黎明期の360軽に対して、発展期の360軽。
1970年代前半はパワーやスタイルでも大きく進化のあった時代です。
360ccのエンジンの中で、何処まで馬力をあげられるか。そして豊かになってく中でスタイルも洗練が求められます。
スズキのフロンテクーペと、三菱自のミニカ スキッパーはその時代の代表車でありましょう。
軽のスペシャリティーカーともいわれてました。
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スズキ フロンテクーペ(1971-1976)。ジウジアーロデザインだったそうで。
角ライトのデザインは良いのですが、RRっていうのは今の目で見るとより古く見えます。水冷ですからフロントのグリルはダミーじゃないのですけど。
軽ながら、「ロングノーズ・ショートデッキ」は意識してます(笑)。
レゴ的には、当初タイヤ回転で考えていたものの、フロントグリルとライトケース取り付けでどうしてもスペース足りず、その影響でマッドガードを下げざるを得ず、タイヤ不回転仕様になってしまいました。まぁこの辺の妙な垢抜けなさは360cc時代の軽自動車なのでありましょう。
余談ですがスズキはフロンテで車名通りに前輪駆動を採用したものの、その途中からRRに戻ってしまいました。アルトで再び前輪駆動に回帰してますが。関山の世代的にはRR=レトロな代物……なのですよ(これは偏見もありますが)。
ステアリングの取り付け方法です。
レッグスペースと公式ステアリング(ハンドル)パーツの取り付けの競合は長年の悩みでしたが、意外と簡単にステアリングホイールは分割できます。
で、外したステアリングホイール、クリップに嵌めるだけです。回転しませんけども。
これでステアリング実装諦めることもなく?
テールラインはすっきり美しく。RRらしいグリルも表現できました。
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「小癪にもクーペです」。ミニカ スキッパー(1971-1974)。
そのスタイルは当時のアメリカンマッスルカーを強引に「軽」枠に押し込んじゃったようなもの。
当時は賛否分かれたようですけど、今見ると素直にカッコいいんですよね。
同じくアメリカンスタイルだったホンダのステップバンと並べてみたいもんです?
なお、ミニカスキッパーはスタイル模倣しただけの偽物ではなく、ハイパワーなエンジンの他に豊富な純正オプションという志!も思想として取り込んでると思えるのです。何より、ホンダと並んでFFを実用化したって意味で十分に進んでだったのでしょう(尤も2サイクルですけども)。
というより、いまいちイケてない後発メーカーに過ぎなかった三菱自動車のイメージを変えちゃった一台かも知れませんよ?
タイヤは回転仕様です。この車なら、ホイルアーチとタイヤの間が多少空いてても気にありませんし。
テールはリアゲート下部にも展開してるスクープドウインドウを再現して、かつリアゲート部のルーバー(純正オプション!)を再現してみました。ルーフは昔のプリント入に。華やかな一台に仕上がりました。でも、これでも「どノーマル」の範疇なのも魅力なのですよね。
RRのフロンテクーペと、車種にクーペとつかないものの「クーペ」を意識してたミニカスキッパー。夫々の差異が面白いのです。
それにしても今の660cc軽では「クーペ」って絶滅ですよね……。
まぁ、よりアグレッシヴなオープンスポーツが二車種もある!って考えたほうが前向きではありますけど。
もし製造されてたら、マツダのキャロル・ロータリーも良きライバルになってたか? とか妄想ですよ。
軽シリーズ、これで一度終わり。また増車あるかも知れません。計画はあります。
あと雑談。
360cc系の時代の鉄道界隈って魅力あるんですよね。
旧型電機・旧型国電・旧型客車はむしろ当たり前の日常です。
非電化の軽便鉄道が未だぎりぎり息をしてて、本線の蒸気機関車だって未だ元気。新車の軽自動車で「撮り鉄」のSLマニアだって沢山いたことでしょう。
地方私鉄の車庫は声かけりゃ撮影できて(いや、1990年代までそんな感じでしたけど)、そして半鋼製どころか、木造車の生き残りだって残ってた。で、その脇にいるのは鉄道従業員の通勤用自家用車としての360ccたち。
そんな時代、造ってきたいとも思うのでした。