いや。題材のマニアックさと渋さに驚かされされたものでありましたよ!
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さて。
ソビエトの神秘、とも言われたソ連国鉄ER200(ЭР200)形高速電車。
神秘というのは、1974年に1編成が落成するも……いつまでも営業運転に入れず。
ようやく1984年に営業入りするも、モスクワとレニングラード(当時)を週に1度往復するだけ。1日1便じゃないんですよ?
最高速度は200km/hと言われます。ワンオフの、量産考慮しない車輛としてはそれほど高速でもありません。
それでさえ、手を焼いていた……というのが、当時のソビエトの実態であったのでしょう。神秘なのか、幻想なのか……?
なお、同じ時代のソ連に高速列車がなかったわけではありません。チェコスロバキアのシュコダ社の製造したChs200(Ус200)形電機は1970年代に導入され、こちらは最高速度200km/hで連日の運用に入っていましたから。
ER200は1988年に2編成目が。また1990年に先頭車のみが増備されています。
しかし、週1便のみの運用は変わらず。2009年2月には引退してしまったのでした。2009年の末にはドイツ製のサプサン(ICE-3)が運用に入り、今に至っているのですが……。
思えばER200自体が今は独立したラトビアのリガ製でしたし。また優秀な機関車など造るハリコフ工場はウクライナにあります。
また、属国のように扱ってた東欧諸国……チェコや東独。
そんなところに支えてもらえないと維持できなかった技術体系だったのではないかという疑惑。今になると出てきてしまうのです。
作品の紹介に参りましょう。
前頭部の形状表現はかなり直線的に再解釈されるも、十分に雰囲気は伝わってきます。理想を申せば、下半分は後退角を大きく取れる丸部品乃至スロープで。上半分は真ん中の灰色の部分を1ブロックほど前進させると彫りの深い顔にできるかも知れません。
オレンジの警戒色は営業運転開始後のものですが。この作品では彩り添えてますね。側面は順組。ここは横組化できるとより良くなりますかも?
グリルブロックが手に入るのであれば、車体側面のリブ表現もありかもしれませんね。
口出しが多めで恐縮です。
でも、それだけこの題材が好きなのですよ(笑)。本物はサンクトペテルブルクで拝んでおりますし。
野外撮影。あぁ素晴らしき。
冬の乾いた空気が、彼の地を思わせます。右手のコンクリアーチもそれっぽい。
冬と雪。まさにあちらのイメージであります。
ただ、モスクワやレニングラード(サンクトペテルブルク)でどれくらい積雪があるのか定かではありませんが。露骨な耐雪や耐寒装備は見当たらないんですよねER200。
……。
こちらは、ER200の後継として2000年に試作(6連が1本)されたES250→VSM250(ВСМ250)。Сокол(ソコル)とも。
(余談:Wikipediaの記述は中文版が詳しいですよ。オススメ!)
形式名通り250km/hの最高速を目指したものでしたが、多くの問題が解決できずに2002年にプロジェクト打ち切りになったものでした。
なんというか。このあたりが、あの国の限界であったのでしょう。
そして、西側部品の供給が途絶えるであろうサプサンも、いつまで運行を維持できるのでしょうか。
いや、また自由にこの辺りの題材扱える日々に戻って欲しいのです。