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2019年06月07日

【鉄道作品その他】香港の列車 KTT(瑞西製機関車と日本製客車の組み合わせ!)

 JBFは国際色が豊かな催しです。
 毎年、Prince様他,香港の方が日本形車両を造って展示されておりますが、それに対して自分がなんのお返しもできてないのに抵抗がありました。

 その都度、来年こそは香港の題材作るぞ! と意気込むのですが、然しJBFはイベント前のどたばたでそれどころではない状態になり空約束になってしまう。それが3回ほど続いてしまって居たのでした。

 さて。
 香港の鉄道は以下に分けられます。
・地下鉄
・路面電車(クラシックなダブルデッカーと、郊外のLRT)
・KCR(本線鉄道。中国と連絡)
 三番目ですが、1970年代まではディーゼル機関車牽引の客車列車が長閑に運行されておりました。1980年代に電化と旅客輸送の通勤電車化が行われ、近代的になったものの、正直趣味的な面白みに欠ける状態になってしまっていたのです。

 例外は少量ながら行われている貨物営業。そして中国からやって来る客車列車群。
 ただ、後者を香港の列車というのは抵抗感が否めません。


 そんな状況でしたが、英植民地から離れる前の1995年ころから中国連絡の強化が行われるようになり、中国側からの列車の高速化(最高速度200km/h程度)が徐々に行われるようになります(スウェーデン製のX2000が導入されたりもしましたよね)。
 それに呼応して香港側が運行をはじめたのがKTT(wikipedia)。香港と広州を結ぶ准高速の都市間列車。1998年に運行を開始。

 電気機関車が二階建て客車を牽引、若しくはプッシュプル運行するものですが、機関車も客車も中国国鉄流儀のものではないのが出色です。

 電機は瑞西アドトランツ・SLM製のTLN001とTLS002。瑞西国鉄Re460形の同型機。
 客車は近畿車輛製。特等車と1等車。何れも欧州基準の1等車水準の車両であり、インテリア細部のデザインも秀逸なものだとか。食堂車はないですが、シートサービスは充実している模様です。

 惜しむらくは製造数は1編成に留まったこと。機関車2両、客車12両?
 もちろん、香港側の車は固定運用(日に3往復)。気になる検修時なのですが機関車1両にして普通の牽引列車になります。そうなると客車も減らさざるを得ないので(つまり客車の検修も行える)、少客時に行うのでしょう。


 既に製造後20年を経ていること(X2000はかなり早期に退役済)、またこの区間も高速別線が2018年に開業(広深港高速鉄道)して将来も不安になるところ。しかし、現在内装の更新が進んでいるようで、当面は運用されそうな感じです。無論高速鉄道とは上手く棲み分けして3往復の運行維持されています。

 独自の準高速列車。一度乗ってみたいものです。
 


 先ずは電気機関車から。

 スラントノーズ、そして台車まで覆ったスカート、コルゲートの車体が特徴の瑞西国鉄Re460形の同型機です。
 仲間は同じく瑞西のBLS Re465形、フィンランド国鉄Sr2形、ノルウェー国鉄EL18形が。KTT向けは僅か2両ですが、本国及びフィンランドでは主力機の一つになってるようですね。
 
 レゴ的には……。元々Re460形製作の予定はありましたので、その援用です。
 スラントはポチスロ横組と、偶数段目の0.5プレート厚単位の調整でスムージング化。フロントガラスは4幅カーキャノピー使うつもりでしたが、シャープな感じが出せないので3x4の平パネルに。これを0.5プレート左右とずらしての取り付けで、前面の微妙な丸みの表現としています。

 側面は総横組です。これはRe460でのリブ表現を想定したものですが、KTTの場合ではブロックパターンの塗り分け表現に活かすことが出来ています。

 屋根は45度スロープのソリッド感。


 サイドビュウ。全長は30ポッチで、客車を32ポッチにしたスケールにそろえてます。
 乗務員扉は手すりのみの表現。レールプレート偉大です。

 床下のスカートは台車側に表現。幸いにも黒い足回りなので隙間は目立ちません。なお……KTTでは台車スカートは実はミニなのですが、台車枠再現の解決ができなかったため本国版同様のロングスカートで。連結器もKTTでは自連ですが、レゴトレイン的にはバッファ付きが標準仕様ではありますからね?(……関山はEF58でさえもバッファ付で妥協してしまうんですが。いやバッファモールドはレゴトレインの記号的性格はあるので嫌うのもどうかと思うのですよ)

 屋根は中央部を横組みでルーバーをタイル表現。

 動力ですが暫定的に9Vです。
 内部空間は確保できてますので、Powered UP化は可能です。多分PFも……理想はPFの2M機でありましょうね。
 


 常時運用されるのは赤い方の運転台ですが、写真を探すとこちらの白青側の運転台先頭にしてる姿も見られます。
 お好みはどちら?


 客車は取り敢えず2両を作りました。
 細かいことは気にせず、取り敢えず「らしく見えれば良い」クオリティです

 全長は32ポッチで、ドアは1箇所にアレンジ。ステンレスのボディをひたすら灰色で。


 屋根は45度の6x4大型部品で思いっきり手抜き(苦笑)
 内装はいつか作りたく(いつものことですが)。妻面ディテールも課題です。

 量産性は考慮なので、あと2両ほどは作り足ししたいですね……。


 客車側面。白と緑と灰と青の意外とリズミカルな外装です。





 JBFにて。
 機関車が機関車ですので、欧州感があります。

 最後に言い訳。
 サンドグリーンの部分、実物はもっと鮮やかな色です。
 ぶっちゃけ「ダークターコイズ」なのですね。今回は手持ち資材の関係でサンドグリーンと解釈ですが……。
posted by 関山 at 23:59| Comment(0) | 鉄道作品(その他) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月25日

【鉄道作品(自由形)】クラシックな操重車(レール・クレーン)



http://www.brickshelf.com/cgi-bin/gallery.cgi?i=5072056
<他の画像こちら>

 先の「架空重機コン2011」への応募作です。


 コンペのレギュレーションには「レールの上に載っているもの」は特に禁止されていませんので、「レールの上に載っている重機」の中で、もっともベタなお題である「操重車(鉄道用クレーン車)」を製作しました。

 操重車はベタであり格好いいのと同時に、レゴでの機能再現が比較的現実的であるというメリットもあります。このモデルでは写真を観て分かりますよう、PowerFunctionによる
「ブーム上下」
「ウインチ巻き上げ」

の操作がリモコンで可能です。
 併せて、9Vトレインモーターもふくんでいるため、自走もできます。
(実物の機能のうち、「旋回」だけは電動ではできません。なお、アウトリガも手動で展開可能です)

 動力系はPowerFunction-Mサイズモーター2基。ウォームで減速して適度な作業速度を確保。これを「ほぼ6幅」の車体に押し込んだ由。この機能を実現するためのおそらくは最小限のサイズ。
 単四用の電池ボックスはありがたい事に?カウンターウェイトとして機能します。


 車体部分に特定のプロトタイプはなく、「操重車」という車の平均的イメージでデザインしました。
http://commons.wikimedia.org/wiki/Category:Rail_cranes
 この辺参考に。

 外国の例の他、日本国鉄のソ20・ソ30形式はいくらか意識していますが、どちらかというと欧州よりの雰囲気に。時代設定的には上記形式のような、1920年代製造の古風なところを想定。

 「この部品があったからこそ、チャレンジした」といえるトラス構造で、ブーメラン型に湾曲しているクレーンブーム。
 動きの楽しい歯車などの機構の露出。
 操作室がなく、むき出しの操作レバー。ダークグリーンの車体。やたら重苦しい足回りなどなど。
(ここまで、応募文章ほぼそのまま)



 で、結果は語るまでもなく(笑)。
 形や機能もともかく、色も地味すぎでした。サモネみてるだけで、ああクリックしてもらいにくいだろうなぁ……という空気が出てしまってましたから。何時ものbrickshelf(trainタグ)でクリックしてもらうのとはぜんぜん違う見せ方が必要なんだなぁと痛感しました。
 そんなわけで「brickshelf」でのアクセスカウント数でリベンジですね(笑)。
(幸いにもこっちは満足行く数字が出てます……)



 ダークグリーンなので、「エメラルドナイト・カーブスロープ」も積極的に再利用してます(笑)。
 最小限のサイズに機能を押し込んでますが、電池BOXの一部ははみ出し上等の割り切り。


 操重車というと、どうしても作業中の姿よりは、ブームもアウトリガもたたんだ「回送中」の姿のほうが身近な?印象あるんですね。この姿でもブームの迫力が感じられるかと。
 それにしても、あのトラスビーム使ったレールクレーン作品は未だみたことないので、「やった者勝ち」の満足感はあります。


 手前のモーターがブーム操作用、奥が巻き上げ用。といっても糸の張り方だけの問題ですが。
 実はクレーンのワイヤーの張り方の資料がなく、自己流で幾らか苦心しています。
 専門家が見たら呆れられるかも(笑)。

 
posted by 関山 at 01:42| Comment(7) | TrackBack(0) | 鉄道作品(その他) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月15日

【鉄道作品(その他)】#10194エメラルドナイト客車をいじってみた

 先の2月20日の運転会合わせのお題です。
 会の企画に「各自#10194の客車を持ち寄って長大編成を」というのがあり、それに合わせた次第。
 「オリジナルのままでなくても良い」
 「寧ろ編成に変化をつけるために適度に改修するの歓迎」
 とのことで、ちょこっと遊ばせていただきました。


 
 他画像は以下へ(公開済)
http://www.brickshelf.com/cgi-bin/gallery.cgi?f=466166


 食堂車という設定で一部窓埋め。インテリアは特に修正せず(運転会当日朝に急遽でっち上げたため)。
 「GREAT WEST」……イギリスにはGREAT WESTERN鉄道は存在しましたよね、確か(笑)。


 展望車。イギリス……というか欧州では極めて稀な開放型展望車ですね。飾りアーチとかプリントタイル(ケルト文様)は悪乗りし過ぎで当日は賛否両論でした(苦笑)。流石に3軸ボギーにするのは諦めました。時間が押してましたんですよ。この車も「戦時急造」だったんですよ。
 お姫様(先代FantasyEra時代の)はずっとデッキで立ちっぱなし、ご苦労さまでした(笑)。


 インテリアは最低限造りました。そのままだと露台はあまりに狭いので、窓1ツ分を露台に充てています。
 当日誰も気がついてくれなかったのですが(涙)、露台の床はタイルのチェック貼り。まぁ今時は昔ほど1×1タイルのありがたみはないのですけども。


 自宅にはバラされていない部品取りにされていない#10194の機関車が今は皆無なので、取り敢えずイギリス機ということで日本国鉄の6200をあわせてみました(笑)。あれ、意外と無理がない……?
posted by 関山 at 23:13| Comment(2) | TrackBack(0) | 鉄道作品(その他) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月12日

【鉄道作品(その他)】PowerFunction前の悪あがき。9V自己集電電機の悪戦苦闘。

 2006年6月末頃:着手
 2006年7月上旬:車体完成
 2006年11月:走行試験、成功
 2007年2月:開発断念
 2007年8月:解体を前提に最後の試運転。以後、保留。
 2010年7月:解体予定


 他の写真は以下参照。
http://www.brickshelf.com/cgi-bin/gallery.cgi?f=437530
 

●経緯
 2006年というと、IR(RC)トレイン規格が出てきた年。9Vトレイン規格に黄信号が現示された年でもあります。
 そのため、9Vトレインの環境維持にはユーザなりの頑張りが求められもしました。
 
 9V環境を永続させるために必要なのはレールの他に「モーター」。レールから車輪を通して集電する能力のあるモーターです。これは9Vトレインモーターのように一体化している必要はなく、金属製の集電可能な車輪(または固定シュー)があれば、テクニックモーターなどと組み合わせて自由に動力ユニットを造れるという、発展の可能性も秘めていました。
 その状況下の2006年6月末、自作集電車輪と動力ユニットのテストの為、自由形電機を1両制作したのです。


●システム
 「魔改造」に当たるのは以下です。
・車輪。集電用にBBBホイールにアルミテープを巻いたもの。
・集電子(ブラシ)。車輪に接触して電気をキャパシタに送る。
・キャパシタ。集電が不安定になることが予想されたため、大容量の電解コンデンサを用意。





 あとはレゴのパーツのままで、テクニックモーターとギア、ロッドによる駆動を行うものとしました。モーターやギアは何度も交換・組み直しをおこなっています。


●機関車として
 機関車のとりあえず従来の9V規格ではありえない「大動輪の電気機関車」とし、車内にモーターとキャパシタを搭載する余裕のあるものとしました。
 特定のプロトタイプはありませんが、1920年代以前のスイスやドイツのロッド駆動の電機をイメージしています。将来的にはロッド駆動の電機を何両も9Vで揃え、自走させることが目標でした。


●試験の経緯
 集電子が安定せず、なんとか小さなエンドレスを停止せずに走行させる段階に辿りついたのが開発から半年の2006年11月のこと。それでも1周走らせるとどこかが調子おかしくなり、試験の域は出ないものでした。
 牽引力はそこそこあり、インテリア付きの重い客車でも3両を余裕で牽引したりしましたが。
 キャパシタのおかげで、スピードレギュレータで電源offにしても少し惰性走行続けるのは悪いものではありませんでした。ただ、起動時に集電が安定していないとキャパシタにも電気が溜まらず発進不可になることも多々ありましたが。

 結論としては、実用にはならないというものでした。


●まとめ
 集電子の制作と固定に凄く手間取ったことが今でも印象に残っています。手先の器用さが要求される類の仕事ですので自分には不向きでした。ここらの技術がある方ならもっと上手くまとめ上げていたのかもしれません。
 集電子のまずさと、アルミテープによる集電車輪は集電が不安定なので、それを補うためにキャパシタ(大容量のコンデンサ)を搭載したのも開発規模を面倒なものにしてしまいました。大容量のコンデンサは秋葉原でも入手が困難であり、思うような容量のものが入手出来ませんでした。

 車輪のアルミテープも耐久性に問題がありました。集電子と接触する部分は目に見えてすり減るのがわかりましたから。中まで金属製、しかもアルミより堅い金属の車輪なら問題にもならないのでしょうが、薄いアルミテープにその辺の期待は望むまでもありません。


●そして、現状
 自由形電機の造形はそこそこ気に入ってのと、技術的にも何か役立つかと思い、開発断念後も保管を続けていました。
 しかし、2008年のPowerFunctionリモコンシステムの登場。そして2009年になってPF用の電圧制御リモコンが出てくるに至って、この機関車の技術的意義は全くなくなってしまいました。面倒な魔改造をして、入手の面倒な大容量コンデンサを手配、そして不安定な動作に耐えずとも、PFなら自由な車輪配置の機関車を容易に「自走」させることができてしまうのですから。

 失敗作として闇に葬ってしまうのもありなんですが、それも何なので解体前にこうして撮影・発表させていただく次第。
 勿論、この種の足回りの機関車は好きなので、いつかPowerFunction・特定モデルありで再生する可能性も含めて……。


 ローカル線の貨物列車牽引のイメージで。
posted by 関山 at 00:00| Comment(9) | TrackBack(0) | 鉄道作品(その他) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月23日

▼ 台湾鉄路管理局 DR2700「光華號」

[製作:2007年5月〜6月頃]
http://www.brickshelf.com/gallery/sekiyama/clocodile/TaiwanRailway/DR2700DMU/2700_z018.jpg

http://www.brickshelf.com/cgi-bin/gallery.cgi?f=281465

 1966年東急車輛製の特急用ディーゼルカー。如何にも東急車輛!なステンレスボディが特徴です。特急用にしては大人しい貫通型の顔つきですが(伊豆急100系に類似)、それでも片側面に1ドアという配置に、広めのピッチを約束した窓幅は特急型の証! 
 機関周りはアメリカはバッドの標準車RDCに準じていることも含めて考えれば、「伊豆急100系風の顔」に「国鉄キハ35 900のノウハウ」によって造られた、「和製RDC」と云ったところ? 妻面の縦コルゲート部はキハ35 900同様ですし、屋上の巨大なラジエータ(クーラーに非ず!)はRDCの流れを汲んでいます。

 全回転クロスシートであるのですが非冷房コイルサスというスペック。ここは狭い固定クロスながら冷房エアサス付のキハ65との対比として興味深いものがあります。この辺は何が必要かという営業サイドの割切りの問題なんでしょう。

 1980年ごろまで特急「光華號」で活躍しましたが、台北〜高雄の電化により台北〜花蓮の急行に転用。1982年、こちらにもDR2800という同じく東急車輛製の特急DMUが導入されたため、以後は普通列車用に格下げされています。こうなると1ドア全回転クロスですから、さぞかし使いにくい車となったことでしょう!

 しかしなお、この車は今も過半数が健在です(動力車25両、付随車6両製造。現在の在籍は動力車20両)。車体の老朽化こそは否めませんが、カミンズエンジンのパワフルな走りはオーバースペックなほど。台東線の朝・夕・夜の列車のみの充当なので、乗りにくい・撮りにくい列車ではありますが……。

●製作にあたって
 現在の前面警戒色入りの姿ではなく、オリジナルの銀色1色の姿です(台鐵のサイトから写真を引用)。バッド社ライセンスの車ということで、レゴで云うならもろに#10022(バッド製ステンレス客車)が類縁関係に出てくるわけで、製作は楽かと思いきや……。

 意外とそれらしい姿にするのに苦戦しました。強烈な個性がない車(個性がないのが個性!)というのは案外鬼門であるものです。あと如何に#10022のクセを消すかにも。
 前面窓は%7026(2×2の家窓)の灰色も少しは考えましたが、bricklink相場が1個4ドルという凶悪な部品につき断念。%4035のハーフトレイン窓としましたが、これも旧灰は高めの部品なのは困ったこと……幸いにも手持ちストックがありましたが。されど、貫通ドアの分は足りず、ここはハーフトレイン窓でも新濃灰ので代用しています(幌のおかげで目立たず) 現在は新灰のハーフトレイン窓が入手しやすくなってるみたいなので(現行品のお城に入ってますよね、たくさん)、その方向でいつか更新したいものです。
 貫通幌はおなじみAWAZO氏の流儀です。この種の貫通幌付の車を6幅で再現するときに「これ以外は考えられない」組み方でしょうか。

 警戒色の入ったスカート、そして翼のついた大型のヘッドマークには「らしさ」を出すための個性として大いに助けられました。ヘッドマークは翼部をプチスロで表現、本体はお馴染みの「盾」です。

 側ドアははじめはトレインドアをそのまま使うことを考えましたが、ドア幅が広く見えすぎてバランスが壊れることから断念。2幅のプラグドアを折り戸風の外見で作っています。運転台部の乗務員ドアも最初は省略するつもりだったのですが、なんとか開閉可能で再現しました。流石に非常口は省略しています。
 
 腰板は下半分は思い切ってコルゲートなしにしてしまいました。パーツ不足もありますが、ここもグリルブロックで試し組みしたところかなり重い感じになってしまったためでもあります。おかげで軽快な感じが少しは出せたかと。

 窓配置もさんざん迷い試行錯誤した部分ですが、窓無しでダクトが通っている部分を3幅とし、やや誇張した表現としました。

 屋根はあれこれ試した結果、33度の屋根スロープが一番それらしいと判断。#4512に入っていた余り気味の大味部品もたまには役立つものです。肝心のラジエータ部分は誤発注で何故か手許にごろごろしていた飛行機用のウェッジを利用。スマートさとボリューム感は両立できたかと。ファンにはターンテーブルをそのまま使用。

 台車・床下は例によって適当です。エンジンとかタンクの位置は一応それらしく(簡単でも推進軸の表現を行うと気動車は説得力が増します……よね?)、台車はコイルサスらしく。

 内部は「洞門部」(台湾のディーゼルカーの特徴。排気筒や屋上ラジエータへの配管をひとまとめにした部分)以外、特に凝った事はできず。それでもインテリアがあると満足度は違います。

●まとめ
 手軽に出来るかな、と思ってたら案外難しい題材でした。#10022臭さを如何に消すかとか、窓配置のバランス取りとか。あとは旧灰の窓部品が入手しずらい問題とか……。
 走らせてみると2両では少々物足りないので、もう1両中間車(2750型、キサハ)も! とか考えもするんですが、面倒そうなのでいつになることやら……。
posted by 関山 at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 鉄道作品(その他) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年07月26日

台湾交通部鉄道管理局 筥光號客車

[製作:2007年6月末]

http://www.brickshelf.com/gallery/sekiyama/clocodile/TaiwanRailway/ChuKuangExpress/zb0015.jpg

http://www.brickshelf.com/cgi-bin/gallery.cgi?f=267561

 「筥」は正確には草冠に呂です。

 製作動機の一つは、現地ビルダーskyranch氏によるこの作品。
http://www.brickshelf.com/cgi-bin/gallery.cgi?f=229991

 オレンジとクリームのツートンというのが意外と派手ではなく、その上で白帯が引き締めた魅力があることを教えてくれた作品です。
 そして台湾訪問。筥光號(特に手動ドアの旧型)にはずいぶん乗り、そして撮りました。

■筥光號客車について
■夜行列車のこと(筥光號)

 かつての豪華列車ではあるのですが(設備は日本の「国鉄時代の」グリーン車級)、その上に自強號が設定されて以来、また台湾の経済発展にともない、相対的に庶民派の急行列車というべき存在になっています。運賃料金も極めて低廉(台湾の物価全体に照らし合わせても)。
 設備や雰囲気は、20年ほど前に九州や四国で見られたグリーン車転用の気動車急行指定席車に近いものはあるかもしれません(このたとえの方が判りにくい?)。夜行便もあり、こちらも往年の座席夜行の雰囲気を残します。
 この中でも多数を占める旧型は、裾絞りのない車体に高めの屋根、完全な切妻形状、手動のロックなしのドア……それ以上に最後尾貫通路が走行中も開け放しであるあたりはとても「旧客的」な雰囲気を湛えます。飽くまで車両のベースは日本の20系ですし、製造年代は1970〜83年ごろと12系14系、或いはそれ以後の世代なのですが。
 
●プロトタイプ
 1970年より1983年ごろまで製造され続けた、手動ドア・片デッキ・床置きの冷房機という一番ポピュラーなタイプを選びました。
 製作したのは客車×2と電源行李車(電源荷物車)という3両。今のふつうの列車という意味でオーソドックスにまとめた由ですが、1990年まで存在したという餐車や、今も団体貸切用に健在な展望車はかなり迷った題材でした。
 色は勿論、1980年代〜現行のオレンジとクリームのツートン。

●製作に当って〜客車
 突然ですが。
 往年(1970年代。当然、国民党独裁時代)の台湾の鉄道当局のデザイナーというのは、結構アヴァンギャルドなセンスを持っていたのでしょうか? 往時の写真を見ると、駅の構内の案内看板のデザインがえらく垢抜けた1970年代モッド的なセンスであることにおどろかされたりします……駅自体は古い日本時代の代物だったりするわけですけど。
 勿論、その影響は車両にも及び、当時の筥光號は白い車体に紺帯! 蒸気機関車健在の時代によくぞ客車を白く塗るという発想が出てくるものです。それだけならともかく、紺帯のパターンは今の筥光號客車とほぼ同様……あの時代に斜めのラインという大胆さ。

 そんなわけで? 台湾の客車でキモはあの車端部の斜めラインにあると思う由。スロープと逆スロープの組み合わせでばっちり再現してみました。
 それ以外、車体自体のつくりはいつもの6幅32ポッチ長さで極めて捻りのないものですが、以下が工夫ポイントでしょうか。

・最大の萌えポイント。床置の冷房装置のグリル部は外板とツライチになるよう収めました。
・窓はクリアのライトブルーに。実物もブルーグラスになっていますので。
・屋根は丸ブロックだと屋根の印象が深く・重くなりすぎるので意図的に45度スロープとしました。予算にも優しいのは事実ですけれど(苦笑)。
・幌は欧州式のゴム円筒幌なんですが、円筒のブロックで組むと「旧客的」雰囲気を殺してしまいます。ここはAWAZO氏流儀の「日本型車両向け幌」をアレンジしてみました。
・ドアは勿論ロボットアームによりプラグドアとして開閉。実物は手動の折り戸ですが。ここは見た目より機能優先ということで。ドア自体もちょっと大胆なデザインにアレンジ。
・例の新考案の座席を持った内装は1両づつコンセプトを分けてみました(実物も製造時期や更新でバラつきが激しいですので)。
A:「鮮やかでモダン。薄青の床に赤のシート地、シートのフレーム部は黒、内装仕切り板は白のエンボス」
B:「爽やかなナチュラル系。緑の床に灰緑のシート地、シートのフレーム部はクリーム色、内装仕切り板は木目」
 ……とか書くとそれっぽいですよね?
http://www.brickshelf.com/gallery/sekiyama/clocodile/TaiwanRailway/ChuKuangExpress/Coach/zb0017.jpg

 ほか、洗面所(デッキ側)、便所、給湯設備を設けています。

・台車は車体の見かけよりも近代的なタイプが奢られていますので、とりあえず今風のエアサスっぽく仕上げました。床下は……適当です。

 先にも記しましたが、最近は「内装造るのめんどくさい病」に掛かりかけてましたが、やはり造ってみると(自己)満足感が違いますね。

●製作に当って〜電源行李車
 初期に導入された車は日本製と聞きます。
 が、当時の日本の20系、はたまたマニ20そっくりの韓国の発電車(日本製)とはまったく異なる、異質のスタイルが印象的です。

 で、荷物ドアとか側グリルとか、また電源室の点検用ドアとかでやたら面倒そうな側面です。で、実際に面倒でした。客車の何倍かは手間が掛かりました。開口部多いのも困り者でしたし。

・側グリルは、客車同様外板とツライチに収めています。
・片方のデッキはドアが大きく凹んだ形状なので、思い切って「いつもの」客車スタイルに。
・荷物ドアに、電源室点検ドアは勿論開閉可能。プラグドアで開閉可能にすると微妙な凹みも表現できるので好都合です。
・電源室は点検ドアに明かり窓から見えるように(笑)、エンジンと発電機などを設置。エンジンは例によってそこらに転がってたテクニックの変形コネクタからそれらしく。V8の立派過ぎるエンジンですが。
・列車全体の重量が増えつつあったため、補助動力も考慮し、トレインモーターも組み込み可能にしています。客車がもう1両増えたら考える必要があります。

http://www.brickshelf.com/gallery/sekiyama/clocodile/TaiwanRailway/ChuKuangExpress/BaggageAndGenerator/zb0016.jpg

●まとめ
 とりあえず機関車+電源行李車+客車2両という、最低限の編成にはなりました。オレンジの手持ちをほぼ使い果たしたので暫くは無理だと思いますが、あの展望車は何時か作ってみたい題材です。
posted by 関山 at 23:59| Comment(4) | TrackBack(0) | 鉄道作品(その他) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月28日

台湾交通部鉄道管理局 R20形ディーゼル機関車

 もう一つのブログ「ちょっと濃い目の台湾鉄道旅行記」の方をご覧くだされば判ると思いますが、完全に台湾の鉄道、そして台湾に填まりっぱなしです……。
 日本の20余年前の鉄道風景が未だに健在という素晴らしさ。手動ドアの客車に、開けっ放しの最後尾。日本の旧客に間に合わなかった世代としては憧れつつ叶えられなかった世界がここにあるという感じ。
 それに南国の魅力が加わればもう何を況や! これで食い物も旨いんですから!
 
 と、いうわけで台湾ネタは当然、複数が進行中。第一弾としてディーゼル機関車を作ってみました。

 写真はこちら。
http://www.brickshelf.com/cgi-bin/gallery.cgi?f=262605

◆◇◆◇◆◇◆◇◆

●プロトタイプについて
 台湾のディーゼル機関車は殆どがアメリカンスタイルの電気式(入換用に少数ながら日本製の凸型機もあり)。レゴで云うなら#10133の如き貨物用機関車を1067mm軌間向けにスケールダウンした機が入換から急行列車牽引にまで幅広く使われています。アメリカンな機関車ですが(メーカーは全てEMD=GM)、大人しい塗装や控えめのアクセサリ、何より小柄なためかマッチョ感はなく、日本人にも馴染みやすいスタイルです。

 で、訪台前に滞在中はどれもこれも同じ形じゃないか、とか思っていたものの、帰ってきて写真整理したり、またいろいろ調べたりしているとそこそこバリエーションがあることが判ります。

 その中で、特に気になったのが現役最古参で1960年製のR20形。流石に今は「二線級」のようで筥光號(急行)を牽く事はないようですが、台湾南部では普快(普通)や復興號(快速?)に充当されています。

 この機関車、前後ともボンネットが高い形状で#10133とは差別化でき、かつ造りやすそうな印象? そして目を惹いたのが、とっても分厚く頑丈そうな台枠部分。この台枠部分と客車の窓下部分がほぼ揃うという腰高なバランスも印象的ですが、台枠の分厚さのおかげで安定感がある。しかして、鈍重な感じでもない。
 少しの迷いもありましたが、造り易さ?からこの機に決めました。

 写真はこの辺のエントリにあります。
http://blog.so-net.ne.jp/taiwan_rail/2007-05-30
 上から4枚目、普快を牽いている姿です。

●製作
 台枠にトレインプレート2枚重ね!
 前面の上半分だけ、横組み!

 それ以外、特別なことは何一つせず#10133をバラした部品からくみ上げていきます。
 オレンジだとパーツの種類なども限られるため、とりあえず開閉ギミックや内部再現なども全てオミットした手抜き仕様。外部ディテールも最小限……。ただ、フロントのゼブラ塗りは拘った部分ですが。
 ナンバーは33號。「3」の文字ブロックが手許に多めにあったからですが、実物にもあるナンバーというのは悪くないです。
 で、とりあえずの完成が以下。

http://www.brickshelf.com/gallery/sekiyama/clocodile/TaiwanRailway/R20/rbr20_45.jpg 

 しかし、どうにも違和感が否めません。車体が上下につぶされたような感じになり、実物のウマヅラ感がまったく出ていません。

●ver2.0
 思い切ってボンネット部分を前後とも3幅にしてしまいました。やや線が細い印象になりますが、マッチョ感のないアメリカンロコ、というテーマから考えたことでしたが……やはり失敗。東欧あたりの怪しげな入換え機みたいな雰囲気です。あるいは中華人民共和国のほうの東方紅3辺りか(笑)。
 ちなみに側面の中華民国国旗は「ご愛嬌」。ディテールのつけようのない側面ですから何かアクセント……と思ってのお遊びです。意外と見栄えがしませんでした。

http://www.brickshelf.com/gallery/sekiyama/clocodile/TaiwanRailway/R20/rbr20_33.jpg

●ver3.0
 やっぱりボンネットは4幅に戻しました。いくらなんでも違和感ありすぎでしたから。前面の塗り分けパターンをやや強引ながら再現したことで、当初の上下につぶされたような感じは和らいだかと。
 で、ここまで造ると情が移ってきて、ディテールも追加。ホーンもつけ、手すりも増やしています。ディーゼル機関車にはやっぱり「白い手すり」が似合いますよね!

 で、これに合わせて内部も簡単に作っています。オレンジの2×3ドアも入手のあてがついたので、エンジンと発電機だけでもそれらしく表現してみました。エンジンはそこらに転がってたテクニック系の変形コネクタですが、それらしい形になったと自負。まぁ配置とか形状とかは資料もないので「適当」ですが。

http://www.brickshelf.com/gallery/sekiyama/clocodile/TaiwanRailway/R20/rbr20_14.jpg

(なお、現在は機関室のドアも無事付きました)

●まとめ
 台湾新幹線こと「高鐵」もそうですが、台湾の車両はオレンジ色が多用されています。訪問前は「少し派手だよなぁ」とか思っていたのですが、南国の太陽の下で見ると落ち着いて見えるので不思議なもの。
 で、レゴのオレンジ色はちょっと色相が明るい方に寄っていて、鉄道関係には使いにくいと思っていました。が、こうして機関車1輌造ってみると意外と気にならないものですねぇ。

 お次は客車です……。7/1をお楽しみに!
posted by 関山 at 23:49| Comment(10) | TrackBack(0) | 鉄道作品(その他) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年09月21日

ラック式(歯軌条)電気機関車

[製作:2005/10]
[更新:2006/04]
 大昔(1981年の春)、当時の友人宅にあった『上級基本セット』は黎明期のテクニック部品も含まれていました。そこに含まれるは、たった4本の「ラック 長さ4」。幼時なのに、これをみて「この部品を大量に集めて、いつかはアプト式の登山鉄道を」とか妄想したものです。

 それから24年。Brickshelfで実際に動くラック式作品を眺めたりして、現実性を再確認。デジラでラックレールは1本\70で在庫は豊富。そして、夢は叶いました!

http://www.brickshelf.com/cgi-bin/gallery.cgi?f=206331

 試作して改めて再認識させられたのは、ラック式だからといって幾らでも牽引できるわけではないということ。勾配の角度にもよりますが、押し上げられる重量は結構シビアです。目に見えるような急勾配…30度位だと、機関車単機が限界。20度くらいで、車掌車を押し上げるのが精一杯と。冷静に考えれば実物だってこの種の鉄道は勾配にも牽引(押上)力にもかなりシビアな制約があるんで、模型もまた然りなんですが(苦笑)。やはり科学の理解には実験が欠かせないようで(笑)。

 あと、機関車が2軸以上のラック軸を持てば、ラックレールはかならずしも連続して敷設されていなくても大丈夫、ということも初めて気が付きました(注:実物ではそうはいきません)。機関車のラック軸距にもよりますが、2ポッチほどの隙間があいていても十分駆動・登坂してしまいます。

 ■■■■□□■■■■□□■■■■□□←こんな感じ。

 これは、曲線レールでもラックが置ける! ということでもあります。これまでbrickshelfで観てきたラック式の例では、何れも「直線専用」でしたが、ここで先達にも差をつけることが出来そうです(笑)。なにより急勾配と曲線の組み合わせは魅力的ではありませんか♪

 さて、肝心の機関車について。
 モーターは高トルク低速ねらいで所謂「モンキーモーター」(イノベーター# のモーター)を使用し、ウオームで大幅に減速させ、ピニオンを回します。ピニオンからは、手馴れた(笑)3角ロッドでラック軸2軸に伝動します。今まで3角ロッド(スコッチヨーク)を使った機関車は何両も作ってきましたが、こうした仕掛けがダミーではなく、実際に駆動軸となるのはなかなか感慨深いものがあります。
(そして2軸駆動は、カーブへの対応可能という褒美をくれたのでした!)

 車体は瑞西の登山鉄道の小型電機やら、碓氷峠のED40あたりをイメージしています。極力小型でまとまるように心がけ、全長14ポッチでなんとか手のひらに載ります(笑)。
 前面(後面?)形状は、いつもの「関山鉄道スタイル」に収まってしまったのはご愛嬌、と(ほんとに作りやすいんです、この形は)。ただし、運転台がない側の前面は独特な風情。グリルの隙間からモーターが見えるのは余興として悪くないですかね。
 運転台は片方のみ。これはモンキーモーター搭載の為に片方のスペース潰さざるを得なかったため。しかし、実物でもこの種の機関車には得てして勾配の下側にだけ運転台をもつ片運転台が少なくありません。碓氷峠の歴代のアプト式電機は全て片運転台でしたし(EC40だけは後天的改造)、瑞西でも片運のラック式電機は少なくないようです。蛇足ながら、後世の碓氷峠専用機(粘着式)EF63も事実上の「片運」で、軽井沢方[山側]の運転台は実は回送専用だった由です。
 この種の機関車では、(原則として)列車は引っ張るのではなく、坂の下から押し上げる形になります。

 電源は、「とりあえず」外部の9V(単三×6)電池ボックスか、コードで結ばれたスピードレギュレータから供給する外部有線リモコンという形になります。9V(006P)電池ボックスなら貨車に積んで押し上げることもできましょうが、現状で入手できる単三×6のだと重すぎで無理。
 究極的には、集電可能な車輪を魔改造し、レールからの9V供給できればいいのですが。

※注:
 歯車とラックの組み合わせで登坂する鉄道には何種類もあり、「アプト式」はその一種です。
 なお、国内でのラック式(アプト式)は信越本線碓氷峠(1963粘着運転に移行)と、大井川鉄道井川線(1990年開通〜運行中)があります。本場?の瑞西には…無数にあり、ほとんどが現役です。羨ましい。

(以上、製作時の書き溜め)続きを読む
posted by 関山 at 08:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 鉄道作品(その他) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月29日

3軸のタンク車 制動室付き

http://www.brickshelf.com/cgi-bin/gallery.cgi?f=191311
[製作 2006年5月頃]

 とりあえず自由形ですが、プロトタイプは一応鉄道省(現JR貨物、ってことになるんですか?)のフア27000型。キューポラタイプの制動室(車掌室)付き。タンク体はこの時代には多かったカマボコ型。そして3軸という最高にひょうきんな、しかして萌えるスタイルの貨車。大正初期製、積荷は石油類と。
 で、昭和に入る前に制動室は撤去。そのまま昭和の40年ごろまで使われた由。
 勿論、私の作例と違って色は黒1色です。「フア」というのはブレーキ室付アブラ車、の略ですが今流に云えば「タサフ」なんでしょうね。
 写真は、「3軸貨車の誕生と終焉 (上)」(吉岡心平著)に載っています。安いのに大著。激濃な資料として上巻下巻ともお勧め。

 余談ですが3軸車というのは欧米ではあまり多くありませんが、日本では軌道が弱く軸重の制約がきつく、かといってボギー車にするほど大型化の需要もないという状況下で3軸貨車(殆どがタンク車か無蓋車)が大正〜昭和中期に発達しました。荷重あたりのコストではボギー車より割安につくメリットはありましたが、走行性能に難があるといわれ、昭和43〜50年の間にその殆どが姿を消しています。

●足回り
 3軸車では、中間軸を左右に滑動させる仕掛けが必要になります。過去に先人によっていろいろなアイディアが考え出されたようですが(輪ゴムやらターンテーブルやら)、シンプルにタイル面の摩擦だけの処理としました。試運転の結果ですがこの程度でも大丈夫のようです。中間軸の前後に出た「ツノ」が、前後の「ミゾ」の中に入り左右に誘導されます。

 全長は17ポッチ。実は2軸でもおかしくない寸法ですが、3軸としたお陰で妙に堂々とした車になりました。
●上周り
 手持ち部品の関係でタンク体は白。石油系だと黒塗りがセオリーですから、この地点でこの車の積荷は「?」となってしまいますね。深くは考えていませんが。
 カマボコのような形状はプロトタイプに倣ったもの。今のタンク車にはない不思議な形状です(円形のタンクを台枠の中に埋め込んだ造りのため)。ドームや弁装置もそれらしくややレトロな感じに。
 端部のハシゴは感じ出てますでしょうか? グリルタイルでメッシュの表現としてみました。

 制動室(車掌室)はフィグが乗れます…というより収まります。最小限のスペース・設備ですから、常時乗務するというよりは必要に応じて使用するイメージです。外側への丸い張り出しは手ブレーキハンドルのカバーという設定。ドアはアングル組みの表現として、プレート裏面を使ってみました。側窓が小さい丸窓だけなので居住性は悪そうです。
 色は自由形の「標準色」としておきました。

●まとめ
 最近は貨車をばらばらと作り出していますが、貨車というのは地味すぎでモチベーションが刺激されないので、アイディアは溜まっててもなかなか手がつかない。ただ、一度手をつけると短時間(3〜4時間ほど)で気楽に纏められる、というのも確か。息抜きにいいですね。
 あと、タンク車というのも実は初めての題材でした。これも一見単純な形状に見えるのでやる気が沸かなかったのですが、積込口・ドーム・弁装置・取降口、梯子や手すりなど意識して造りこんでみるとなかなか楽しいものです。積荷を化成品とか高圧ガスとか物騒な物品に設定すると更に面白そうです。
posted by 関山 at 22:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 鉄道作品(その他) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月21日

有蓋緩急貨車 所謂「ワフ」

http://www.brickshelf.com/cgi-bin/gallery.cgi?f=189805

 日本流に言えば「ワフ」です。車掌室のついた有蓋貨車で少量の貨物の輸送以外にも車掌車の代用や、救援車や配給車(鉄道用品を倉庫から現場に輸送する車)代用と多用途に都合よく使える車です。牽くのも蒸機・内燃・電機に気動車や電車と何でもあり。
 特定のプロトタイプはないですが、日本型(国鉄ではなく、私鉄のワフ)と欧州型(瑞西辺り)の気に入ったところを適当に持ってきてまとめてみた由。まぁこの辺は何時もどおり(笑)です。木造の小型車という設定ですので、生まれは1920年代以前でしょうか。

 さて。
 手持ちには蒸気機関車や特殊な足回りの機関車で、動力(トレインモーター等)を仕込めずダミーとした機関車が何両かあります。その手合いを走らせるときには当然「後押し」が必要なわけですが、この「ワフ」は後押し用の「仕込み動力車」として造ってみました。

●足回り
 トレインモーターと通常の足回りを簡単に交換できるようにしています。モーターは貴重品(苦笑)ですし、「電機+ワフ」なんて短編成時にモーター車が2台もあるのは気持ちよいものではないですから。
 トレインモーターの覆いは、海外の作例を参考に自作してみました。 
 台枠がゴツい形状なのはトレインモーター装着時にできる車体との隙間を隠すため。小さいながらもどっしりとした感じになりました。

●上周り
 古い木造車らしい、典雅な雰囲気が出せるよう意識しました。
 ドア開閉は安直なやり方(笑)ながら実用に耐えます。

 車掌室は車端部の張り出しだけではなく、居住性向上の為に貨物室側に広げる改造が後付けでなされた、という設定。
 端面の丸い張り出しはブレーキハンドルのカバー。その上には古い窓パーツを奢ってみました。車掌室ドアのステンドグラスはウチの機関車に合わせたもの。まぁご愛嬌で…。

●まとめ
 全長12ポッチという小型車。その割には幅は広めですからよくもわるくもずんぐりとした車になりました。狙ったメルヘン的な「可愛らしさ」に繋がればいいのですが……。
posted by 関山 at 23:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 鉄道作品(その他) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月06日

小型客車

http://www.brickshelf.com/cgi-bin/gallery.cgi?f=187184

 今後発表予定の小柄な機関車群に対応させる、小型の2軸客車です。自由形ではありますが、一応オーストリアの或る私鉄の客車をプロトタイプとして意識してはいます。まぁ独逸でも瑞西でも独逸語圏の国なら見立て次第でなんとかなるスタイルの車ではありますけれど。こんなのが1両〜3両くらい、ちんまりした電機や蒸機に牽かれたり押されたりするような列車、今でも保存鉄道的性格の強い私鉄では健在なようで羨ましい限り。
 はっきり云って小ネタのつもりでした。が、以下の命題をブチ込むんだために意外と苦戦しました……。
・全長を極力詰めて、
・かつ定員4名を確保。
・そして両側のオープンデッキと開閉するドア
・優雅に、可愛らしく♪

 全長を詰めるのは、当然古風な2軸車として不自然に見えない長さに抑える必要があるからです。定員4名、は特に理由はないですが、向かい合わせのBOXとその前後に1席づつというレイアウトを考えれば出てくる値。あと、BOXの間にはテーブルとランプシェードは置きたいですしね(笑)。
 オープンデッキを両端に持ってくると、全長面では苦しくなりますが、シンメトリックなサイドビュウには拘りがありますので妥協はできません。
 で、何よりも苦労したのはドアの開閉でした。リンクの目立つ、冷蔵車の如きプラグドアになってしまったのは止むをえず、です。ダミーで済むなら楽なんですが…。

 優雅に、というならデッキの手すりはそこそこの形状にできたと自負。屋根は切妻ではなく、微妙に絞った形状にして優雅さ?というより可愛らしさを狙いました。ブレーキハンドルと標識円盤(テールライト代わり)はご愛嬌。

 色は迷いましたが、とりあえずウチの自由形「標準色」で抑えました。窓枠の赤は聊か派手ですが、トイ的な雰囲気を狙った確信犯です。
 内装は先述のとおり通常のシートを4列押し込み、中央にはテーブルと卓上灯を設けています。支線区の3等車でもサービス水準は維持する、と。

 で、この手の車輛はいくつか作りましたので、少しづつ晒していきます……。
posted by 関山 at 07:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 鉄道作品(その他) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月01日

暖房車[自由形]

http://www.brickshelf.com/cgi-bin/gallery.cgi?f=94718

 客車に暖房用のスチームを供給するために、ボイラーを積んだ車輌です。日本では客車の一種として「ヌ」(ヌクイ、から)という記号が与えられていました。電気機関車の普及とともに数を増やしていった車種ですが(日本での全盛期は1940年代でした)、電気機関車に蒸気発生装置(小型の自動運転可能なボイラー、SG)が搭載されるようになり(EF56/57/58など)、また暖房がスチームから電気ヒーターに変わっていったことで1970年代前半には姿を消しました。現存車はありません。

 実物写真はこちら

 この種の車輌は当然ながら欧米でも見られますが、欧州(仏・独)では早くから電気暖房が普及したこと(或いは客車ごとに石炭で暖房を行ったこと。日本にきたワゴンリも客車ごとの石炭暖房でした)、北米ではDLへの蒸気発生装置搭載が普及したことであまり数は多くないようです。
 なお、韓国ではDL用の蒸気発生装置を取り外して専用の客車に移設し暖房車としたものが何と1998年まで活躍していました。実見して仰天した覚えがあります。

 それはさておき。
 この車は動力を持たないダミーの電気機関車の「押し」用に造ったものです。実物が電気機関車のお供ですから常に繋がっていても違和感がありません(夏はどうする???)。そして、この用途だと大事なのは「牽引力」ですから、内装などは全て放擲し、内部は重量稼ぎの9V電池BOX(単三×6用)で埋まっています。将来的にはここから客車への定電圧給電でも出来ればいいのですが…。

 足回りは2−2のボギーではなく、1+2+1として全長を詰めています。機関車の黒子ですから、長くて目立ってはいけませんから。スタイルとしては日本の暖房車の平均的なスタイル…片方には水槽、片方には炭庫、その間にボイラー室で蒸機同様の煙突と安全弁…を踏襲しています(小型なので「ナヌ」クラスですね、多分)。そこにアーチ型の窓のようなお遊びを加え、色は機関車や客車と合わせてと……。
posted by 関山 at 22:26| Comment(4) | TrackBack(0) | 鉄道作品(その他) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月30日

過去作の手直しと再紹介 ブフリ駆動の電機[自由形]

http://www.brickshelf.com/cgi-bin/gallery.cgi?f=100228
(各verの写真あり)

 製作:ver0:2003年11月/ver1.0 2004年7月〜8月
 更新I:ver2.2 2005年10月
 更新II:ver3.0 2006年5月

◆プロトタイプについて
 ブフリ駆動とは、1910年代〜1930年代の欧州で流行った電気機関車の動力伝達機構で、車体に置かれた主電動機から、動輪の外側に置かれた大歯車で伝達するのが特徴です。動輪と大歯車の間は位相を吸収しうるリンク機構で結ばれているため、車輪が多少上下左右に移動しようとも、確実に動力を伝えることができます。
 外見的には、動輪が電気機関車としては大きめになり(例えばED54では直径1500mm。蒸機並)、大きな動輪の周りに歯車を収容するための枠やケースが張り出し、かなり仰々しいスタイルになります。通常は片側にしか装荷されないため、機関車の左右の形状がまるで違うものになることも多いです。
(フランスには両側に駆動機構をもつ例もあります)続きを読む
posted by 関山 at 23:59| Comment(2) | TrackBack(0) | 鉄道作品(その他) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月17日

過去作の手直しと再紹介 クロコダイル・エンジン[自由形]

 過去作。ちょこちょこ手直ししてますので、あげておきます

http://www.brickshelf.com/cgi-bin/gallery.cgi?f=81364
 製作期間2004年3月〜5月
 更新2005年9月/2006年5月

 #4551という9Vトレインの先駆者だった製品(1991:日本未発売)の流れなのでしょうか、クロコダイル(瑞西や独逸等で1910〜30年代に製造された、関節式の凸型電気機関車の愛称:くねくね動く様が鰐の如し!)というネタは人気が有り、BRICKSHELFで検索掛けると結構上がってきます。
http://www.brickshelf.com/cgi-bin/search.cgi?q=crocodile&stype=fi

 ただ、これらの作品で個人的に不満だった(また、チャンス♪と思った)のは動輪のロッドの可動を組み込んだものが殆どないということ。蒸気機関車の世界では先人の試行錯誤の末にロッドやピストン・シリンダーまで仕込んだ作品は少なくないのですが、古典電気機関車作例では殆ど例を見ません。
 拙作は、この状況に挑んだ意欲作でした(2004年3月着手。5月完成)。
 なんだかんだで設計・試作・設計変更・完成・改良…とまともに走るまで2ヶ月以上掛かってしまいました(かなり細かい図面を描いた覚えがあります)。されど、レゴ復帰から半年の意欲作として初心者的コンプレックスを吹き飛ばしてくれたことは確かです。

 さて、当時の制作上のポイント。
・全長は多少意識して、#4551と同じ38ポッチに納めました。
・色は、今後の「標準色」とした、タンと緑灰のツートン。
・足回りは、極力テクニックのアームを使う組み方を意識。今から思うとやりすぎな位に…。中プーリー使った車輪とテクニックトライアングルによるスコッチヨーク(3角形のロッド)は以後定番化。トレイン車輪やトレインモーターも極力テクニックパーツで覆って、目立ちにくくしました。
・クロコダイルのキモである間接部は、試行錯誤一ヶ月余の末に見出した2点間接式を用い、確実にカーブやポイント分岐側を通過します。言葉では表現しにくいのですが…。
http://www.brickshelf.com/cgi-bin/gallery.cgi?i=1790919
 長さ2のテクニックアームを突き合わせて、そこを半月付きプレートで繋いであげた造り、といえばいいのでしょうか。一見、直進安定性が悪く見えますが、直線では半月+アームで1点支持になるため、歪むようなことはありません。対してカーブでは2点支持の柔軟さを持ちます。多軸車製作のセオリーとしては2軸(トレインモーター等)から1軸の先輪を支持するときには、1点支持が原則なんですが、クロコダイルだと2軸から1軸までの距離が長くなりがちなので、追随しきれずに確実にポイント分岐側で脱線してしまいます。2点間接式なら適度に左右に振れるので追随できる由です。
・フィグを配置しての整備中シーンを想定し、点検用ドアなどは殆どが開閉可。車体部の乗務員ドア含めて14箇所可動です。これは走行不良時のメンテナンスにも役立ちました。
・ボンネットはスマートさを考え、3幅としました。左右の下回りは7幅です。
・設定ですが、瑞西か日本の私鉄に居すわっていろうな機関車をイメージしました。1920年代生まれの古典機が今尚も健在で客貨両用で生き延びているという感じ。欧州型に見えるか日本型に見えるかは見る方次第ということで。ただ、高速走行は苦手そうです。ポール集電もむべなるかな。
 なお、設定上の車軸配置は1B1+1B1です。

 と、いうわけで落成後は何度かのEJLTC例会やミリタリーオフに持ち込まれ、そして落成時の姿のままBrickshelfに挙げられてた由です。

 しかし、完成して1年以上も経つとアラが目立ってきます(あ、もう2年前…)。落成時にも指摘されたごちゃごちゃした感じは自分でも気になってきましたし、プロポーションも見直しの要があったりと。それ以上に、製作後の新パーツで使ってみたくなるような部品が出てきたことも見逃せません。
 そんなわけで、Brickshelfアップ後の改良点は以下の如し。
 
・サイドのクレスト(盾)を、楕円のドラゴンナイツに。LEGOSITEさんで購入しましたが、BRICKLINKも漁れば昔の盾パーツは意外と入手しやすいようです。
・中間車体の足回り(トレインモータ)の覆いを修正。すっきりとシンプルに。板台枠を意識したデザインにしました。
・乗務員ドアを改良。製作当初はカーブ通過時には半開きにしなければならなかったのを、閉じた状態でもカーブやポイントの通過を可能にしています。
・ボンネット先端部を、45度スロープから後に入手できた33度スロープに変え、最初予定していた雰囲気にしました。ヘッドライト上には爪パーツで庇を付けました。
・中間車体の側窓のアーチを、製作後に出た新部品であるフェンダーアーチ利用のものに交換。大仰な感じで気に入っている表現です。
・中間車体の屋根を白に統一。すっきりとさせました。全長が長く見えてスマートに見えると自負…。

 この姿が以下のとおり。
http://www.brickshelf.com/cgi-bin/gallery.cgi?i=1790923

・更にその後、台枠部分も白に統一。綺麗にラインがそろい、ごちゃごちゃした感じが緩和したかと。
・上記に関連して中間車体は一度ほぼ完全に解体し、無駄を無くして再組み立てを行ってます。

 そんなわけで、現在の姿はこちらになる由。
http://www.brickshelf.com/cgi-bin/gallery.cgi?i=1790929
 
 その後も電気機関車だけでもいろいろ作りましたが、この緑灰のクロコダイルは何度かの更新を経つつ今なお私の一番の作。今後も改良など重ねつつ、生き長らえさせてあげたいと思っています。
posted by 関山 at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 鉄道作品(その他) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年03月27日

メトロ-クロコダイルは山を越える?/ついでに北米電鉄事情

 最近挙がっていたJeanG様の作品
http://www.brickshelf.com/cgi-bin/gallery.cgi?f=174143
 は#4558(#10001?)メトロライナーのクロコダイルアレンジという、ゲテモノというか、ぶっ飛んだ発想の作品でした。
 しかして意外なほどにまとまりがよく、その雰囲気に大陸横断のロッキー山脈越えの電気機関車を感じたもの。メトロライナー色≒アムトラック色ですから、電化区間がアムトラック統合後の1971年以降も残っていたら…とか想像の余地があります。
 そうなると、自分なりに作ってみたいという誘惑にも駆られます。
 思えばメトロライナーの前頭部とかドアとかパーツ箱の中で腐れて久しく、勿体無くて解体できない(笑)#10002のクラブカーも長期休車状態。牽かせるメトロライナーカラーの機関車が必要な事情もありました。そうなれば、話は早いと一夜で完成と。

 さて、ここでアメリカの電気鉄道事情について触れておきます。インタアーバンは日本の私鉄電車に相当し、国電に相当するのがNYCやペンシィの都市近郊電化区間(今は公営化)、後は地下鉄・LRTなどの公営交通(Bartもこの仲間)と。
 しかし、長距離鉄道の電化区間というのは、かつては流線形GG-1が、後には初代電車に二代目客レの「METROLINER」、今もTGV「ACERA」が走るニューヨーク-ワシントン間位しかありません。
 日本で例えるなら、私鉄電車と公営交通、東京と大阪の国電、東京〜大阪間のみ電化という状況なのがアメリカの電気鉄道です。あくまで特殊な鉄道、特殊な機関車、という認識されているのが伺えるかのよう。

 さてさて、「特殊な鉄道、特殊な機関車」は本領を発揮するのは都市近郊よりもむしろ山岳区間でした。日本の場合でも最初の電化区間は碓氷峠…そして1956年の東海道線全線電化以前に中央本線・上越線・奥羽本線・仙山線と電化された由。して、山奥には不似合いな電気機関車の一大基地も置かれたのです。
 これは蒸気機関車時代のアメリカも同様でした。今は完全にディーゼル化されてしまいましたが、大陸横断の山越え区間では電気機関車を使っていたルートがあったのです。グレートノーザン鉄道の113km(1929~1956)と、ミルウォーキー鉄道の1000km(1917〜1974)です。
 
 そうした線区の機関車に関しては写真をご覧頂いたほうが早いでしょう。
http://www.northeast.railfan.net/electric1.html
 雄大、そして時に異形な電気機関車たち。その重厚感はロシアも含む欧州機にはない雰囲気。山越えとはいえ距離が距離ですから(ミルウォーキー鉄道だけで、東京〜下関間に相当!)所用輌数もそれなりに多かった筈で、基地や機関車の交換駅は相当の賑わいを見せていたことでしょう。

 電化の廃止に関しては諸説云われますが、列車密度の低い割に電化設備を維持するコストが大きかったからと。あと電気式ディーゼル機関車の性能が過信されたのもあるのでしょうか。
 社会的・環境的な意味は兎も角、趣味的にはこうした電化区間は生き延びて欲しかったものです。

×   ×   ×   ×

 と、いうわけで本題に戻ります。設定としては上記事情を加味し、
「グレートノーザンorミルウォーキーの電化廃止はなかった」
「アムトラックが、その線区で旅客列車を運行している」
「1980年代に、老朽化した関節式電機の足回りを流用して車体・機器は新造した」
という風に固めてみました。関節式電機、すなわちクロコダイルはミルウォーキー鉄道のEP-2が該当しますから、アメリカに居ても不自然ではありません。あと車体・機器更新の可能性は慢性貧乏なアムトラックなら在り得ると勝手に想像と(回生制動つけて、機関車が下り勾配で発電した電気代を貨物鉄道会社に売る、なんてシチュエーションは貧乏くさくていいですねぇ)。

 そんなことを考えながら、デッチあげたのが以下。
http://www.brickshelf.com/cgi-bin/gallery.cgi?f=175404
 長さや足回りの構造は、「お約束」?に従い#4551に合わせてみました。独自に設計するのが面倒だったのはありますが、お陰で無理なくすんなり走ります。流石にロッドドライブとかは最初から考えませんでした…メトロヘッドとの組み合わせではゲテモノ度が許容範囲を超えますから(苦笑)。
 ボンネット部には前方視界を妨げない程度にいろいろ機器を載せています。今風の更新機という設定ですからエアインテイクは今風のものと。適度なボリューム感になりました。

 中間車体は特に記すことはないのですが、前頭部とのバランスとる意味で上半分は黒としています。短い車体なのでドアは点対称の配置。個人的趣味で「紋章」は入れていますがここだけはヨーロピアン?
 カラーリングは意図的に髄所に新灰色・新濃灰も組み合わせています。車体は旧灰・足回りは新灰とか分けると、違和感がないと思うのですが。
 パンタグラフは、G@ひたひた氏考案のテクニックパーツ用いたゴツいワンアーム式。現代アメリカ機には実に似合うこと!
 ちなみに現状モーター非組み込み(準備工事あり)、内装未設置です。点検ドア開閉のギミックもないのでウチの機関車としてはかなり手抜き。せめて運転台は作ろうと思っていますが。

 なんだかんだで組みながら
「うーんGG-1(ペンシルバニア鉄道の本線用)に見えるな」
「うーんEP-2(ミルウォーキー鉄道。山岳用)にも見えるな」
 とか妄想というか自己満足はできました。アメリカのファンから見ると「ふざけるな!」といった妄想でしょうけれど(苦笑)。GG-1もEP-2も何時かはマジメに作って懺悔したいとも思ったのでした(笑)。何時になるか分かりませんけど…。

<参考>
http://homepage3.nifty.com/tract/title.htm
アメリカ電気鉄道史
特に
http://homepage3.nifty.com/tract/emainline.htm
6.近郊電車線、都市高速鉄道、路面電車

http://www5f.biglobe.ne.jp/~travel-100years/travelguide_213.htm
ミルウォーキー鉄道の電化区間
posted by 関山 at 19:53| Comment(8) | TrackBack(0) | 鉄道作品(その他) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年06月27日

「電気機関車風の電動貨車」(しかもロッド駆動)

http://www.brickshelf.com/cgi-bin/gallery.cgi?f=134416
 今度は、毎度おなじみ?の自由形です。お題は「電気機関車風の電動貨車」。荷物室付の電気機関車、ともいいます(笑)。
 特定のプロトタイプはありませんが、瑞西の私鉄(メーター軌)か日本のローカル私鉄辺りにありそうな雰囲気、を狙いました(瑞西型か日本型かは、観る人次第ということで♪)。まぁ車輌自体は1920年代の瑞西製で、それが延々と今日まで使われてる、という感じ。
 車種として馴染みはないかもしれませんが、実際、荷物室付の凸型電気機関車は大昔、名鉄にいたそうですし(流石にロッド式ではないです)、瑞西メーター軌には荷物室付と思しき電気機関車は多々見受けられますから、その中には凸型でロッド駆動のもあるんじゃないのかな……それこそBBC(SLM)辺りに頼めばこんなのも作ってくれたんじゃないのかな……と思いつつの製作。

 レゴトレインとしてのコンセプトは「トレインモーター搭載で、最小の車長でロッド駆動を実現すること」。高速感や雄大感より愛嬌や可愛らしさを強調するために、車長は半ポッチでも短縮しなければなりません! 1B2というべき前後非対称の車軸配置はその必然に基づくもの。……いや、以前作ったクロコダイルを半分にしたとも云えるんですが。
 ロッド駆動周りは、クロコダイル同様にテクニックトライアングル使用したスコッチヨークで手堅く纏めています(マンネリなんで、他の駆動システムもそろそろ考えないと……)。車輪はおなじみのテクニックプーリー(中)。
 下回りは1軸の先輪とロッド駆動部を車体に固定とし、従輪にあたるトレインモータ部を可動としてカーブ対応させているのですが……。難儀したのはトレインモータの可動中心の設定でした。普通にモータのセンターのピンを使うと確実にポイントで脱線します!(それに気がついたのは、車体の内装まで作ったあとでした。試運転をモーター側を前にしてしか行ってなかった為です……)
 試行錯誤の末、トレインモータのセンターピンは使いつつ、1コマの遊びを入れて複関節で車体と繋いでいます。よくよく考えてみれば、クロコダイルでも同じ手法で脱線対策できてたので、えらい遠回りをしたと……。
http://www.brickshelf.com/cgi-bin/gallery.cgi?i=1277414

 問題のトレインモーターは、高さ3のパネルで隠し、なんとか板台枠風に見せてます。標準の台車枠パーツではやはり興醒めですから。先輪のほうも、タイルを付けて一部を隠してます。この辺は車幅が広がらないよう留意しました。
 パネルはトレインモーター側面の穴にポッチをねじ込んで固定しています。
http://www.brickshelf.com/cgi-bin/gallery.cgi?i=1277415
 
 前後非対称の足回りに対して、凸型の車体は前後対象にこだわって作っています。機器室も荷物室も扉のデザインは共通とし、中が良く見える大きな格子窓がポイント。
 例によって、ドアは全て開閉可能。乗務員室4箇所・荷物室2箇所・機器室2箇所・ボンネット前後……計10箇所可動です。荷物室と機器室のドアは上下を逆転し、下部をフェンスパーツ等で仕上げることを可能とするとともに、上部のタイル張りを省略することができました。
 また、前面窓の庇に、新CITYのフェンダーパーツを使っています。トレインでの実用例?は、brickshelf見る限りでは世界初と自負。新パーツというと、機器室扉の下部はスコッチヨークの当りを避けるため、贅沢に?プチスロープを使用しています。

 台枠部分はプレートを横倒しで表現。この作りでないと薄くすることができず、トレインモーターの逃げを作れません。それでも、ロッド部では、ロッドの当りを避けるのに苦心(現物合わせの設計変更を繰り返す)してます。前後の端梁は独特の形状に出来ましたが、この台枠形状の賜物ではあります。

 電気的にはポール区間(600Vという設定)、パンタグラフ区間(1500Vという設定)に両対応するためポールとシングルアームパンタを両方搭載。パンタは後世に増設された設定です。
 パンタは前作CFL3600と同じ、テクニックアームを固定ペグで留めた仕様。直流機ですから屋上機器は控えめに。
 色は赤白のツートン。これなら瑞西の私鉄風でも、日本の私鉄風でも通じそう……ですかね。まぁ灯火の配置は私の好みで日本流儀なんですが(赤色標識円盤、なんて日本以外では見たことないです)。緑灯は急行表示、ということで。こんな電動貨車が急行列車に仕業されるとは思えませんが…。
 内装は、前後の運転台のほか、ボンネット内(制御用機器)、機器室下部(ロッドの延長で、主電動機)、機器室上部(電気系機器+送風機)といつもぐらいに作りこんでみました。
 荷物室の床は板張り、荷物は適当にチェストと郵便物を用意。

 サイドの紋章は手持ち部品の関係(苦笑)で、片方エルクウッド、片方が獅子です。未開封の#6045を空ければ鹿に統一できますけど、どちらも似合うので当面はこのままでしょうか。

 さて、製作に要したのは丸二日。難産なブツになってしまったのか、前に作ったクロコダイルが1ヶ月以上掛かったことから思えば大幅に短縮できたのか……どちらなのやら。とにかく作ってて時間を忘れる楽しさだったことは確かですが(苦笑)。
 これ書いてるうちにも、ロッド駆動電機の次回作のアイディアが浮かんで困ってます。

<補足>
 電動貨車、というのも聴きなれない言葉でしょうが、荷物電車の別名で、昔は大手私鉄にも中小私鉄にもさりげなく1両は居たような車輌です。小荷物輸送以外にも、電気機関車の代用として貨車(まれに客車)を牽くような使われ方をしていました。
 形状はただの客用電車を無改造で転用したものから、本当に貨車にモータとパンタとコントローラをくっつけたような代物と種々様々玉石混交百鬼夜行……。
 また、電動貨車と電気機関車の垣根というのは案外低く、電動貨車改造の電気機関車は阪急京都線や福井鉄道、北陸鉄道でみられました。逆に電気機関車改造の電動貨車は宮城電鉄に存在しました。
 この種の車輌はゲテモノとして妙に人気があり、昔のTMS誌ではよく作例や中小メーカー製品として紙面を飾ってたものです。

 なお、日本同様に電気鉄道の発達してた瑞西の私鉄や、北米のインタアーヴァンやトラムでも「電動貨車」は多々みられたようです。
posted by 関山 at 23:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 鉄道作品(その他) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年03月28日

応募作、なんとか…

応募作、なんとかドンガラは出来ました。高さ30cmのブツはやはり迫力があり、いいものです。細かいプレートではなく、なるべく大き目のブロックを使って組んでみましたが、シンプルで悪い感じはしないものです……手抜きといえば手抜き絵ですけれども。

あとはディテールですが、これがまた大変。明日の夜も頑張らないと。
posted by 関山 at 02:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 鉄道作品(その他) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年03月27日

応募作製作中

お台場のオリジナルビルドコンテスト応募作製作中です。

えーと、思ったより大変としか云い様がなく、今日中の提出は諦めました。
(正直云うとモチベーションの維持も大変……)
多分3/30(水)に仕事終ってからお台場に提出しにいくって感じになるかと。

前作でもそうでしたが、高さ30cmを埋めるというのはなかなか大変です。
posted by 関山 at 12:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 鉄道作品(その他) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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