EF57形電気機関車は1940年から1943年迄製造された戦前最後の旅客用電気機関車。総数15両。
……って、既に戦争ぶっこんでる時期にまで造ってるのですね。この時代のことは「意外と」わかりにくいです。
EF56形の出力増強版であり、引き続き蒸気暖房用のSGを搭載。
パンタグラフがSGを避けるために極端に前後にはみ出したスタイルが特徴でした。
東海道線東京口で活躍し、戦後は電化の進展によって上越線に転じ、更には東北線に転用が1965年ころのこと。この地点で不調のSGを廃止して電動発電機に載せ替え、電気暖房用の機関車になりました。
上野−黒磯間で主には急行を曳いて活躍。1975年ころまでが華やかな時代で、多くのファンが記録しています。
1975年から退役始まり、1977年に全機廃車へ。7号機が宇都宮で静態保存されています。
この機関車、2019年に一度制作しています。
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3年前なりに最新作、であったのですが。
その後も欠点は気になっておりました。
・足回りの台車枠が脆弱で運用上ストレスでしか無い。
・全長に対して、車体がやや短い。
・前面形状 ややスマート過ぎる。
・旧ヒンジアーム使ったパンタが古い。
ここを改良しました。一度解体してのほぼ全組み直しです。
全長2ポッチ延長。合わせて車体高さも1プレート増やしています。
本線急客機らしい 十分なボリューム感をもたせました。
前面は横組み部のポチスロをタイルに。やや平面的に。
前面扉は窓を小さめに。
足回りは、先行のEF58(別記事)に合わせて大改良。台車枠は1x1-1x1のブラケット使った強度のあるものに。運用上のストレス解消です。
また、台車枠の位置を1プレート上げて、車輪を少し見せ、迫力ある感じに。エアタンクの位置を実物に近いものに。
先台車も1点動作(ボールジョイント1箇所)から、2点動作(ボールジョイント+回転軸)でカーブ追随性を改善。
パンタは近作に合わせたものです。でも、EF57だと効果的ですよね?
デッキにディテールを追加しています。
この角度が、前面の改良がわかりやすいでしょう。
車体高1プレ増しはEF58に合わせてますが、十分正解でした。
サイドビュウ。
「2C+C2」車軸配置の足回りが全長を決めてしまう題材ですが、その枠の中で車体2プレート伸ばして、重量感を増す。
デッキはミニフィグ2人くらい載せられます(笑)。
1975年ころまで乗客の後デッキ乗車も黙認していた!のは有名な話ですよね。一度、乗りたかったなぁ。
前面角度とか。納得なのです。
角度付けは内部でのバーとかクリップです。
足回り上回りのバランスも、そこそこよし。
EF58もそうですが、台車枠の最大寸法が「8幅未満」なので、機関庫やプラットフォームへの接触はありません。
無論、R40走行前提です。この種の機関車がシーサスクロッシング渡るところは美しいですからね!
動力系は、とりあえずPFのまま。2Mです。
力は有り余ってるので、客車が要りますね(笑)。
作品として先に改良終えた、定番のEF58と。
EF57とEF58、東北筋でも共用されてました。
当時のファンは、EF57のスジに58がくるとフィルムの無駄とか言って撮らなかったとか。贅沢な時代です(笑)。
戦前生まれと、戦後生まれ。
それ以上に、総数15両のなかば「特殊」な機関車と、総数172両に及んだ普及型との差異でもありますね。
それだけ、戦後の電化進展は大きく進んだ。東海道・山陽・高崎・東北・信越各線へと……。
その旗手がEF58とEF15なのでありました。
模型的には、EF57も無論大活躍させてあげたいものです。