草軽電気鉄道。軽井沢と草津の間、55kmを結んでいた伝説の軽便鉄道です。
ここが惜しまれるのは、避暑地と温泉場、著名観光地同士を結ぶ絶好の路線であり、国鉄線通した回遊性。そのうえ東急の資本さえ入っていたのに。
その観光資源的価値に全く気が付かれないまま、1960-1962年に廃止されてしまったのでした。
とはいえ。
観光鉄道として再生していても、あの雰囲気は維持できなかったでしょうが。
失われたからこそ、伝説になっているのかも知れません。
主力の電気機関車が有名な珍品。
米ジェフリー社製の、工事用電気機関車。1920年製で中津川発電所の工事用に使われたものが、工事完了で1924年に草軽電鉄に払い下げられたもの。長大路線ゆえ所要両数も多く、13両に及びました。
工事用で重量は僅か11トン。写真で762mmの線路幅と比較しても、はたまた曳いてる客車と比較しても「凄く小さい」のでした。
ただ、この種の機関車として特異な形状というわけではありません。
同種の工事用機関車や、それを転じた黎明期の電気鉄道の記録は他にもありますから(ただ、資料が恐ろしく少ない)。
1両が軽井沢駅までにて保存されています。
ただ、上屋の形状が適切とはいい難いのが難ですね……。
MIZUKI様の作品。
もちろん、動力なしのダミーです。自走させようなんて考えちゃいけません(笑)。
4幅の極小機関車ですが、機関士が乗ってます(笑)。そして、1B1という後付先輪のある車軸配置も再現されてます。
印象的な重力式パンタグラフはキモですから。無論丁寧な再現。
足回りは本体部分を上手くカバーしています。全軸小径軸ですね。
ユーモラスなプロポーション
精細なパンタグラフ。機関士は史実通りに、横向き着席?でしょうか。前照灯が大きめなのは、相対的に機関車をより小さく見せる作戦として機能しておりましょう。
さて。
走行させようとしたらユーレイの動力付き客車が必須でしょうね。
幸いにも草軽電気鉄道の客車は比較的大柄な鋼製客車でしたから、自走動力客車は多少のPF系魔改造で収まりそうです。
いや、ダミーの動力客車は今までは「(軽便客車にしては)大きすぎる車輪」への違和感で避けていたのですが、BBB-XSホイールのお陰で違和感なく実現できそうです。
或いは。
機関車にCADAのPFマイクロモータを搭載。機関車を駆動させて、バッテリや制御基板を客車に搭載するのも有りでしょうか。
展開を想像するのもまた楽しい作品なのでした。
おっと。リアル志向のラージナローという方向性もこの題材には似合うのかもしれません?
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追記:2022 7月14日
mizuki様より、画像を追加でいただきました。
工事用鉱山用の雰囲気でトロッコ曳く姿。
この機関車のむしろ元来の用途であります。草軽でも無蓋車に硫黄載せて運んでたとか言わてますね。
新作の鉱山ジオラマでしょうか?
前後の車輪、ギリギリ、ローラーコースターカーブが曲がれるようです。
この雰囲気、寧ろ明延あたりを思わせるものが……。
明延は間に合わなかったんですが(悔!)ただ、保存車の多い産業軌道ゆえ、いつか訪問したいです。
カーブでは、こんな感じ。
何らかの方法で動かすことできたら、この1B1の車軸配置は実に楽しそうであります。