先に断っておきますと。
1910−20年代。英国は、電気機関車では寧ろ後進国。
まず、本国での鉄道電化は進みませんでしたから。
あの時代に優れた電気機関車を産み出していたのはアメリカ。ついでスイス、ドイツといったところ。
(ついでに申せばフランスやイタリアにも独自の技術はありました。日本には終ぞ無縁でしたけども)
然し、政治的な事情とも言われますが。
日本はあの時代に輸入した電気機関車の多くは英国製でありました。
貨物用のED13 2両。
旅客列車用のED50 17両(あぁ最大勢力!)
ED50とほぼ同型のED52 6両。
大型のEF50。6両
そして、このED51形です。3両。
ED51の制作経緯は、ED52形になるはずだった3両が荷揚げ中に関東大震災で水没。その修理で形状が変わったとか言われておりますが。ED52とは一致する箇所が全くありません。完全に代替新造されたものでありましょうね。
(幻の、水没前のメーカー写真とか英国に残ってないものかしら?)
この英国製のD形機……ED50・ED51・ED52は1930年代から1950年代にはすべて貨物用のED17やED18形に改造されています。
案外長持ちして、退役は1970−1972年ころでありました。
ED50由来のED17・ED18には保存機ありますが、ED51由来の現存がないのは惜しまれます。
ED51形は、一歩間違えば不格好とも取れる左右非対称の顔と、左右サイドの異なる側面という不思議な形状です。
他の仲間達はみな左右も前後も対象形状なのですよね。
尤も、私鉄向けの小型機では左右非対称形状が多いのは知られるところです。
ひろどり様の作品。この顔立ちの細かい寸法取りを配慮。横組み駆使のなかなか好ましい表現です。
小窓の表現も嬉しい。
無論、左右の側面のつくり分け行っています。
こちらのサイド、窓もベンチレータも少ないのです。ちょっと無愛想ですね。
足回りはB+Bを 1B1として解釈して、寸法上の整合性を保たせています。先のED19(ED53)と同表現です。この表現だとエアタンクに無理がありません。
台車枠表現はあっさりしています。ここは好みは分かれるところかも。
(狭軌の機関車で、あんまり足回りが出っ張るのも違和感ありますから)
屋根上は、パンタグラフの横向き碍子が好ましいです。
動力系はPUトレインモータx1。このクラスなら十分なパワー。
拙作の瑞西機ED54と。東京機関区の片隅で……という感じでしょうか。
ED54も前面は左右非対称ですが、方向性は違うものですよね。
港を背景に。
ED53も揃って。左から瑞・英・米・米。
2月14日(2022年)の運転会でしたが、古典電機がここまで揃うのも爽快です。
惜しむらくは、拙作のEF50を持ってこなかったこと(笑)。
鱒寿司氏の、英国系貨車が似合います。
ED17の24・26号機としては1970年まで横須賀線で生き延びておりましたから、意外と合わせられる貨車の年代は広い!
また、113系のスカ色とか、アメリカ生まれのDD12とか(あぁ。DD12持ってくりゃよかった!)
はたまた東急車輛絡みの甲種とかで合わせられる組み合わせも豊富?
楽しめる幅は広そうなのですよね。
それでも。一番様になるのは全盛期。
大正末から昭和初期の姿でありましょう。ED53との重連で東海道線の?普通列車か。凄く似合うのでした。