
タイトル通りの理由で、非常に有名な車です
1960年に試作車KDD-60が1台。
そして、1961年に量産車KDD-1が8台製造されました。
日野のエンジン・シャーシに、ビスタカー同様の近畿車輛が車体製造したもの。
限りなく一品モノに近い、特注車的……コーチビルダー文化の中で生まれた感があるのですよね。
用途は観光バスではなく、上本町ー石切神社間や梅田−奈良などの中距離路線用です。
従って豪華さよりも座席定員確保を優先した、独特のアコモデーションでありました。
https://ameblo.jp/porsche356a911s/entry-11337043113.html
こちらが、かなり詳しいです。図面あり!
座席配置は、謎が多いです。かなりの詰込仕様であったことは窺えますが。
このビスタコーチ。広く話題になったものの、それ以上の増備もなく。
また1960年代のうちに引退したようです。特に試作車の引退は早かった?
薄命に終わったと言う意味で、ビスタカーの初代と二代目。10000形と10100系に通じる、儚さ。
余談ですが。
電車のダブルデッカーは、近鉄離れて寧ろJRの近郊グリーン車で大量生産され、今は珍しいものでは無くなってしまいました。
また、バスもエアロキングが当初は目玉観光車として開発されるも、定員上のメリットから長距離路線用に需要がシフト。三菱の撤退で終焉かと思いきや輸入車の新規導入で、JR系バス事業者では主力車になっています。
二階建てが珍しくない時代ですが。
だからこそ、黎明期の試み振り返る意義は有りましょう。と。

ビスタコーチ KDD-60。長年 計画温めていたものです。
5幅の二階バスとして、ユーハチ様のアストロメガ(スカニア・バンホール)が衝撃的でしたので、制作決定した感(笑)。
構造的に無理の多い車ですので、堅牢さ優先で無理は避けています。
(先に東急バス江ノ島線用車を造ったのは、この予行練習的意味合いも有りましたよ?)
前面や二階の窓表現は無難なキャノピー。
側面は横組多用ながら、柱を多めで安心感あるものに。
一方で気を配ったのは、鈍重な印象にならないようすること。
ナローなトレッドもそうですし、1階低床部の車体裾はレールプレート処理で。また、二階窓の上下にはリブが見えるので、それをダークタンで色差表現してメリハリに。
おかげで、そこそこ軽快な印象に?

さて。
見てわかる通り、後世の二階バスとことなり、ホイールベース間のみを二階にした造りなのです。今のノンステバスの低床部の上に二階を載せた造りといってよいのか?
逆にいえば、ビスタコーチの階下室は「ノンステ」なのでした。その意味でも画期的な車だったのですね。

非公式側。
試作車の屋根の後部処理、凄いですよね。
幾つか方法迷ったものの、スロープブロックという王道に落ち着きましたというか手許にあってよかった感です。
ここも車体幅だと鈍重に見える懸念ゆえ、4幅に絞ってます。
非常口は標準床部と、階下室に1箇所づつ。


サイドビュウ。

屋根は平易に取り外しできます。
見た目よりは強度あるんですよ?

インテリア、ミニフィグが運転士の他、乗客6名乗車対応です。前部1・階上2・階下1・後部2。
シートは簡素ですが、まぁ実物もそういう車のようですから。

階上席床板も簡単に外せます。

断面図、好きな方に。
階下室は半分寝た姿勢じゃないと乗れませんが、他は普通に?座れます。

システム展開図、好きな方に?

裏面。階下室床面は絞り込み形状と、色を黒にすることでボリューム下げて見せる処理しています。タイヤは普通に順組ですね。
このあたり、無理のない5幅バスの作りです。
この応用で普通のバスやら、他のダブルデッカーへの応用も考えられます。

このKDD-60は一品モノですが。
しかして、この作品は礎になってほしいと。
バスの面白さ。伝わると幸いです。