次に買うセットという位置づけであったからかも知れません。
(日本では定価27000円程度であったはずで、スピードレギュレータも揃えると3万円オーバー……)

 組み換えインストがあり、電機+客車+貨車の編成にすることも出来ました。またインストはないものの、電機+客車2両という編成にすることも可能です。

 普通に走らせて良し。ミニフィグで遊ぶも良し。組み替えて良し。文句なしに名作といえるセットです。2001年に復刻版#10001がリリースされたのも宜なるかな。
 但し、先述の価格以外にも難点がないわけではありません……格好の良い前面は一体成型の専用部品でした。#4558でこそ気にならなかった(全体として良すぎたので気にならなかった?)この悪影響は以後のレゴトレインセットに付きまとうことになります。PowerFunctionの現行品#7938でようやくその流れを断ち切ることができたのでした……。


●#4551 Crocodile Locomotive

http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=4551-1
 所謂「クロコダイル」。オーストリア国鉄の間接式電機がモデル。鰐のように身をくねって走る姿は模型ばえするもの。電機でクロコダイルと言うと瑞西国鉄の方が有名ですが、あちらはロッドドライブなどがありますから、プロトタイプをオーストリアに求めたのは正解でありましょう。

 単品の機関車でモーター付。この鉄道模型完成品的な製品カテゴリは9Vではこれ1作で終わってしまいました。9Vのスタート時に「鉄道模型」的な製品をリリースして盛り上げようとしたレゴ社の意気込みは感じますが、それが続かなかったのはあまりに残念なこと……。

 造形は今の10000代を見慣れていると、やや素朴ではあります。しかし、40ポッチの全長はそれまでのどんな製品よりも堂々とし、またリアルなものであったのです。12Vで云うところの単品蒸機、#7750の9V版というところかもしれません。孤高の製品という意味でも共通しています。

 サブインストではB-Bの箱型電機(短いボンネット付)に組むことが出来ました。こちら参照。
http://www.brickshelf.com/cgi-bin/gallery.cgi?f=307032

 なお、日本では未販売。後世にファンの手で個人輸入されたものはそれなりにある筈です。
 また、#4512風やら、緑バージョンなども後世のファンの手で多々作られています。
http://www.brickshelf.com/cgi-bin/search.cgi?q=4551&stype=f&n=6
 出回った数こそ多くはない製品でしょうが、その影響力は小さいものではなかったのです。

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 さて。ここまで9Vの動力車を含むセットを紹介してきましたが、そのスタート時は蒸機がなかったことに気が付かれることでしょう。思えば4.5Vも12Vも、青レールも灰レールも主役は蒸気機関車でしたから、この変化もまた画期的。

 思えば、灰レールに移行した1980年当時でも、西欧では蒸機は動態保存や非常用を除き引退していました。ですから蒸機は既に子供にとっては身近な存在で無くなって久しかったのです。
 「動力近代化」という実物鉄道での当たり前が、やっとレゴ汽車セットでも実現したのでした。

 なお、子供にとって「蒸機」が魅力的であるか否かは世代差などもありましょう。
 管理人の個人的な思い出では
「蒸機が完全引退してSLブームも去った1970年代後半になっても、大人は『子供はSLが好き』という思い込み?でSL(※2)のおもちゃや絵本をやたら乱発してた。とうの子供は電車や電機、ディーゼル機関車の方が好きなのに!」
 という感じ。まぁ管理人が弄れてただけかもしれませんが。

※2:多くは7100形かD51で偶にC62。そういえば、最近は蒸機をSLという言い方しなくなりましたね……。「SL人吉」「SLばんえつ物語」のようなJRの公式以外では見かけないような気がします。

 でも、今になっては「レゴトレインで蒸機のセット出せ」とか云ってるのですから勝手なものです(苦笑)。
 ノスタルジィもありますけれど、時代が一周りして保存蒸機が寧ろ「新しい乗り物」になっているのも大きいのかも知れません。
 
 (続く)
posted by 関山 at 22:16| Comment(3) | TrackBack(0) | レゴトレイン製品史 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年05月09日

【歴史】レゴトレイン製品史26 1991年 9Vスタート(システム概要)

 この連載も、いよいよ9Vを扱うときが来ました。
 規格としては「半ば、現役」であり、比較的最近な気もする一方で、既に22年も前のことですから歴史の一部でもありましょう。
 とはいえ、9Vで生まれた車輪やレールの形状はRC/PFと引き継がれています。

 車輪は外枠のある鉄道車両用として当たり前の形状になり、レールは一体の軌匡(ききょう)型になりました。これまでの玩具然とした露出した車輪。また組立式のレールとは一線を画す。
 車輌のデザインは欧州型一辺倒から、アメリカン・ワールドワイドを意識したものへ。
 そして「←○→」のレゴ鉄道マークもまた9Vから。
 
 レゴトレインに時代区分条明確な区切りがあるとしたら、1980年の青レールから灰レールへの移行。2007-9年ころの9Vの終焉とRC・PFへの移行も大きな区切り。
 しかし、規格やコンセプト・デザインの方向性が決定的に変わったという意味で1991年は永遠に忘れ得られない年になるのではないでしょうか?

 先に記しておけば、1991年の大変化がなければ「世界一創造的な鉄道模型」としてのレゴトレインの今はなかったともいえます。
(但し、遅かれ早かれ鉄道システムは刷新を迫られたと思いますが。電源の9V化は1987年以来ですから必然性はあったのです)

 功罪の評価は先に送り、先ずは9Vのシステムを概観してみましょう。


 スピードレギュレータと、ACアダプタと給電ケーブル(フィーダー線)。

 トランスではなく、スピードレギュレータである理由は、トランス部分がセパレート……ACアダプタとして分離したため。
 当時ACアダプタはTVゲーム用には一般化して久しく(一例としてファミコンは1983年)、コストダウンに繋がったはずです。ワールドワイド対応しやすいのも利点。

 ACアダプタは各国の電圧・プラグに対応したものが供給されました。無論、日本の100V向けも。純正品は入手難しいのですが、定格が近ければ利用可能(例えばファミコン用は使えます)。

 給電ケーブルはスピードレギュレータとレールをつなぐもの。片方は通電ポッチで嵌めるだけ。もう片方もレールに嵌めるだけのワンタッチ。

 なお、公式製品にはありませんが、スピードレギュレータは他の9V電圧のライトやらテクニックモーターやらの汎用電源としても使用できます。PowerFunctionでも変換ケーブル咬ませば使用可能。
 幸いにもスピードレギュレータのみなら廉価ですので(複数セットを買うと、余る!)、幅広い?利用は考えられていいのかも知れません。電池気にせずテクニック工作とか動かせるの楽しいですよ?



 曲線レール。レールそのものはプラ製であり、通電部分にステンレスのコートがしてあります。
 曲線半径はこれまでの4.5V/12Vと全く同じもので1種類のみ。16本で円周になります。
 色は(旧)濃灰でしたが、2004年以降新濃灰のものも供給されました。現存しているものは旧濃灰の方が圧倒的に多数です。


 直線レール。レールはプラ製で、通電部はステンレスコート。
 長さは16ポッチで4.5V/12Vと同様。色は(旧)濃灰と、2004年以降の新濃灰の両方あり。

 レールは鉄道模型・鉄道玩具では常識的な軌匡形状になりました。
 4.5V/12V時代の組立式と違い、設営は非常に簡便になっています(というより、12Vの設営が余りに手間が多いのです……)。


 ポイント(左)
 側線分岐専用だった4.5V/12V時代と大きく形が変わりました。
 しかし、なぜか分岐側には直線や、外向けに曲線つなぐことが「×」とされていました。原則として内向けに曲線を繋ぎ、側線分岐にすることが推奨です。実際に前者のような近い方はしましたが問題はなく、「×」の理由は不明……。
 ただし、側線分岐時の複線間隔は4.5V/12Vの0ポッチから8ポッチになり、やや開きすぎながらも、複線での車輌接触などの問題はなくなりました。また、8-10ポッチ幅程度の自作車輌も使いやすく。

 電気的には「選択式」になったのが大きい。ポイントそのものが電気的なスイッチとなり、進行する側のみ通電します。留置車輌(動力車)は進行しない側においておけば良いわけです。
 この、今から思えば当たり前のことが12V時代はできず(全通式)、列車留置には信号機セットでギャップスイッチを要し、コストや手数が相当なものになっていました。

 
 ポイント(右)。
 左と何ら変わりません。
 9Vとその後のRCでは、ポイントの電動化は全く配慮がありません。ここは退化です。

 ただし、スプリングポイントになっていて逆線割り込み進入時でも脱線せず、またポイントは元に戻ります。
 同じ向きのポイント2つあれば、単線区間の行き違い線なら半自動的に使えたりします。これは4.5V/12Vには出来ない使い方です(12V電動ポイントは逆線進入ができません。手動ポイントは割り込んだ側に変わってしまいます)。

 なお、クロスレールは1991年のスタート時には用意されていませんでした。



 9Vトレインモーター。寸法・構造は12V灰レール(1980)のものとも、或いはRC(2006)/PF(2010-)と共通です(内部のモーターの特性はそれぞれ別物ですが)。
 両軸モーターが入っており、ピニオン+クラウンギアで駆動します。そのため、動力車の手転がしも一応は可能です(ウォームギアでは出来ない芸当)。

 車輪は固定で、全く取り外しなどは考慮されていません。
 車輪の踏面部分はゴムベルト巻きで牽引力を確保。集電はフランジ部分のみで行なっています。フランジにも微妙にスプリングが効き、レールへの接触を確保しています。この辺の作りは微妙絶妙。

 上の絵でわかりますよう、片方に通電ポッチがありそこからライトなどの電源を取ることが出来ました。9V時代ほとんどのトレインセットにライトギミックがあったのです。ただし、走行電圧と同じですから、フルスピードで走らないとライトとして見栄えのしない使いにくいものでしたが。
 この通電ポッチを使って、外部電源からモーターを回すこともできます。

 このモーターはカラーバリエーションや形状バリエーションなど一切無く、1991-2008年ころという商品寿命を全うしました。


 上記トレインモーターに取りつける、台車枠部品。
 12v時代にはなかった部品です。そのかわり、12Vには用意されていた「中間車輪」が9Vではなくなり、三軸の動力台車を作るのが困難になってしまいました。
 また、12Vにはトレインモーターの車輪にロッドを付けることが出来ましたが、9Vにはその種の配慮はありません。これは蒸機メインの12Vから、電車やディーゼル機関車メインに移行したことの象徴でしょう。


 車輪。
 或る意味、9Vを象徴するのがこの車輪パーツでしょう。省略気味ではありますが軸受や軸バネが表現された車輪枠がどれほど有りがたいものだったか!
 実物の鉄道車両では、殆どの場合は車輪は露出せず、何らか枠に収まっているもの。4.5V/12Vではむき出しの車輪がリアルティを損ねていました(今の観点ではノスタルジックで悪くないのですが)。

 この形状の車輪にするため、車輪タイヤトレッドがこれまでの1ポッチ幅から半ポッチ幅になったのも大きな変化。

 また、車軸は先端尖ったピボット式。これまでの車輪より随分走行抵抗が小さくなっています。
 車輪+車軸は容易に外せます。しかし、車輪と車軸を分離すると復元不可能です(何らかの接着が必要)。

 この車輪にも欠点はあります。或る程度(2-3年)使い込んでくるとプラ部分が変形するのか、転がし抵抗が大きくなり、走行性能が悪化してくるのです。この改善は2006年のRCトレインを待たねばなりません(形状同じで組立式になり、車軸はプレーン軸に変更)。
 色は黒が基本ですが、2002年に旧灰色、2004年に新灰色のものもリリースされています。

 その他の12vからの変化を上げておきます。
・ボギープレート。凸がやや短いものに変更。
・トレインプレート(台枠28ポッチ長)が「6つ穴×2」から「3つ穴×2」に変更。ただし9V初期製品では「6つ穴×2」のトレインプレートも混用。
・動力車のウエイトブロックがなくなる。
・連結器のマグネットホルダーから開放ピンがなくなる。
 
<画像はbricklinkより。続く>
posted by 関山 at 12:37| Comment(3) | TrackBack(0) | レゴトレイン製品史 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年05月02日

【歴史】レゴトレイン製品史25 9Vの前歴史「モノレール」(後)

 前編こちら。

 モノレールシステムは、他に転用の利かない専用部品多数によって成立していました。その全容と使い方について解説します。

 モノレール関係の部品リストこちら(bricklink)
 画像も上記より引用しています。


◆パーツ構成:車輌部品
 
<付随車台枠>

 %2876「Monorail Base 4 x 20」という専用部品です。色は黒のみ。専用のボギー台車を組み合わせます。

<付随車台車>
 %2686c01「Monorail Bogey with Bogey Bracket/Pivot」。%2876に組み合わせるボギー台車。軸受と台車のアセンブリですが、それぞれは単独では使いようのない部品でした。

<動力台車>
 
 動力台車には2種類が存在しました。左が2684c01a ショートカップリングタイプ。右が2684c01b ロングカップリングタイプ。
 前者ショートタイプは1987年の#6990ヒュートロンモノレールのみ使われ、1990年の#6399エアポートシャトル及び1994年のユニトロンモノレールは後者のロングタイプです。

 当然、ロングカップリングタイプの方が連結面間に余裕があり(半ポッチ程ですが)、急曲線急勾配への対応がしやすくなっている……筈です。カップリングはかなり可動範囲が大きくとられています。

 モーターは縦位置に搭載。駆動用ピニオンを回します。
 写真では下方に見える4角錐状の出っ張りがスイッチで、押し込むと前進・手前に引くと(向こうから押し込まれると)後退・中間位置で停止です。これによってストップや方向転換が可能になっていました。
 なお、成型色は白のみ。


<モーターカバー>

 %2619 Monorail Motor Coverは上の動力台車に付けるカバー。成型色は赤のみ。
 無くても機能上は問題のない、外見上の部品です。入っていたのは「街」仕様の#6399エアポートシャトルのみ。



◆パーツ構成:レール

 %2671 直線(長)1987年より。

 
 %2670 直線(短)1987年より。本当に短い直線レールで、端数調整用と思われます。


 %2672 曲線(長)1987年より。曲線レールで90度の角度あり。

 %2877坂レール(左)%2878坂レール(右) 1987年より。かなりの急坂レールで弓なりになっています。両者は必ず組み合わせての使用ですが、間に直線レールを入れることも可能な模様。
<追記:坂レールの上下は独自の接続であり、中継ぎは出来ないそうです。>

 %2774 スイッチ付レール。 1987年より。モノレール用のストップ・方向転換レール。写真手前の丸い部分を回すとレールを挟み込む楔状の部分が動きます。

 %2892 曲線(ポイント組み合わせ用・左) 1991年からの追加レール。右端の形状に注目。鍵形になっていて、後述のポイントレールとしか組み合わせできない仕様になっています。ラックレールのかみ合わせの問題もありますので、45度角の曲線レールとして使うことは実質不可能なので要注意。このレール同士の組み合わせでS字カーブは可能かも知れませんが。
<追記:可能とのこと>

 なお、%2891 曲線(ポイント組み合わせ用・右)が対になっています。

 %2890 ポイント左 1991年からの追加レール。45度の角度で分岐するポイント。
 勿論、%2889 ポイント右が対になっています。

 左右とも分岐側の線路先端が鍵型ですので、%2891か%2892との組み合わせが必然になります。ラックレールかみ合わせの問題上、その他のレールは繋ぐことができません(同じ向きのポイント分岐側同士を合わせて片渡り線を作るのは可能か?)。
<追記:可能とのこと>

 切替は写真右側の、ラックレール部分をスライドさせることで行います。実物のモノレールやAGT並の大掛かりさなのですが、更に複雑にしているのは逆線進入にも対応していること。
 この写真で左方、直進側から列車が進入したとしましょう。写真ではポイントは分岐側に開通していますのでそのままでは列車は脱線してしまいます。
 しかし、直進側に見えるレバーにご注目。このレバーが列車によって押され、内部の機械的連動でポイントを直進側に切り替えてしまうのです。
 これは分岐側についても同様。
 手動操作は上記レバーの他、スライドするレールそのものを動かしても行えます。
(さて、この優れた機構はかなり機械的に無理があります……)



◆現在使う上での注意点

 自分が故あってモノレールを触った経験から申せば、モーターの方向転換機能と、ポイントの逆方向進入時の自動切り替え機能は現状では作動しないものもあるようです。
 前者はスイッチが押されきらずに途中で止まってしまい、停止してしまう。
 後者では、逆方向切り替えレバーが硬くなっていて列車が当たると、列車の力でレバーを押しきれずに止まってしまう。後者のポイントは注油などで復活する可能性はありますが、飽くまで自己責任です(困ったことにポイントは分解できない構造です!)。

 レゴ社の製造したものは多くは秀でた耐久性を誇りますが(4.5Vや12Vはその白眉)、モノレールは例外であると考えて良いかもしれません。
 無論、モーターの方向転換機能は使わない。ポイントは飽くまで側線・留置線用に使い、原則手動操作という割り切りなら十分に使用可能です。モーターそのものは他のレゴモーター同様頑丈ですから。

 それよりは、PowerFunctionの電池BOXと受光ユニット搭載して、PF-9Vの変換ケーブル咬ませてPowerFunctionでモノレールを自在に操作する……なんて楽しみも今ならありましょうか。

 とはいえ、本格的な自作モノレール(ひだか式等)も実用段階に入っているのもまた事実。
 2010年代の大人レゴとしては、自作モノレールも十分に選択肢になりましょう。
 

 さて、いよいよ次回からは「9Vトレイン」です。
 ここからは所有されている方も多いゆえに、いい加減なことが書けません。
 
posted by 関山 at 18:31| Comment(2) | TrackBack(0) | レゴトレイン製品史 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年04月30日

【歴史】レゴトレイン製品史24 9Vの前歴史「モノレール」(前)

 前回9Vトレインの前歴史としての「Light & Sound」について触れました。ここで生まれた通電ポッチ規格と、006P角型電池使用で生まれた9Vという電圧。これが1991年の9Vトレインの登場に繋がったと。

 しかし、軌道系への転用という意味なら先にもう一つの段階があります。日本でも発売されていて、そこそこ所有者・ファンも多い「モノレール」。1987〜1994年の間に展開されました。



◆「モノレール」のセット

 モノレールのセットは3種類のみ。それも時代は離れていますので(1987・1990・1994)、複数のセットが同時に市場に存在していたわけではありません。他は拡張レールセットが2種類でこれも時代が異なります(1988・1991)。
 単品の車輌などは最後まで存在せず。そもそも、複数列車が線路上に存在することは最初から考慮されていないシステムでした。
 なお、サービス扱でモーターなどの部品は用意されていた模様。


 #6990 Monorail Transport System(1987)
 最初のモノレールのセット。別名「ヒュートロンモノレール」。701ピース。
 モノレールは#6399エアポートシャトルのイメージが強烈ですが、元来は街シリーズではなく、宇宙シリーズの惑星基地用に開発されていたものなのですね。

 コースは単純なエンドレス。但し高低差は取り入れられています。駅というより基地は地上と高架上に一箇所づつ。



 #6399 Airport Shuttle(1990)
 730ピース。このセットが一番有名かもしれません。モダンな都市交通でかのメトロライナーあたりの組み合わせが似合いそうですが、実はこちらの方が1年先輩です。
 惑星基地から転用されたシステムは「街」にも自然な調和を見せていたのでした。

 コースは二重ループで、二重高架という見せ所のあるものになりました。駅は地上駅と高架駅。


 #6991 Monorail Transport Base(1994)
 別名「ユニトロンモノレール」。551ピース。最後のモノレールセットとなりました。
 再び宇宙シリーズに戻りましたが、レイアウトはポイントが新たに加わっています。また高低差を生かした展開という意味では一番過激なものにもなりました。大変に見所の多いセットです。

 列車は普通の列車と言うよりは、宇宙船や惑星ローバーの操縦席部分を運ぶコンテナ台車的なものになっています。実際、巧く動作すると高架基地上の宇宙船にコクピットがドッキングしたり、地上基地のローバーにもドッキングしたりするとか。このギミックのために方向転換機能もフルに使われています。
 

 #6921 Monorail Accessory Track(1988)
 拡張レールセット。ヒュートロンモノレールに合わせたもの。曲線レールと直線レールのみの割とシンプルな拡張セットでした。
(画像は#6990ヒュートロンモノレールを組み合わせた拡張図です)

 #6347 Monorail Accessory Track(1991)
 拡張レールセットで、AirportShuttleに合わせたものです。このときにポイントが初めて登場しました。日本では発売されなかった模様です。
(画像は#6399AirportShuttleを組み合わせた拡張図です)


◆モノレールシステムの概要

 モノレールとは言いますが、平面な路盤上を中央案内軌道に誘導され車輪で走るというもので、実質的には「新交通システム(AGT)」の方が近いかもしれません。AGTの殆どは側方案内ですが、中央誘導方式では「VONA」が実用化されています。

(wikipedia VONAより)
 採用は日本での2箇所のみ(それも1箇所廃止)。お世辞にも成功作とは言いがたい。
 とはいえ、他システムのAGTとともに、当時は未来的なものに思われたのでした。1987年というのはそうした時代でもあったのです。

 駆動は実物と異なり、レールの真ん中にはラックギアがモールドされており、そのラックを挟む形で縦向きのピニオンで駆動するというもの。このため急勾配もらくらく登っていきます。
 如いて現実の乗り物でこれに近いシステムを上げればロヒャー式のラック式鉄道が該当しましょう。この採用例である瑞西のピラトゥス鉄道は世界最急勾配の鉄道なのも宜なるかな。

 と、云うわけで「VONA」+「ロヒャー式」の組み合わせは急カーブや急勾配をクリアする、興味深いシステムになったのでした。

 制御は地上の専用レールによって、「停止」と「進行方向切替」が可能。即ち4.5Vトレイン並ことが出来た由。なお、現在ならPowerFunction使ってのリモコン運転も理論上は可能です(例は見た事無いですが)。
 速度は……先の急勾配対策などもあり、4.5Vトレインくらいになっています。高速感のある外見ですが、まったり気味。玩具としては物足りないのですが、模型としてみたら嬉しいスケールスピード。

 編成は「付随車−動力台車−付随車」しか想定されていません。一応、付随車を片方のみとか、電池搭載位置を何とかすれば動力台車のみの運転も可能です。牽引力には余裕はあるようで、後世のマニアの運転では「付随車−動力台車−付随車+付随車」みたいな編成も。

 電源は角型9V乾電池(006P)。今のようにニッケル水素電池の無い時代ですから、寿命の短く高価な006P電池の交換はモノレールをより贅沢なものにしていた感はありましょう。

 贅沢……。モノレールが衰退した理由はこれに尽きましょうか。
 モノレールセットの価格は何れも日本円で2万円を超えてしまうものでした。当時は未だ大人レゴの需要はありません。また、9Vトレインは確かに2万円を超える価格ではありましたが、こちらは鉄道模型的発展要素という可能性込での価格です。その上、付随車に於いては4.5V等の過去資産まで生かせる、当時で25年の歴史と実績のあるシステムでもありましたし。
 しかし、モノレールシステムは商品数の少なさからわかりますよう、「閉ざされた」ものに過ぎません。ここへの「投資」はそれなりに思い切りとか余裕が必要であったと。
 これで売れない・売りにくい品になってしまったのでしょう。

(後編に続きます)
posted by 関山 at 22:55| Comment(0) | TrackBack(0) | レゴトレイン製品史 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年01月17日

【歴史:番外編】カタログに見るアメリカのレゴトレイン略史。不遇な歴史。

 古いカタログ――日本語版以外――の閲覧はpeeronが一番です。
 欧州主要言語版と英語(UK)、そして英語(US)版は概ねアップされていますから。
http://www.peeron.com/catalogs/

 さて。レゴ汽車シリーズの12Vは青・灰ともに日本では公式に扱いが無かったのは知られるところ。
 他に12Vが扱われていない(=カタログ非掲載)のは、イギリスも同様。日本と同じ4.5Vのみの掲載。但し灰レールになってからはイギリスでは12Vも供給されています。
 
 そして、今はレゴ社最大の市場になっている、また「レゴトレイン」のビルドでも「一大勢力」となっているアメリカ合衆国はといえば……。

 何と、1970年代のUS版カタログに汽車シリーズは影も形も無かったのです。

 1975年版

http://www.peeron.com/catalogs/1975/medium/?id=47
 peeronで確認できる、一番古いアメリカ版レゴカタログ。汽車シリーズが確認できません。

 同年の日本版は欧州と同じ16頁でしたが、アメリカ版は扱い品も限られ、12頁しかありません。しかも最後の2頁はアイディアブック的に埋めている始末。
 今の最大の市場国、そして主要ビルダー生み出している国の過去がこんなものであったのです。

 なお、多くの型番が「アメリカ独自」のものになっています※。そしてパッケージには英語の表示も(「ABCD」のグレードもなく、対象年齢はダイレクトに表示)。これは1980年ころまで続きました。

 ※:アメリカだけかどうか確信はありません。カナダやオーストラリアという英語圏もありますから。
 ちなみに日本では欧州と同じ型番・パッケージでした。

 1976年版
http://www.peeron.com/catalogs/1976/medium/?id=65
 やはり掲載ありません。未だ12頁。

 1977年版
http://www.peeron.com/catalogs/1977/medium/?id=73
 同じく掲載なし。扱い品がようやく増えてきて、他国同様の16頁になっていますが。

 1978年版
http://www.peeron.com/catalogs/1978/medium/?id=80
 同様。但し、黎明期のテクニックは全種扱いがあるところは日本より恵まれていました。

 1979年版
http://www.peeron.com/catalogs/1979/medium/?id=97
 同……。余談ですがファビュランドもこの年から掲載。これも日本より恵まれてるかも。鉄分ゼロなのは変わらず。

 1984年版

http://www.peeron.com/catalogs/1984/medium/?id=189 
 1981-1983年版のアメリカ版カタログは見つからなかったので、1984年版。
 灰レール時代になっても、アメリカでは汽車シリーズはカタログ非掲載が続いていました。
 ただ汽車以外ではフルラインナップで、日本より扱い品は多くなってきてるんじゃないでしょうか?

 1985年版
http://www.peeron.com/catalogs/1985/medium/?id=190
 何ら状況は変わっていません。
 この後1986-1990年と汽車シリーズは灰レールと9Vの端境期で、不遇の時代が続きます。しかし……。

 1986年版

http://www.peeron.com/catalogs/1986/medium/?id=187
 何と、この年から汽車セットが掲載されるようになりました!
 

 4.5Vの貨物列車セット(1985年の製品)と、レール3種のみの扱い(日本であった「手押し」はありません)。
 そして、左上に輝く「NEW!」の帯。

 1987年版
http://www.peeron.com/catalogs/1987/medium/?id=186
 同じ品が扱われています。
 1988-1991のアメリカ版カタログは見つかりません。しかし9V時代になりますと。

 1992年版

http://www.peeron.com/catalogs/1992/medium/?id=86
 表紙からして#4558メトロライナー!

 普通に9Vのセット・レール・駅舎が掲載されています。単品車輌以外では欧州と変わらぬラインナップ。



 なにより9Vの本命「#4558 メトロライナー」はカラーリングなどアメリカを意識した製品であり※、その意味でも画期的でした。

※:当時の日本では「インターシティライナー」という商品名でしたが。
 
 その後、1992年以降「#4547 クラブカー」や「#4549 ダブルスタックコンテナ車」など、明確にアメリカ市場を意識した製品デザインが行われ、9V全盛期へと繋がっていくのです。

 あと、1997-2000年ころのレゴ社全体の低迷期を乗り越えた2000年代前半は「サンタフェ スーパー・チーフ」「My Own Train」シリーズと偏重とも言えるほどにアメリカ形製品がリリースされました。
 アメリカ各地で大規模なトレインファンイベントが行われるようになったのもこの時期か、もう少し前だったと記憶します。1980年代末に蒔いた種が実るのは実に早かったのですね。
 そして、英語圏のコミュニティを「欧州系」「アメリカ系」と二分する勢力にも。

 此処から先は歴史ではありますまい。
 レゴ社自体がトレインのラインナップをどちらのファンにも納得・満足行く形で拡充してくれることを願うのみです。
(#10000代のトレインセットが2年に1リリースというのはやっぱり酷です! せめて毎年なんか出せよと)

◆◇◆◇◆◇◆   ◆◇◆◇◆◇◆


 思えば、アメリカでは4.5Vモーターセットが欧州(日本)とは別型番で、その内容が微妙に異なっているという事実が「アメリカでは青レール時代、汽車シリーズの扱いがなかったのではないか?」という疑念になりました。


 #900 4.5Vモーターセット(1973)。#103のアメリカバージョン。
 なんと鉄道車輪が入っていません!

 この関係は#901(US 1976−)と#107(US以外。1976−)になっても同様でした。

 古いカタログのUSバージョン観て、ようやく謎が解けた感じです。

 但し、まだ謎は残ります。

 #742 青レール時代の12V用トランスの110Vバージョンの存在。

 12Vの汽車セットを、欧州大陸以外でも発売しようとしていた名残?
 本当に12Vどころか、汽車セットそのものが展開されなかったアメリカを意識した製品なのでしょうか※。極めてミステリアスな品でありましょう。当然、220V用と違い、現存数は極めて限られるようです。

 ※:日本向けを意識していた可能性はあります。当時のレゴ販売国の中で電圧が100-110Vなのは日本とアメリカだけでした。
 
posted by 関山 at 19:23| Comment(2) | TrackBack(0) | レゴトレイン製品史 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月09日

【歴史】レゴトレイン製品史23 9Vの前歴史 「Light & Sound」の登場

 このブログの読者諸兄なら御存知の通り、レゴトレインが4.5V/12Vから9Vに移行したのは1991年。
 しかし、9Vでお馴染みの「通電ポッチ規格」を使用した「Light & Sound」が始まったのは1986年のこと。

 今回は脇道にそれて?
 ……いや、1991年の9Vトレインの前歴史として「Light & Sound」に触れてみましょう。この規格あってこそのお馴染み?9Vになるのですから。


◆「Light & Sound」のシステム概要

 「宇宙シリーズ」「街シリーズ」に於いて、光(電球)と音(電子音)の演出を行うために導入。
 これまでのレゴ電気系との違いは、ユニットの小型化への配慮とケーブル取り回しの簡略化。そのため、「街シリーズ」では4幅サイズの車にも無理なく収まっています。小型化のために電源は9V角型電池(006P)を使用。ケーブルは「通電ポッチ」として省略できるようになっています。
(後日、通電ポッチ規格の電源ケーブル類が追加されます)

 また、飽く迄「光と音」のシステムであるため、この規格でモーター回すことは最初は考えていなかったようです(1990年になって初めて9Vのテクニックモーター2838c01の導入が始まりました。同時に単三×6の電池ボックスも)。
 モーターを基準で作られてきたこれまでの(そして、その後の)レゴ電気系との大きな違いでしょう。


http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?P=4760c01
 %4760c01 9V角型電池(006P)用電池ボックス。このシリーズの基幹部品と言えましょう。電源on/offのスイッチ内蔵。但し極性切替は出来ません。
 これまでのレゴの電源系では最小サイズです。



http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?P=4755
http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?P=4757
http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?P=4758
 通電プレート 3種(1×2 2×4 2×8)
 電源ケーブルの代わり?になるものです。



 サウンドユニット。2種類のサウンド再生が可能。ひねると音声切り替えとon/offができます。
http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?P=4774c01
http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?P=4774c02
 4774c01が警察/消防車両のサイレン、4774c02が宇宙シリーズ用のサイレンを鳴らすものでした。以下リンクより「試聴」可能。
http://www.bricklink.com/catalogItemSound.asp?P=4774c01
http://www.bricklink.com/catalogItemSound.asp?P=4774c02
 いかにもな電子音ですが、当時らしくて好感の持てる音色です。

http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?P=4774cU
 4774cUというタイプもありますが、詳細不詳です。


  
 ライト2連 %4771
http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?P=4771
 ライト1連 %4767
http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?P=4767
 両者とも、普通につなぐと通常点灯・極性を反対につなぐと点滅灯になります。後者は言うまでもなくパトライトを意識したもの。



◆「Light & Sound」の採用製品(1986年)

 1986年、街シリーズに2種。宇宙シリーズに3種採用されました。


http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=6480-1
 #6480 Hook and Ladder Truck


http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=6450-1
 #6450 Mobile Police Truck

 当然、消防と警察で採用です。どちらも電池収容のためバンタイプの大型車が選ばれていますが、違和感は少ないデザイン。但し、予想というか懸念されるとおりそれなりに高価で、1987年日本版カタログ価格は#6780が4300円、#6450は3500円でした。


http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=6750-1
 #6750 Sonic Robot


http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=6780-1
 #6780 XT Starship


http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=6783-1
 #6783 Sonar Transmitting Cruiser

 この時代の宇宙シリーズは白とクリアブルーが基調色でした。ロボットは少し前のつくば万博的というか、なんともユニークな製品ですよね。中型・大型の宇宙船は毎度おなじみ?

 1987年の日本国内価格は#6750が4300円・#6780が7000円・#6783が9600円。大きめの宇宙船だとこの種のユニット入れても割高に感じにくいのですね。

 以降は割愛します。街シリーズ・宇宙シリーズの章を立ちあげなきゃいけなくなりますので。

 さて。気になるシリーズの終焉ですが、1995年ころまでは「Light & Sound」のロゴが、1998年ころまでは9V角型電池ボックスは使われていた模様。
 通電ポッチ規格はトレインやテクニック、マインドストームRCX用としては2007年頃まで生き延び、PowerFunctionに移行していきました。
 PowerFunctionと通電ポッチの変換ケーブル。これは2012年現在も現行品(%60656/#8886)。互換性確保は嬉しい限り!

 それから、通電ポッチとかユニットの小型化という思想は吹き飛んでしまったかと思えばさにあらず。
 2000年代入ってから「ボタン電池内蔵のライティングブロック」「サウンドブロック」が多々リリースされ、今に至っています。今昔の違いは、「街」「宇宙」で多用された「Light & Sound」に対し、クリエイターでの採用が多いことでしょうか。大きくコストアップにはなっていないのも今といえば今様ですが、警察に消防だらけのCityで採用されないのは、対象年齢の関係で難しいのかも知れません。

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 この記事書くためにbricklinkとpeeronで「Light & Sound」関係の情報集めしたのですが。
 年代に関しては1985-88年の間で結構不正確な印象がありました。例えば#6990の宇宙モノレールはbricklinkでは1988年になっているのですが、日本版カタログ1987年ではしっかり掲載されているとか。

 何を信じて良いか分かりませんので、取り敢えず当時の印刷物という一次情報、brickshelfで見られる1986年版ドイツ語カタログと、
http://www.brickshelf.com/cgi-bin/gallery.cgi?f=286497
 たまたま手許にある1987年版日本語カタログ(そのうち紹介・記事にします)の照らし合わせから、以下を基準としました。
 「Light & Sound」システムは1986年から(ドイツ……西ドイツでは10月)。
 「モノレールシステム」は1987年から。

 勿論、この辺の「誤差」を考慮に入れても、「Light & Sound」「モノレール」の2者がトレイン9V化の先駆けであった事実関係は揺るがないでしょう。

 そんなわけで、次回は「モノレールシステム」です。
 
posted by 関山 at 23:59| Comment(2) | TrackBack(0) | レゴトレイン製品史 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月24日

【歴史】レゴトレイン製品史22 1986年 灰レール最後の新製品

 1986年のレゴトレインの新製品は貨車1種。ストラクチャー系アクセサリーが2種です。基本的に1985年のラインナップを補足補完するものでした。
 一覧こちら。
http://www.bricklink.com/catalogList.asp?itemYear=1986&catString=124&sortBy=Y&sortAsc=A&catType=S

 この1986年で灰レール時代の新製品は最後となります。灰レール4.5V/12vの歴史……レゴトレインシステムが本気で鉄道模型を目指していた時代はたった7年で終わってしまった……?

 いやいや、製品の供給サイクルは今と違いますので、恐らく1990年ころまでは1985−1986年製品の供給が続いたものと思われます。そう考えると灰レールは10年余の歴史となりますが。
 とはいえ、この10年余というのは使い捨てられる玩具という観点なら決して短くはないのですが、長期的なホビーの対象としてはいささか短くも感じるのです。鉄道模型の世界では20年かそれ以上改良再生産を繰り返されるアイテムは欧州・日本・アメリカともに少なくはありませんから。それと比べるとやるせなさを禁じえません。
 また、鉄道模型的なラインナップ展開が7年で挫折してしまったのも辛いことでした。新製品が出てこない閉塞感での残り4年、当時のファンの心境やいかに?

 しかし……レゴの製品ラインナップ全体という意味ではトレインが「冬」であった1987-1990年というのは素晴らしく充実していた時代であることは忘れてはなりません(お城、宇宙、街、テクニックetc)。
 その中で1985年のラインナップが維持されたことは幸いであったのでしょう。

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●#7813 Shell Tanker Wagon

http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=7813-1
 単品の貨車。ミニフィグ1体付き。
 球体のタンクを3つ積んだ不思議な形のタンク車です。自分が知るかぎり、日本はともかく欧州でも実物にこの形状は無いはずです(特殊な車両で知られていないものはあるのかも知れませんが)。

 ただし、玩具としては面白い形状だと思います。ハンドルやハシゴ、手すりというアクセサリもまた魅力。ShellカラーにShellマークも感慨深し。

 後の9Vで同系の車両#4537(1993年)が出ておりますね。

http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=4537-1
 当時既にブランドは「octan」でした。


●#7823 Container Crane Depot

http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=7823-1
 貨物駅のセット。12Vの直線レール2本にコンテナ貨車1両。コンテナ2個。トラック1台に作業員のミニフィグ2体入。12Vで使うことを前提としたセットです。

 まだまだ手抜きな大型部品が少なかった時代ですので、ガントリークレーンはブロックとプレートでがっちり組み合わされています。赤いクレーン部分もがっちり堂々とした作りです。
 コンテナは4幅規格。ただしドア部分が外部に突出していたり、積み重ねへの配慮がないのは1990年代の製品との差異でしょうか。

 
●#7839 Car Transport Depot

http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=7839-1
 こちらも貨物駅のセット。12Vの直線レール2本にフラットカー1両。乗用車1台に作業員と乗用車のオーナーのミニフィグ各一体。これもまた12Vで使うことを前提。

 駅のギミックとしては貨物プラットフォームの一部がスライドして貨車に密着。乗用車の自走による積み下ろしが可能になるというもの。大仰な外見終わりに地味? ただし可動部分の黄線がプレート表現で他とツライチなのは凝っています。捜査室の外見もシンプルながらかっこいい。

 貨物駅2種は、今の部品でも近いものは再現できそうですし、遊んだら楽しそう。
 ビルドのヒントにもなるかもしれませんね。

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 この連載ですが、1991年の9Vシステムの登場までは……飛びません。
 9Vに至るまでに、その先駆けになるシステムが幾つか存在しています。
 そこから触れることで、1991年の9Vレゴトレインの登場……というより、1991年のレゴ電気系の9V統一という偉業が見えてくるでしょうから。
 
 

posted by 関山 at 22:43| Comment(2) | TrackBack(0) | レゴトレイン製品史 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月05日

【歴史】レゴトレイン製品史21 1985年 灰レールの第二期へ(2)。

 青レール時代に一部例外のアメリカ形こそ有りましたが、「レゴトレイン=ドイツ形」という流れは1960年代から一貫していました。鉄道模型でもドイツ形は一番ポピュラー(※)でもあったわけで、その市場を狙うレゴトレインもまた然り、と。

※:フランスやイタリアにも主要メーカーは多々あり、その多くは早くから輸入もされてましたので、「欧州型鉄道模型=メルクリン」は間違いなのですけども。

 そんなわけで、灰レール時代には「欧州各国の国鉄マーク入ステッカー」が入っていましたが、カタログ写真のたぐいは原則として「DB」(西ドイツ国鉄)表示であり、またそれが似あっていました。

 その例外が、12Vの末期に現れました。

●#7745 「High-Speed City Express Passenger Train 」

http://www.bricklink.com/search.asp?itemID=5527
 見ての通り、モデルはフランス国鉄のTGV。当時のレゴにはオレンジ色はまだありませんので、車体色は赤です。当時のパーツでのTGVの造形としては非の付け所のないものでしょう。
 但し、賛否は分かれるセットです。
 身の回りの12Vコレクター&ユーザー(お二人共 #7740所持)に聞いてみると「これはこれでいいんじゃないの」「これはこれでいつか欲しい」という意見でしたが……。

 フランス形モデルではありますが、箱写真にカタログ写真は「DB」表示でした。もちろん「SNCF」のシールも付属していますので、このへんはお好みで?

 セット構成はレール円周分に、直線レール12本(6対)。プラットフォーム。動力車と中間車、制御車(食堂車)。ミニフィグは10体入りです(うち乗務員×2 コック×1)。

 このセットで面白いのは前後ともヘッドライト、テールライトが点灯すること。どうやってるのかというと、動力車から制御車まで引き通し線を渡すという力技。この編成を分割する際は、磁石連結器の他、12Vのソケットも抜き差ししなければなりません。なお、運転台横のボックスは予備のライトレンズ(Φ1丸プレート)を格納するためのものです。

 パンタグラフはこれまでのプレート積み重ねた表現からヒンジを使ったものになっています。

 組み換えインストは箱写真の左下の右にある「駅舎と蒸気機関車」。蒸機は大型のタンク機ですが、後年のハリポタの歴代「ホグワーツ特急」的なデザインです。
 駅舎はライトユニット2本を使ってホーム照明にしています。


●#7817 Crane Wagon

http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=7817-1
 単品貨車。ユニック付トラックのような、ユニークな形状の貨車です。
 ただし、現実の鉄道では操重車(クレーン車)と長物車やコンテナ車を兼用したものはありません。とはいえ、保線用車両にはクレーン付の長物車や無蓋車で幾つか該当するものはあります。
 そんなわけで、面白い車ではあるのですが、飽く迄玩具的ファンタジーの範疇でしょう。

 サブインスト作例は健在で、高所作業車への組換例が掲載です。
 4.5Vですが、日本での発売が行われたか否かは定かではありません。


●#7835 Manual Road Crossing

http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=7835-1
 アクセサリ。定番の踏切。モダンな形状の警手小屋付。

 1983年の踏切#7866は「電動(リモコン)」「複線対応」「12V専用」という非常に大掛かりなものでしたが、この#7835はそれに呼応するかのような「手動」「単線専用」「4.5V専用※」というおとなしく現実的な製品となっています。

※:12Vでも理論上は使えるはずですが、インストに12Vで使うための記述はありません。

 遮断竿の操作がハンドル風になっているのは良いデザインです。警手小屋の形も好ましい。サイプレスツリーと遮断竿を除けば現行の部品でも再現できそうな形状ゆえ、今様の復元も面白いかもしれませんね。

 4.5V専用ですが、日本での扱いは不明です。
 
posted by 関山 at 19:22| Comment(9) | TrackBack(0) | レゴトレイン製品史 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年04月25日

【歴史】レゴトレイン製品史20 1985年 灰レールの第二期へ(1)

 長らくおまたせしました。久々のレギュラー更新です。

 さて。1982年についで、1984年もまたトレイン関係で新製品のない年でした。
 ですが、1985年は変革の年。12V・4.5V・手押しの全てでセットの刷新が行われています。
 リリースは12Vのセット2種と、4.5Vのセット1種、手押しのセット1種。あと単品の貨車と踏切です。

 基本的にはこのラインナップにて、1991年の9V統合までを乗り切っていくのです。


●#7715 Push-Along Passenger Steam Train

http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=7715-1

 手押しの列車セット。
 曲線レール1周分で直線レールなし。蒸気機関車と客車2両(同型)。プラットフォームとミニフィグ5体という構成です。
 サブインストもあり、箱写真の左下の「ディーゼル機関車+貨車2両」を組むことも出来ました。

 さて、このセット。1980年の#7710と似ていますが相違点は以下のとおり。

・蒸気機関車の形状
 幾分かリアルに、かつ立体的になっています。L形ブラケット使った前面煙室扉の表現は「なるほど」という感じで好感持てるもの。赤いフレームにシリンダも嬉しい部分。
 また、#7710では吹きさらしだった窓や入り口は、トレイン窓ハーフとトレインドアが入りました。

・客車
 色が変わり、1980年の単品客車#7818と同じ色になりました。が、#7818と同型でもなく、ドア配置・窓配置が異なります。#7818ではドアは点対称に配置でしたが、#7715では一端に揃えられたものに。関連して窓配置(ハーフトレイン窓の位置)も変わっています。結果としてスタイルが整った感じに。
 また、幌と貫通扉がリアルなものになっています。1980年の製品では幌は4×2ブロックを積み重ねただけのシンプルなものでしたが(フラッグシップ#7740も含めて)、1985年製品では2×1ブロック中心で構成。貫通路部分にはハーフトレイン窓が入っています。
 赤車輪は変わりませんが、連結器が赤に揃えられたのでバランスも良くなりました。

・レール
 唯一の劣化点?で、#7710には直線レールが8本4対入っていました。


<参考画像 #7710[1980年]>

<参考画像 #7818[1980年]>


●#7822 Steam Cargo Train, battery

http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=7722-1

 4.5Vの電動列車セット。
 曲線レール1周分。直線レール8本(4対)。蒸気機関車と有蓋車を模したバッテリーカー1両。フラットカー(コンテナ車)1両と、有蓋の小型郵便車1両がセットです。あとはミニフィグ3体と小さな貨物ホーム、フォークリフトとトレーラー入。

 先の4.5Vの電動セットは#7720でディーゼル機関車でしたので、蒸気機関車での4.5Vセットは灰レール時代では最初となります。とは言え、これが伝統ある4.5V最後のセットでもあるのですが。

 蒸機の形状は同年の#7715ともまた異なるものです。煙室扉は後年よく見られるようなΦ4のレーダーディッシュを使ったものになっています。スチームパイプがちょっと豪華? あと黄色の汽笛が目立ちます。ただ、造形としては#7715の方が整っているようにも感じますが。トレインドアやトレイン窓ハーフは#7715同様です。

 郵便車は1983年の12Vの単品郵便車#7819をハーフにしたような、なかなか好ましいものです。

 バッテリーカーは深めの屋根に黒車輪と見た目が少し変わってはいますが、基本的に1972年当時のままで中身変わらず。連結器は最後まで極性が固定の青レール時代のままでした(青・赤の色分けはありませんが)。

 組み換えインストは箱写真左下の「赤+黄」のディーゼル機関車の物が含まれてました。

 余談ですが、2012年現在、一番廉価に入手できる4.5Vセットでもあります。新しめなのでモーターなども劣化していないでしょう。今からの4.5V入門にお薦め……?


●#7735「Freight Train」

http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=7735-1
 
 12Vの電動列車セット。
 レール円周分と、直線レール8本(4対)。ディーゼル機関車と無蓋貨車2両、あと有蓋緩急貨車(日本で言う「ワフ」)、貨物ホームとオイル・ローダー、あとオートバイ2台がセットです。ミニフィグは2体。

 ディーゼル機関車は3軸ロッドドライブながら斜めのフロントガラスとボンネットがちょっとモダンな印象。4.5Vの#7720(赤。凸型)や、単品の#7760(青)が内燃機としても古典的な形状なのとは対称的です。お好みはどちら? 個人的には#7735のモダンさも整ってて十分美形だと思うのです。
 無蓋貨車は中央のアオリ戸がホームへの渡り板もかねる作り。遊びやすそう。

 有蓋緩急貨車は黄色一色なのが潔い。妻面のハシゴがポイント。

 組み換えインストは小型の電気機関車。#7740をショーティにしたような不思議なスタイル。「EB58」とか「Bトレ」的な雰囲気ですね。

 ここでも余談ですが、12Vのセットとしては一番廉価でもあります。トランスなどの投資も必要になりますけれども……。

<#7745他については、次回>

●196926「Train Track Layout Template 1:13 Scale for 4.5V & 12V」
 この年のトレインセット4種に入っていた楽しい「おまけ」です。


http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?P=196926
 ご覧のとおりの「トラックプラン定規」。これで卓上で計画してからレールをお買い求めください……という考えだったのでしょう。この種の定規は鉄道模型メーカー各社からも出ていましたよね。

 実用性はともかく(紙製ゆえ、定規としての耐久性も疑問)、アクセサリとして大変に楽しいものです。プラ製のちゃんとしたものがあれば……と悔やまれます。ただ、今はトラックプランのソフトウェアありますので、存在意義も微妙でしょうか。
 
posted by 関山 at 19:35| Comment(5) | TrackBack(0) | レゴトレイン製品史 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年04月24日

【歴史】レゴトレイン製品史:番外 12Vのポイントは全通式


 どれ位需要あるかわからない記事ですが、大事なこと?なので、一応。

 まず、レール集電の鉄道模型のポイントには2種類があります。

・選択式:ポイントが電気スイッチも兼ねており、開通方向のみに通電する。
 tomixの道床付レール(1976年)以来一般化し、今の鉄道模型のポイントは9割方、このタイプです。

・全通式:直進/分岐の両方向共に通電する。
 古典的な方式であり、今はあまりみられません(デジタル/DCCは別として)。

 レゴの12V/9Vではどうなってるかというと。
 9Vは「選択式」ですが、1970年代にルーツを持つ12Vは「全通式」なのでした。

 「選択式」はレゴ9Vとか一般的なN・HOゲージに慣れていれば当たり前の方式でしょう。側線などのポイントを切り替えた先は無電区間になり、そこに留置した動力車は動きません。本線に別の列車を走らせることができます。

 しかし、「全通式」だとそうは行きません。
 切り替えた先の側線も通電しますから、本線も側線も同じように列車が動いてしまう。そのままだと2列車を動かしたり留置したリという、選択式では当たり前のことができません。

 そこで「全通式」には「ギャップスイッチ」が別途必要になります。
 ギャップはレールを物理的に切って、電気的に無電区間を作るもの。
 スイッチは、ギャップの通電・無電を切り替えるためのものです。

 鉄道模型の世界ではメーカー純正のギャップ線路+スイッチを使うほか、レールを自分で切ってギャップを作り、汎用のスイッチで済ませることもできました。

 さて、レゴ12Vでは?
 青レール時代には「ギャップスイッチ」は供給されていませんでした。メーカーでは複数の動力車を買ってもらえる子供なんか存在しないだろう……という割り切りだったのでしょうか? その割にはポイントが電動だったりしますのでチグハグなのですが。

 しかし、あらゆるものが鉄道模型的に整備されてた灰レール時代は「#7860 Remote Controlled Signal 12v」がギャップスイッチの役割を果たしました。4.5Vのストップレール兼ねた信号機同様、レゴの信号機は飾りではなかったのです。

http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=7860-1
 セットは2灯式信号機の他、ギャップ集電レール2本と、通電/無電切り替えのスイッチで構成されていました。信号機はもちろん「緑」で通電/「赤」で無電です。

 欠点?
 運転時にはポイントとギャップ、両方のスイッチを操作しなければならず煩雑です。また、側線の数だけ(!)信号機も用意しなければなりません。コストがえらいことになります。設置や配線が面倒なのは云うまでもありません。鍵盤形のスイッチがたくさん並ぶのは……さぞかし壮観でしょうね(笑)

(実際、#7860は現在かなり高価なセットです……。現用で12Vを運用するなら集電レールの金属部切断でギャップ作り、何らかのスイッチを半田付けでもしてという魔改造が現実的かも?)


 こうして考えてみるとギャップスイッチの要らなくなった9Vというのは思っていた以上に「進化した」システムだったのですね。まぁ「当たり前」ができるようになっただけとも云いますけど。
 
posted by 関山 at 22:57| Comment(2) | TrackBack(0) | レゴトレイン製品史 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年10月23日

【歴史】番外篇:街シリーズの黎明期

 1980年からの「灰色レール4.5V・12V」を評価する上で、1978年からの「街シリーズ」(Classic Town)のことを忘れてはなりません(……いや、忘れ用として忘れられはしないでしょうが)。

http://www.brickshelf.com/cgi-bin/gallery.cgi?f=181559
 stevebd様提供の、貴重なポスター類!!
 (uk版。但し日本でも同じような配布物が出回っていました)。



 メイングラフィック。
 当時の子供にはとてつもない憧れに思えたものです。何時かは、こんな街を……。
 
 しかし。今から見るとフィグスケールの新製品「家」「ガソリンスタンド」「消防署」だけではなく、旧規格レゴランド時代の警察や病院、タクシー会社、さらに背後的な建物群(製品ではない)が並んでいます。
 飽くまで、黎明期。飽くまで過渡期のグラフィックなのですね。
 とはいえ、当時なりには「既存セットやパーツ」とのシームレスは違和感のないものでした。レゴ社の方としても過去資産も活用できます、という意識はあったのでしょう。

 その後1979年に警察署などはフィグスケールの新製品となり、カタログなどの写真もだんだんと置き換えれていくのです。



 当時の自動車系ラインナップ各種。
 それまでの車と違って、フェンダーが入ったことがとても画期的でした。車軸もそれまでの2×2ブロックについたものから、2×2プレートベースのものになったのです。
  


 しかし、多種に渡るラインナップも共通点はフェンダーが入ったことくらい。

・1970年代の4幅非フィグ乗り車を引き継いだような形状のもの。
・2幅にフェンダーを張り出した小型車
(VWビートルかシトロエン2CVクラスのイメージ?)
・専用カーベースにミニフィグ搭乗のできるモデル

 自動車のモデルとして、三系統が並立しています。
 黎明期ならではの自由さであり、また方向性も定まっていなかった?ことが伺えます。

 ちなみにlorriesでは643,603、RoadWorksでは670,605、Garagesでは601、PolicePatrolでは673,621、EireBrigadeでは640,620,602が日本未発売だった記憶があります(間違いあったらご教示を。当時の日本版カタログは何時か拝んでみたいものの一つなのですが)
 当時の印象としては、2幅フェンダー張り出しは流石に子供心にもしょぼく見えたものでした。4幅非フィグ乗りは旧来の製品と同じだったので寧ろ違和感はありませんでしたが。
 専用カーベースでミニフィグ搭乗は日本では#623が唯一。「細密な構成」に戸惑いつつ、少しづつ未来と云うか可能性を感じたものです。

 その後ですが、1979年はまだ2幅フェンダー張り出しもあったものの、1980年以降はミニフィグ搭乗が標準になっていくのです。


 最後に私事(わたくしごと)。
 自分が4幅主義、フィグスケール主義、ついでに言えば「箱裏の組換例」に執着するのは、この時代の刷り込みが余りに強烈であったからなんでしょう。

posted by 関山 at 23:59| Comment(6) | TrackBack(0) | レゴトレイン製品史 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年09月30日

【歴史】レゴトレイン製品史19 1983年 「電化は、進む」(12V限定)


 1982年は4.5V/12Vともにトレイン製品がリリースされない年でした。無論、あの時代ですから1モデルの製品寿命は長かったのだと思いますが。
 
 なんだかんだで、あの時代と今では「1年に出る新製品の数」は重みとかが全然違いますよね……。

 1983年はトレインセット1点、単品機関車1点、単品客車2点、単品作業車1点、ストラクチャ3点、アクセサリ1点、計9点のリリース。
http://www.bricklink.com/catalogList.asp?itemYear=1983&catString=124&catType=S


●#7727 Freight Steam Train

http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=7727-1

 12Vの列車セット。曲線レール1周分と直線レール4本(2対)。
 Cタンク蒸機と、コンテナ貨車2両、有蓋車が1両。
 ミニフィグ2体に、フォークリフトと積荷になっている小型車。

 まことに王道的な貨物列車セットです。1980年の#7730
http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=7730-1
 を置き換えるポジションの製品なのでしょうか? Cタンクの造形は一段垢抜けた、まとまりの良いものになったと思います。シリンダも車輪と同じ赤整形になった効果は大きいですね。
 缶胴形状にライト周りも少しながらディテールが強化されておりますし。

 貨車がコンテナ車(パレット積み車?)というのは積み替え遊び楽しむ上では嬉しい進化です。コンテナ車は同じ形でも、上に載せる貨物で形状変わるのでおもちゃ向けの題材だと思うのです。

 注目すべきは赤い有蓋車。%4511「貨車ドア」が初登場です。
http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?P=4511

 このドア部品は9V時代に新型も出つつ、そっちを差し置いて今なお健在な部品(#3677他)! このタイプのドアといえば、当然ドアレール付きプレートも登場。だんだんと、今に近づいていくのです。


 組換モデルは、凸型のディーゼル機関車にL形のディーゼル機関車。ディーゼル好きにも堪らないセットですね。当時のユーザーもきっと組み替え楽しまれたことでしょう。



●#7755 Diesel Heavy Shunting Locomotive

http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=7755-1
 ディーゼル機関車の単品。12Vモーター付。

 モデルは欧州各国にいる、(電気式の)凸型ディーゼル機関車。入換用の他、小規模な本線列車にも使われるクラスでしょうか。堂々としたスタイルのF形機ゆえ、客車牽かせたって様になりそうです(日本で言えばDE10クラスでしょうね)。

 なお、箱裏組換例としてはL形のディーゼル機関車が想定されていたようです。以下参照。
http://www.brickshelf.com/cgi-bin/gallery.cgi?f=481791


●#7815 Passenger Carriage / Sleeper

http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=7815-1
 単品客車。寝台車。乗客のフィグ2体付。
 1980年の傑作、#7740の増結に使ってくれ! と言わんばかりの製品です。欧州圏では寝台車は濃青(云うまでもなくワゴンリの流れ)や濃赤(ミトローパの流れ)なのですけど、史実と異なるTEE風ツートンカラーも色を揃える意味で嬉しいものですね。
 ハーフの黄色トレイン窓が寝台車っぽい雰囲気を醸し出す。また、窓下の「ベッド」「7815」はなんと専用のプリントタイル。コレクターの琴線をベベンと弾くモデルですね。

http://www.brickshelf.com/cgi-bin/gallery.cgi?f=306526
 この魅力的な単品客車の詳細はこちらを参照。
 折りたためる二段寝台があること。寝室−洗面台−寝室、というレイアウトで、定員4名あることがわかると思います。サブインストでの組換モデルは2軸の小型客車ですが、ちょっともったいない組み方かもしれません。


●#7819 Postal Container Wagon Covered

http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=7819-1

 単品客車。郵便車。郵政係員のフィグ1体入り。
 これもまた、#7740への増結を強く意識した製品でしょう。1980年の製品、#7820とは「入れ替わり」であったと思われるのですが、どっちが似合う?

 側は、やはり初登場のスライドドア。このドアの採用のために#7820があったのに、この製品をリリースしたのでしょうね。
 欧州に該当タイプはありませんけど(※)、違和感はありません

http://www.brickshelf.com/cgi-bin/gallery.cgi?f=306529
 詳細はこちら。(気になる)箱裏もあります。
 車内は郵袋室と、小さな事務机ですね。組換モデルは2軸の小型郵便車。

※)客車形の姿で、大きなスライドドア、でもって一端に車掌室?
 日本で言うならスニ41??? 無論デザイナーは日本の荷物車のことなんか知らなかったと思いますけど(笑)。


 青い車体に灰色のドアなら、意外と何とかなりそう?


●#7821 Overhead Gantry and Lighting Maintenance Wagon

http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=7821-1

 単品の貨車(事業用貨車・作業用車)。フィグ2体と照明柱1本入。
 作業台は回転可能です。上下可動もあればすごいのですが、そこまで望んじゃダメですね。
 メンテナンスを行なっているのは照明柱。まぁ、架線のメンテの方が似合いそうですね。小さいながら、1983年のテーマ?「電化」を支える車でもあります。
 

 

http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=7824-1
 駅。直線レール4対つき。12Vの集電レーるは含まれませんが、雰囲気は明らかに12V仕様ですよね。先の#7821っもそうですが、日本で発売されていない可能性高そうです。

 駅舎は簡素なのですが、横つながりで「幅」というか「長さ」がありますので規模の割に見栄えがします。
 ミニフィグ9体に、荷運びの車付き。


 下の方の組換モデルの方が、建物としてまとまり良いようなきがするのですが。


●#7838 Freight Loading Depot with Wagon

http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=7838-1
 貨物駅。チッパー貨車1両入り。直線レール2対付き。12Vに標準対応でないことと、日本では売られてないんじゃないかというのは#7824と同じく。
 倉庫の部分に、コントロールセンターの部分、そして移動式のクレーン。この魅力を32ポッチ四方の基礎板に閉じ込めてしまったのが魅力なのですね。
 小さくも美しく、まとまった製品でありましょう。今現在の部品で貨物駅作るときにも参考になる武部分多々です。


●#7866 Remote Controlled Road Crossing

http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=7866-1
 踏切。なんと電動。もちろん12V専用仕様※であり、12V集電レールもセットに含まれます。

※)電源を12Vのトランスから貰わなければいけませんから。

 踏切の遮断竿を動かすのは、2台の電動ポイント用モーター。そして、その操作にもポイント用スイッチを使用します。大変に贅沢な仕様であり、如何程のコストが掛かってしまっているのやら……。
 また、竿と連動して赤色灯の点灯もあります。

 なお、リモコンスイッチの存在からも分かりますよう、この踏切の遮断竿の操作は「完全自動」ではありません。列車が近づいたらスイッチ入れて竿を下げる。列車が通り過ぎたら竿を上げる……実用するには、踏切警手の役が一人必要ですね。でもまぁ、列車をみんなで走らせるという意味ではこうした役割分担は悪くないのかもしれません。

(プラレールなどおもちゃの踏切だと、列車の重量で竿を上げ下げするものが多いですね。素朴ながら自動化されています。あと、ミニミニレールだと重量検知のタッチスイッチで赤色点滅と警報音がなる製品がありました。1980年のことです。鉄道模型だと1985年位は、非接触センサーで列車を検知する自動踏切システムがトミックスに存在しました。すごく高価だった記憶がありますが)

 ここまでの電動化というのは、12Vの良くも悪くも行き過ぎたところ。
 以後、この種の製品は存在していません。一つの頂点であったのでしょう。
 但し、電気系のコストは現在は大幅に下がっているのも事実です。「今なら」この種のコンセプトは戻ってきて欲しい気もするのです。


●#7867 12V Train Light Posts

http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=7867-1
 照明柱4本のセット。やはり12V専用。
 レイアウトに光を与える製品も、「電化」には必要でした。やはり12Vの行き過ぎ?を象徴する商品でしょうか。
 しかし、最近は「光」は顧みられなくなりましたね。PowerFunctionにはLEDライト部品もあり、さほど高価ではないのですが。

 レゴの「電化」といえば、この暫く後……1985年に通電ポッチ規格(Light & Sound)というのが生まれます。これが1991年からの9Vにつながっていくのですが、それはまた先の話です。

 次回は1985年。また1年、間があきます。
 
 
 
posted by 関山 at 20:48| Comment(5) | TrackBack(0) | レゴトレイン製品史 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年09月17日

【歴史】レゴトレイン製品史18 1981年 孤高の製品「ショーティ電車3連」に「デカップリング線路」、そして「アイディアブック」

 怒涛の1980年に対して、1981年は控えめに3種類。トレインセットと特殊線路、アイディアブック。何れも12V。これらは1980年のラインナップの補完という意味あいでしょう。
 しかし、そのどれもがコンセプト的には後継製品に恵まれない「孤高の製品」。大変に惜しいことと思うのですが。


●#7725 Electric Passenger Train


http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=7725-1
 12Vの列車セット。曲線レール1周分のみで直線レールなし。
 2軸(3軸)のショーティの電車の3両編成。而して、12V! おもちゃではなくて鉄道模型の範疇なんだと主張してるかのようなセット。
(まぁ、今から思えば4.5V版も出して欲しかったと思うんですが、バッテリーカーに縛られる以上は無理ですね……残念ながら)
 ミニフィグ1体入り。例によってトランスフォーマーは別売り。

 デザインで意識しているのは当時のドイツや北欧の近郊型電車でしょうか。定番の「DB」以外に、北欧諸国の国鉄マークも似合いそうですね。
 とても愛らしい、そして「レゴらしい」デザインであり、9Vでの色替え再現作品も多々発表されてきているのもわかるというものです。ショーティのボディは、「フルスケール」の#7740よりも当時のレゴ街シリーズの世界観に溶け込みやすかったのかもしれませんね。


 組換作例は二種類の蒸気機関車と客車の組み合わせ。
 どちらも纏まりの良いデザインであり、このセットのオーナー達はきっと楽しみ尽くすことができたのだと思います。パーツ構成的にはもっといろいろなアレンジも考えられたでしょう。

 さて、この雰囲気の製品は以後全くリリースされていないですね。或る意味孤高の製品です。
 何しろ9V以降は長ボディのカッコイイ系ばかり。これはこれで悪いことではないのですが……でもショーティの「2軸電車の3両編成」というのはトレインセットの一形態としてあってもいいなぁ……と思うのです(小型車の作りにくい?PowerFunctionでも、箱型ボディ全長14ポッチなら1両に全部収まりますし)。低年齢向けの低価格製品として、この雰囲気が蘇らないものかしらん。



●#7862 Remote Controlled Decoupling


http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=7862-1
 多くの鉄道模型システムでは実装されている(※)、連結器の自動・遠隔開放を行う特殊線路。勿論、12V専用です(4.5Vでも使えるかどうかは……微妙ですね。信号機と組み合わせ、静止位置を調整すればなんとかなりそう?)。勿論日本では未販売。

 気になる動作原理は以下の写真が参考になりましょう。

 この製品のベース部分。左に置かれるモーターで、右の灰色の円盤を回転させます。円盤の爪が連結器の「下部ピン」を左右に押し出し、連結器同士を互い違いに首を振らせ、磁石を外すというもの。

 システムへの「実装」こそ1年遅れましたが、灰レールのスタート地点で「下部ピン」は12V/4.5Vともに完備でしたから、「準備済」ではあったのでしょう。勿論、下部ピンのない青レール時代や9V以降の連結器は使用できません。
 モーター及びスイッチはポイントマシンと同じものを使い、それなりに合理化しています。

 このシステムの欠点ですが、開放したい場所に「極めて正確に」合わせて停車させる必要があることでしょう(筆者は実際に操作はしていませんが、構造上想像のできること)。楽しそうにみえて、意外といらいらする実用性の低いシステムだったのかもしれません。

 そのためにか、9V以降は切り捨てられてしまったデカップリング機能。運転の楽しさという意味では復活して欲しいと思うのですが。
 ただ、9Vではバッファの隙間に割り込ませる形でのデカップリング線路の作例があったりしますし、PowerFunctionでは機関車から棒を突き出し、貨車を押し出す操作でデカップリングを実現した作例もあります。後者は車上搭載ゆえ、どこでも遠隔開放ができるメリットがあるのですね。
 やはり「レゴ故に工夫次第」なのかもしれません。
(但し製品レベルとしては……PowerFunctionなら電磁石式カプラーにすれば車上搭載方式でデカップリングが実現できるのですよね。やはり一考してほしいです)


※)Nゲージの標準、アーノルドカプラーも元来は機械的な遠隔開放対応で、そのためのピンが付いています。盲腸的な機能ではありますけれど(トミーや関水金属では更に電磁式で解放する仕掛けを搭載していたこともありました。やはり1970〜80年代の話ですが)。
 なお玩具のカテゴリでも、トミーのスーパーレールは自動開放対応の連結器が標準でデカップリング線路が用意されていました。また、バンダイのミニミニレールは、1980年以降の一部製品でデカップリングに対応していました。後者は所持していましたが、それなりに楽しかったの覚えています。




●Idea Book 7777, Trains


http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?B=7777

 アイディアブック。オールカラー。全84ページ。
 余りに有名なこの冊子。灰レールレゴトレインの素晴らしき世界を描ききる!

 巻頭の注意書きは
「デンマーク・ノルウェー・スウェーデン・フィンランド・西ドイツ・イギリス・オランダ・ベルギー・スペイン」の各国語。当然ですが、日本語はありません。

 内容に関しては以下にスキャンがあります。
http://www.peeron.com/scans/7777-1/
(サーバの細さか?時折読めなくなるようです。ブラウザ変えるなど環境変えると読めることがあります。Firefoxは相性よくなく、chromeは良いような気が)

 当時のユーザーから見れば「夢のような世界」も、今の12Vが出てくるイベント、また熱心な12Vコレクター・ビルダーは多々現実化されてきたところは周知のところ。隔世の感はありますね。

 隔世というと。残念ながら、#7777は今の9VやPowerFunctionでのビルドの参考になる本ではないのでしょう。システムやパーツの変遷はさることながら、ビルドやアイディアも10000番代以降のユーザーには素朴に見えるかもしれません(まぁ、「手に入らないもの」を見た時の酸っぱい葡萄的感覚でもあるのですけれど)。
 勿論、12Vや4.5Vの「動態保存」を意識されるファンにはバイブルでありつづけましょう。
 また、9VやPFで12Vや4.5V風のビルドという方向性もありでしょう。

 そうして考えてみると、このアイディアブックもまた、孤高的存在であるのが残念でなりません。
 時代に合わせた、9VアイディアブックやPowerFunctionアイディアブックがリリースされ続けてきたら……と妄想してしまうのです。
 

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 1982年はトレイン製品がリリースされない年でした。無論、あの時代ですから1モデルの製品寿命は長かったのだと思いますが。
 次は、それなりに変化のあった1983年篇です。お楽しみに。


posted by 関山 at 23:59| Comment(3) | TrackBack(0) | レゴトレイン製品史 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年09月11日

【歴史】レゴトレイン製品史17 1980年その5 灰レール12V(下)。列車セットに単品車両。

 灰レール時代の白眉にして革命、#7740インターシティは前回紹介しました。

 実は筆者は1980年代当時#7740の存在は知る由もありませんでした。が、2002年ころに存在を知り、こんな素晴らしきものがあったことに強く衝撃をうけたのでした。無論欲しくて堪りませんでした……。
 まぁ、自作にはまってくると物欲は収まりましたが。
(9Vでこんなの作りましたし)

 余談ですが、12V関連は今世紀に入り、ebayやbricklink等により日本にも中古品が或る程度入ってくるようになりました。読者諸兄のなかには、1970年代の4.5Vよりもこちらを身近に感じる方もいらっしゃるのでしょうね。

 今回は#7740以外の12Vのセット・車輌群の紹介になります。これも伝説に残るセットが多いのです。



●#7730 Electric Goods Train

http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=7730-1

 12Vの列車セット。
 曲線レール1周分。直線レール4本(2対)。蒸気機関車と貨車3両(同型)という構成。フォークリフトとミニフィグ2体入り。
 12Vセットではトランスフォーマー(パワーパック)が別売なのは青レール時代と同様。これは全ての12Vセットに当てはまります。

 蒸気機関車はCタンク。手押しセット#7710に単品の#7810とはやはり別のタイプ。注目すべきは12Vトレインモーターの「オプション」たる、ロッドを2組(4本)使って、「サイドロッド+メインロッド」を実現しているところでしょうか。12Vならではの本格性というか、本気を感じさせるところです。
 また、次の単品蒸機#7750もそうなのですが、12Vトレインモーターが特製の赤成形でした。こうした茶目っ気は9V以降では失われてしまったのが残念でなりません。

 貨車……無蓋車は赤1色でなんとなくリアル。制動室付き冷蔵車?もいま見ても良い造形です。サイロ車(粉末用ホッパー車)もユニーク。
 
 なお、組換インストも同梱であり、こんなディーゼル機関車にすることも出来ました。

http://www.brickshelf.com/cgi-bin/gallery.cgi?i=4745451
 より。


●#7750 Steam Engine

http://www.brickshelf.com/cgi-bin/gallery.cgi?f=451628

http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=7750-1

 単品の蒸気機関車。12Vモーター付。ヘッドライトも標準で点灯。
 この製品も#7740インターシティと共に、灰レール12Vという時代を象徴する「鉄道模型的」モデルになっていました。
 B+Bタイプの中型マレー式のテンダー機は、これまでのレゴ蒸機では勿論最大サイズ。貨物用機に見えつつも、堂々とした姿は#7740のインターシティ客車を牽かせても様になったことでしょう。勿論、ありったけの貨車を牽かせて重貨物機としても使えたでしょう……。
 パイピング関係に関しては今よりも精細なディテール。例によって組換インストもあり、3C形のタンク蒸機と、3B形のディーゼル機関車が考慮されていたようです。

 そして圧巻は当時なりの大動輪パーツ4180c05が含まれていたこと!

http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?P=4180c05
 この部品は、このセットのみの固有部品!
 そして、BBBホイール、或いはエメラルドナイト大動輪が出てくるまでレゴには蒸機用の大動輪パーツが25年以上も供給されない時代が続いてしまったのです……。

 この路線の製品がこれのみで終わってしまったことが惜しまれてなりません。
 アイディアブック#7777には、このB-Bマレーを1C2のパシフィックにする改造例が載っておりましたが、そうした製品が引き続きリリースされていればなぁ……と思ってしまったりもするのです。
(そうして考えると、レゴトレイン初のパシフィック、#10194の偉大さが最認識されましょう……やっぱり、今はいい時代なのです)


●#7760 Diesel Shunter Locomotive

http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=7760-1

 単品のディーゼル機関車。トレインモーター付。
 やはり鉄道模型的な単品車両を狙った製品でした。12Vが車輌のコレクションという方向性も意識していたことが伺えます。
 ディーゼル機関車ながらロッドドライブの古目のタイプであるのは、12Vモーターの特長を生かした良いデザインですね。可愛らしくも力強くまとまった形状です。このセット自体は極めてレアなものですが、9Vなどでの再現作品も時折brickshelfで見かけます。
(但し、3幅の旧規格窓の「青」はこのセット固有ゆえ、入手は大変に難しいのですが)

 なお、12Vのロッドドライブのディーゼル機関車としては1985年のトレインセット、#7735のもあります。
http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=7735-1
 こちらの方がいくらか近代的なタイプになっていますね。


●#7820 Mail Van

http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=7820-1

 単品のボギー客車。
 用途として、明らかに#7740インターシティの増結車を想定していたのでしょう。ツートンカラーの編成に赤1色の郵便車は良きアクセントになっていたことでしょう。

 まだスライドドアはなかった時分ですから、側面ドアは倉庫やガレージなどに使われているものの流用。但し、裾の処理がうまいので違和感はありません。簡素ながらインテリアがあり、郵便パレットも付いているのは楽しいところです。
 
 なお、12Vの#7740増結用郵便車は1983年に#7819が早くも?後継品としてリリースされています。

http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=7819-1
 お好みは、どちら?


●#7822 Railway Station

http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=7822-1
 跨線橋のある、近代的な駅。
 立派ではあるのですが、跨線橋部分にパーツを取られるため、駅舎としてはシンプルな印象になってしまうのが残念ではありますね。
(なお、このセットのレールは4.5V仕様です。但し日本での発売がなかったので12Vのカテゴリに含めました)
 


●#7834 Level Crossing Manual

http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=7834-1
 踏切。後に驚愕の電動版もリリースされますが、まずは手動版の方から。
 警手小屋がいいデザインというか、当時の「LEGOLAND」まんまですね。もちろん踏切警手のミニフィグ付き。ロードプレートも当時の「LEGOLAND」とのシームレスを感じさせます。
 レールはなんと12V用です。無論ふさぎ板部品も含まれますので4.5V環境に組み込むことも可能ですが。


●#7861 Lighting Set Electric 12v

http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=7861-1
 12V専用の、ヘッドライト点灯化ユニットセット。
 1セットにライトブロック4個入りという贅沢さ?で、ヘッドライト・テールライト両方点灯で2両分の内容です。


●#7865 12V Motor

http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=7865-1
 自作、若しくは補充用の12Vトレインモーター単品。
 ウエイトブロックに、シリンダ1組2個、ロッド4本、中間軸1組がセット。完璧な12V動力車が造れた由。

 12Vのトレインモーターは、所謂「パワートラック」。
 これまでは12Vでも4.5V同様のごっついパックモーターに縛られていましたが、これでずいぶんスマートな形になったわけです。完全に床下に収まります。
 パワートラック形状のトレインモーターは、9V・RC・現行PowerFunctionと定着し、レゴトレインの標準であり続けています。


 さて、12V用のトレインモーターには9V用とは幾つか異なる部分があります。
・中間軸が取り付けられ、3軸台車にできます。中間軸は回転するだけのダミーで動力は伝達されませんが。
・専用のロッドが取り付けられます。ロッドは2本使えば「サイドロッド+メインロッド」の再現が可能でした。
・赤バージョンが存在しました(セットのみ)。

 なお、今から見れば4.5Vもパワートラック形状にしといてくれればなぁ……とか思うのですが、4.5Vでは基本2軸車のみ・小型車両のみの展開でしたからコスト面で見送られてしまったのでしょうね。1966年以来のごついモーターがずっと使われることになるのでした……。
 1980年の12Vの革命は偉大でしたが、4.5Vに関してはバッテリーカーが1972年登場時の古いままであったりするなど、徹底していない印象もあるのです。
posted by 関山 at 17:26| Comment(2) | TrackBack(0) | レゴトレイン製品史 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月16日

【歴史】レゴトレイン製品史16 1980年その4 灰レール12V(中)。#7740「InterCity」の起こした革命。


 連載企画【レゴトレイン製品史】は1980年の灰色レールの記述がかなり冗長になってしまいました。
 が、この年の「革命」はちょっとやそっとでは収まりきりません。先に記した街シリーズとのシームレス化に、12Vの鉄道模型的展開。
 でも、その後の流れも含め、最大に革命的だったのが「#7740 Inter-City」の登場でした。


 まず。これまでのレゴトレインはメルクリンの入門セットの如き「小さな、可愛らしい汽車」が殆ど。イメージするなら支線区の山里を走っていく汽車ポッポ、であったと。

 唯一の例外は4.5Vの白眉。#182(1975年)でしょうか。

 本線の急行列車をイメージしたかの立派なセット。4.5Vに2軸車という制約下で最大限にそれらしさを追求した名セットでした。

 それでも、セットのメインは蒸気機関車。
(ちと強引ですが、#182の後継は時代的には遠く離れた#10194なのかもしれません)
 レゴトレインは飽くまで「レゴ汽車シリーズ」に留まっていたのでした。無論、前後して12Vや4.5Vの中には幾つかのディーゼル機関車のセットもありましたが、飽くまで蒸機の添え物。近代動力車は主役には成り得てなかったのです。「電車」「電気機関車」そして「高速列車」は夢のまた夢と。

 でも。当時の多くの子供達にとっては身近な、或いは憧れの列車はなんだったのでしょう?
 1975年という時代、西側の多くの国では「蒸気機関車」は既に過去の存在、或いは身近とは言いがたい存在にになっていた筈です。代わって遠くの街へのお出かけで乗せてもらうのは「電車」や「電機の牽く高速列車」であったことでしょう。乗る機会なくても、憧憬の対象にはなっていたと。
 その意味では「汽車シリーズ」は既に時代遅れの存在? 「電化」という革命は求められていたのです。

 灰色のレールと濃灰の枕木は、革命を載せてきました。


http://www.bricklink.com/catalogItemInv.asp?S=7740-1


●#7740 Inter-City(1980年)
 曲線レール1周分。直線レール12本(6対)。電気機関車と客車2両という構成。プラットフォームとミニフィグ10体入り。

 当時のパーツとしては最大限にリアルな造形。そして28ポッチ長のボギー車3両編成という構成は、小型の二軸車ばかりに留まっていたレゴトレインを一気に「鉄道模型」のフィールドに乗せてしまいました。
 ここには1980年当時の最高級・最高速の列車の姿があります。そのモチーフは言うまでもなく、当時の西ドイツのIC、或いはTEE。身近ではないとしても、憧れ。
 電機のモチーフが西独国鉄の103形であるのは自明ですね。客車は長距離用の一等車でしょう。そして調理電源用のパンタ付きの食堂車。灰レール革命と同時に現れた新部品「トレイン窓」「トレインドア」もこの製品の為に生まれたようなもの。もちろん、簡素ながら客車のインテリアだって表現。
 プレートの積層によるパンタグラフの表現は今の目で見れば素朴な印象さえありますが、当時としては先端のもの。パンタ台部分の赤表現も泣かせます。
 なにより、赤と黄色のツートンカラーの美しさ! 今の中間色によるリアルさとは違った美しさ。
 機関車の操作パネルが宇宙シリーズの転用なのが当時らしい微笑ましさですね。


 組み換えモデルは上写真の右下に見られる大型電機と貨車のセット。もちろんインスト入りでした。

 高価な12Vのセットですから、12V未販売の日本やアメリカは無論、発売されていた欧州圏でも「憧れ」のイメージリーダー的製品ではあったのでしょう。
 されど、「憧れ」が公式に製品として形になって示された意義は大きかったのです。


 さて。
 革命のその後です。#7740以後、レゴ汽車シリーズ、もといレゴトレインには「今様の、特急列車」という流れが生まれ、定着していきました。


 直接の後継製品。1985年の12V、#7745「High-Speed City Express」(12Vゆえ日本未販売)。


 1991年の9Vスタートを象徴した#4558「Metroliner」(日本では「インターシティライナー」)。余談ですが、この製品の箱裏組換例に、「電機+客車2両」という#7740的なものも含まれていました(以下写真参照)。
http://www.brickshelf.com/cgi-bin/gallery.cgi?i=3070545

 9V時代も。その流れは幾つかの製品で(劣化しつつも)継承されています。

 2006年のRCトレイン#7897「Passenger Train」(「レゴ エクスプレス」)。RCシステムよりも、一体化部品の賛否が分かれるセットでしたが……。


 2010年からの現行品。#7938「Passenger Train」(「超特急列車」)。PowerFunctionの定着化に一役買っていましょう。そして、1万円台前半という価格は多くのユーザーに「レゴの電車」を身近なものにしました。
(恰もかつての豪華高速列車ICやTEEが、「新幹線」ICEとしてもっと身近なものになったかのように……)

 今後もレゴトレインが続く限り、「今様の特急列車」はリリースされ続けることでしょう。その中にはきっと歴史に残る名作も生まれるに違いありません。実に愉しみではありませんか……!
 #7740に連なる歴史が栄光でありますよう、願いたいものです。

posted by 関山 at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | レゴトレイン製品史 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年04月25日

【歴史】レゴトレイン製品史15 1980年その3 灰レール12V(上)。メルクリンを目指せ?


 まさに理想! 素晴らしき世界。
http://www.brickshelf.com/cgi-bin/gallery.cgi?i=4427921より)
 
 今回は日本では市販されなかった12V関連(レール関係)を紹介します。

 灰レール12Vでの「自動化」「遠隔化」は半端ではありませんでした。対抗しようとしていたのは明らかに鉄道模型、しかもシステム化されまくった交流3線規格の方でしょう。
・電動ポイント(青レール12V初期に続いて再挑戦)
・2灯信号(レールと連動で列車停止)
・電動踏切(1983年)
・連結器の遠隔解放(1981年。但し1980年から準備はされていた模様)
 これらが全て製品として供給されていました。

 12Vはとかくかっこいい列車セットのほうが注目されがちですが、インフラ部分にこそ真骨頂があったと思う由。まぁ今の目から見ればどうみても理想主義の空回りなのですが。
(トレインセットや車輌はともかく、どれほどの対象年齢の子どもがシステムを買ってもらえ、使いこなすことができたのでしょう……。逆に言えば、今の大人のファンが多い状況で12V的なシステムがないのは分かっていてもなにか悔しいです)


<以下、画像はbricklinkより>



●#7854 8 Straight Electric Rails Gray 12v

http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=7854-1
 12Vの給電用レール。直線用8本。

 12Vに関しては給電用レールのみ別売りして手押し/4.5Vからのアップデート対応というのは1969年当時から変わらないコンセプト。


●#7855 8 Curved Electric Rails Gray 12v

http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=7855-1
 12Vの給電用レール。曲線用8本。


●#7856 Left and Right Manual Points with Electric Rails

http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=7856-1
 12V用の手動ポイント。左右セット。
 飽くまで「電動」が前提であるため、手動にしては転換バー周りがやたら大仰な形状です。ここは

 %73112という部品で、内部ギア?で「手動」の方向転換をします。
 ただ、ポイントそのものはこの手動マシンがなくても操作可能と思われます。

 9Vポイント同様手動操作できそうなレバー部が台座に見えますよね。%73112の存在意義って……? 後述の後付け電動化すれば不要になってしまうわけですし。でもまぁここの大仰さも灰レール12Vの魅力かもしれません。ちなみにこのポイント本体は青レール時代とは別の部品になっています。


 余談ですが、「Brick 1 x 2 x 2(%3245b)」は12Vポイント切り替え用のために生まれた部品です(変換ノブ兼マーカーに使用)。%3245bは12Vとは無関係に、2010年まで多くのセットに使われてきた部品ですが、内部が普通のチューブ等ではなくテクニックシャフトを固定できる作りになっていました。なぜかと思っていたのですが、これは1969年からの12Vシステムの名残だったというわけです。


●#7857 Crossing, Electric Rails Gray 12v
 
http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=7857-1
 12V用の90度クロスレール。クロスレール部分は%3232でここは青レール時代を引き継いでいます。


●#7858 Remote Controlled Points Right 12v

http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=7858-1
 12Vの電動ポイント(右)。1969年の12Vスタート地点でも電動ポイントは用意されていましたが、時期尚早に過ぎたのか1975年ころに一度消滅しています。その復活!
 ポイントマシンやスイッチは完全に刷新されています(互換性がなくなったともいいます)。鍵盤状のスイッチは格好良いものですね。今見るとちょっと大ぶりかなとは思いますが。
 

 使用イメージ。スイッチはトランスフォーマー(パワーパック)にケーブル無しで「デイジーチェーン」に接続できるというシンプルさ! 美しさ。
 余談ですが当時はTOMIXもKATOもこんな優れたシステムではなく、パワーパックにポイントスイッチは線を繋ぐ必要がありましたっけ。それでも当時のNゲージ少年は遊んでいたんですよ!
 脱線ついでですが、1980年ころと云えば日本だと年少者向けの鉄道模型としてNゲージが今以上にポピュラーな存在で、小学生向けの雑誌でも広告などが掲載されていたのです。「年少者向けの鉄道模型システム」を意識していた12Vが日本に入ってこなかったのはその辺も理由だったのかもしれません。


●#7859 Remote Controlled Points Left 12v
http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=7859-1

 12Vの電動ポイント(左)。手動ポイントは左右セットですが、単価の大きくなる電動ポイントは流石に左右別の売り方でした。


●#7860 Remote Controlled Signal 12v
http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=7860-1

 12Vの2灯式信号システム。
 勿論、信号は見かけだけではなくて実際に列車を停止させる機能があります。遠隔操作で信号機を赤にすると、そこを通った列車はトランスフォーマーの出力に関わらず、ストップ。信号を青にすると列車は再度走りだす。まぁ4.5Vの信号機と同じことを電気的に行なっているわけですが。
 そのために付属の給電レールはギャップの切ってある特別なものでした。なお、ギャップ付き給電レールも「真ん中にギャップの切ってあるもの」と「端にギャップの切ってあるもの」の2種類があったようです。どちらかが不都合で、直ぐに改良されたのでしょうか……?

 脱線しますが、9Vでも同じことはやろうと思えば魔改造なしで出来ますよね……ギャップにはRC/PF用のフレキシブルレール使えば良いと。まぁ信号機の「赤」「緑」はちょっと厄介そうですが……RCXやNXT使うのは鶏捌くのに牛刀持ち出すようなもんですし。

 閑話休題。スイッチ部品そのものはポイント用と兼用。ここは合理的です。後の連結器開放に電動踏切も同じく。
 

●#7863 Remote Controlled Point Motor

http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=7863-1
 #7856を後付電動化するための、ポイントマシンとスイッチのセット。
 こうした後付けのオプションを用意していた当時のレゴ社って丁寧ですよね……。


●#7864 Transformer / Controller 12V

http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=7864-1
 12Vシステムの要。トランスフォーマー(日本で一般的な用語使うと「パワーパック」)。ちなみに12Vのトレインセットは例外なくトランスフォーマー別売りでしたから、必ずこの#7864を購入する必要がありました。
 出力は2系統。1系統は給電レールへ。もう1系統はポイントなどのスイッチへ。後者はデイジーチェーン可能です。
 操作は「ダイヤルノブ」のほか、テクニックギアを組みあわせた「スロットル」で行うこともできました。ここは完全にレゴのパーツで出来ているところが格好良いのですね。

 さて、灰レール12V最大の問題点。
 なんとトランスフォーマーが欧州用220-240V用しか発売されなかったこと! 日本は兎も角、110Vのアメリカも市場として切り捨てていたのですね。で、9VのスピードレギュレーターのようにACアダプタ方式ではありませんから、日本やアメリカの(後世の)ファンたちは「変圧器」(無論、社外の市販品)を購入する必要があるのでした。
(なお、青レール時代の110Vアメリカ用トランスフォーマー使う手も考えられます。但し、そのままではポイント・信号などへの給電が困難です。まぁ、ポイントは全て手動と割り切ればよいのかもしれませんが。単に走らせるだけなら鉄道模型のパワーパックで代用する手もありましょう)


●%2731 Train, Track 12V Conducting Rail Curved with Connection Wire

http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?P=2731
 製品として発売されたわけではありませんが(#5063補修用部品はあり)、灰レール12Vでは大事な部品です。トランスフォーマーからの電気を受けるケーブル付きの給電レールで、全ての灰レール12Vトレインセットに1本が入っていました。
 青レール時代は、給電レールと給電ケーブルはセパレートでしたから少しシンプルになっています。

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 久々で失礼をば。
 灰レール時代、そして12Vになると兎に角書くことが多くて……正直草臥れました。
 このあたりになりますと所持されている読者諸兄も少なくないでしょうから、なにか間違いなどありましたら遠慮なくご指摘下さいませ。

 次回はお楽しみの12Vトレインセットと単品車両です。

posted by 関山 at 23:18| Comment(5) | TrackBack(0) | レゴトレイン製品史 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする