
<熊谷駅にて。2021年 9月25日>
秩父鉄道は貨物輸送用に今なお多数の電気機関車を擁しています。
実際、平日・土曜の訪問だと、さらっとやってきた列車が貨物……なんてことがあるくらいに貨物輸送量は多い。
これでも随分減ってしまったのですよ……。
今は石灰の原石輸送(ヲキ車)のみですが、数年前まではホキによる石炭。さらに10年くらい前はタキによるセメント製品の輸送があったのですから。30年以上前なら袋詰めセメントの輸送(ワキ・テキ)迄あった。その前は一般貨物まで。
その賑やかさ。ちょっと想像つきませんよね。
現行の電気機関車は100系列と200系列に大別できますけども、200系列の中で最初に作られたデキ200形は「L形軸梁式」という変わった台車を履いています。3両ありましたが既に2両は廃車。残る1両は旅客列車……即ちSL列車パレオエクスプレスの補助用になって久しいです。

デキ201は何度も標準外の塗色になっておりますが、今は東武鉄道の電機を模した黒塗装です。
黒と言ってもゼブラに黄色の手すり。なかなか華やかな姿。
客車よりは寧ろ貨物列車牽かせたいですが……。

件の台車です。L形の梁が向かい合って、2軸で1つの軸バネを共有。
日本どころか、世界でも他に例のない形状(※)は、起動時の軸重変動をなくして牽引力を増すための工夫です。
※:自分の知る限りですが……。
ただし、L形の梁や接合ピン部分は強度上の問題もあり、この形状は3両のみに終わっています。

実物と並んで。
熊谷駅で、パレオエクスプレスの先導をしてきたところ。
みなさんC58に夢中で、珍品デキ200は人だかりもなく(笑)。こうして撮影ができました。



作品は、この種の私鉄電機の雛形意識しています。
箱型デッキ付、3面折妻……という形状は「割とどこにでも居る」ものでしたから。秩父以外に三岐、大井川で現役。
嘗ては東武、相鉄、小田急、神戸電鉄や近鉄にも仲間が居ました。松尾鉱業のは秩父に転籍してますよね。
意外なところで、国鉄の交流試作機群……ED44やED45もこの仲間なのです。
この作では、個性的な台車を頑張ってみました。それらしく見えていればよいのですが。
手すりとステップは無理せずシンプルめな表現です。煩いのも何ですから。
ゼブラと赤い標識円盤は良いアクセント。真っ黒だけど、地味じゃないんですよね。
でも、個人的は標準色の青に白帯が好き。そっちも造ってみたいですね。
動力はPFの2Mで考えましたが、台車同士が接触してしまうことと、この手の機関車に大馬力は必要ないので、PUの1Mにして片方の台車は非動力ダミーに。

三峰口にて。
さくりん様のパレオエクスプレスと合わせて。
時折、電機牽引の臨時客車列車も運行されてたりしますよね。
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2022年7月15日追記。

2021年9月のお披露目から休車でしたが、久々に復活させました。
実はこのときがはじめての動力走行でもあります。

ワムとワフ、小規模な貨物列車もまた似合います。
理想は、大量のヲキの牽引でしょうけども。さてどうやって作りますか(苦笑)。

ぬぬつき様の、戦前型凸型電機と。
あちらのタイプも手許に欲しいものです(笑)。