先方の記事です
https://ameblo.jp/ainchan2019/entry-12615350178.html
国鉄の客車の重量記号。カマスホナホコ……の中で「カ」(格別に大きい)を名乗る車輛は多くはありません。
多くの方が思いつくところで、ブルートレインの電源車で有りましょう。「カニ」「カヤ」が居りましたよね。
さて、20系固定編成客車以前にも「カニ」は存在しました。
最終的にはカニ29形となったカニ37(カニ39500・カニ39550)の一群で、昭和初期の20m・ダブルルーフ・三軸ボギーの三要素揃った、如何にもな重量級の荷物車たち。特急・急行への併結用として合計11両。また戦後に寝台車からの改造で3両が追加されています。
http://www.jnrsite.net/PC/yuni/htm/nimotu3.htm
詳細こちら。

それとは別に生まれたのが、カニ38形。
三軸ボギーの寝台車の台枠・台車を流用して1959年に1両が大井工場で製造されたもの。側面総開きのシャッター式荷物車。将来のパレット荷役を意識した試作車というよりは、20系電源車(マヤ20)で使ったシャッターで荷物車1両を造って見たかった……という意図を感じます。
ともあれ、ユニークな形状でした。
また、開口部が大きいので美術品輸送にも多用されたとも言われます。1両のみの特殊車は寧ろ便利屋的な使い方もされ、山陰方面の水産物輸送に使われたという話も。水産物が「蟹」だったかどうかは定かではありませんが(笑)。
パレット荷役は1968年には本格的に開始。
その際には、従来の荷物車と同スタイルのマニ37形と、また貨車(ワキ)スタイルのスニ40が導入され、カニ38のスタイルは量産には至りませんでした。
カニ38も1969年には救援車スエ38に転用されてしまいました。1981年に廃車。
なお、スエ38形には 先のダブルルーフ車カニ29を改造したものもあります。

さて。アイン様の作品です。
全長が26ポッチというアレンジですから、3軸ボギーは割愛し、2軸ボギー車です。それでも違和感はありません。
肝心のシャッターはタイルによる表現。注目したいのはブラケットによる隙間埋めをきちんと行ってることでしょう。丁寧な!
カーブブロック使うことでの深め屋根表現も、カニ38の独自性です。あの車、屋根カーブが特異なんですよね。
車掌室側の窓とかも嬉しいところです。

旧型電機牽引の客車列車への併結。
一番、絵になる情景です。

青い荷物車を隣に。
マニ50とは時代は離れますが、荷物車・郵便車が連なってるのは楽しい、そして懐かしい情景であります。
昔の急行列車に、こうした車は欠かせないのですよ。
小荷物や郵便運ぶのも、大事な使命だったのです。
(もっとも、急行荷物列車に分離されだしたのが、1968年ころですけども)

ホームに佇む異様な雰囲気。
これもまた、荷物車の時代の光景でありました。
カニ38は1形式1両でありましたが、天賞堂?の16番の模型は相当作られたようです(笑)。なので、模型ファンの間ではメジャーな形式でありました。
自分も1両ほしいなと思う車です。
1959−1967年位のあいだでの、「銀河」「大和」「出雲」あたりへの併結が似合いそうであり、遊んでみたく。
構内の隅に転がしといて、救援車としても趣深く。