嘗ては国鉄最強の電機であったEF66は、多くの方が手掛けている題材です。
難易度としてはかなり難しい……のですが、それが故に製作者の個性や、またどこを優先するか……が顕れてきます。
でも、どなたの作品もEF66に見えるのですよね。
それだけ、キャラクターが鮮烈な機関車なのでしょう。
また。1967年(EF90)から、2022年の今なお。
貨物列車も寝台特急も。
時代も使える幅も広い機関車です。
(尤も運用区間は東京−下関に限られるのですが)
薬師山様の作品は、ディフォルメ感とかっちり感。
前頭部は斜め固定などはせず、スロープの斜面・ウエッジプレートだけで構成しているのですね。見た目の安心感、そして王道感であります。
フロントグラスは2x2x6キャノピーという割り切りですが、実物の大窓感が強調され、ピラーの無理のない表現もあるのだ! と主張されるかのようです。
屋根スロープはそのまま庇になっています。
前頭部なおくっくりと。
あの複雑な形状が、ブロック元来の形状で表現される面白さ!
ライトケースの位置を下寄せにしているのも芸が細かいですね。バランスを落ち着いたものにしています。
この方向のカプラーはダミーの割切。それゆえ、ホース類の表現が印象的です。5方面ブロックをそのままごっつい密自連空気管付きに見立てるのも巧いのです。
余談ですが、ナンバープレートの下のポチスロをちょっと修正したらヘッドマーク取り付けも可能になりそうですね。貨物列車でも何らかのアピールのためにヘッドマークステイは活用されていたこと思い出します。
サイドと足回り。
上半部の絞り込みはないのですが、しかし1プレート下げるだけで実車のスマートさも伝わってきます。
走行性能とか安定性・強度優先で足回りは敢えて6x28のトレインプレートだそうですが、鈍重な感じ・はたまた馬面な感じにはならない絶妙な調整です。車体裾の長さは寧ろEF66が目指すところの欧州的な雰囲気にも通じるような気がします。
屋上機器は必要にして最小限。でも平滑仕上げの屋根。精細かつ小柄なPS23にはやられたなあと。パンタの摺板の色変えも芸が細かいのですね。
さらっと、凄い。
薬師山様らしさのあふれる作品なのです。
コンテナ車。コキ5500形。
国鉄で最初に量産されたコンテナ車です。活躍は案外長く、JR貨物でも結構重用されていました。EF66との組み合わせもあったはずです。
乗ってるコンテナは、お馴染みセリアのブリキコンテナです。
コンテナ自体が軽量だからこそ、この梯子状の車体構造が無理なくできるようになったのですよね。旧規格5トンコンテナx3ですが、レゴ的ディフォルメスケールなら立派に「コキ」に見えるのです。全長は30ポッチですし。
空荷状態。梯子状の車体がコンテナ車の見せ場?でもあります。
ガチにブロックでコンテナ造っちゃうと再現できなかったりしますが、良い時代? になったものです。
側面までスケルトンなのはちょっとやり過ぎ?かもしれませんが、ここをL形パネルで埋めてあげたら、コンテナ車らしい車体になりそうですね。
関連して。ヨ5000形。特急仕様。
コンテナの色に合わせた車掌車は有名なものでした。専任は1960年代後半には解かれてるはずですが、1978年頃までは緑のまま残った個体もあったそうです。
なお、緑は初期には薄緑色。1964年ころには黄緑に改められているようです。
今のパーツ事情的に作りやすいのは前者でしょうか。
この作品。横長な窓が明朗でいいですね。黒い表記も良いアクセントです。そして「たから」のテールマーク。
貨車のチャンピオンでありました。
しかし、1965年ころから10000系という更に凄いのが顕れ、その座を追われてゆきます。
ヨ5000自体は、大部分は黒塗りでした。
一般的なヨ5000も一家に1両欲しくなる貨車ではありませんか?
コキとつなぐとこんな感じです。
セリアのコンテナと合わせても色味の違和感はないですね。
EF66と合わせての紹介でしたが、このコキとかヨは寧ろ、先に制作されたEH10に合わせものでありましょう。
(D51辺りの蒸機だって似合っちゃうんですよね。実は!)
EF66だと、1968年ころの10000系貨車。貨車のエリート。
1970年代から90年代の量産車にして汎用車。50000系。
いや、コキ100系以降の現代的な貨車は今なおもEF66に曳かれていたり。
あぁ、この辺はコンテナ選びも含めて楽しそうであります。
問題は、セリアのコンテナがどこまで安定供給されるかでしょうね。今のうちに買いだめしといたほうがいいのかも知れません。