先方の記事
https://ameblo.jp/ainchan2019/entry-12733501931.html

北陸鉄道 ED30。ちょっと変わった私鉄電機です。
1954年に東洋工機で製造。この時代の同社は私鉄向けの、デッキ付のBB箱型電機をそこそこ量産しておりました。三岐とか、相鉄とか向けに。三岐のは現役です。
しかし、それらとは全く違うスタイルなのが北陸鉄道のED30。無論1形式1両。
片方によった前面扉。全体に簡素なデザイン。
極めつけは台車で。なんと電気式気動車キハニ36450の台車を再利用したのだとか。あの車は片方三軸・片方ニ軸台車でしたが、そのニ軸台車の方を2両分です。
モータは電車用で見かけの割に非力。
まぁ、これは他の私鉄電機もそんなものですよね……。
北陸鉄道石川線の、ダム工事の資材輸送に活躍した後は、1976年に同線の貨物廃止で除雪専用機に。頑丈な枠を付けてラッセルヘッド装着。
その後も温存され、1994年には台車と電装品を西武のお古に更新。キハニ36450由来の台車は喪われてしまいました。
2010年に廃車されていますが、若櫻鉄道の隼駅に保存されているようです。

アイン様の作品。
スタイルも性能も、電車と電機の間の子という感じでしょうか。
そういう車両は北陸鉄道には過去にゴロゴロ(!)していたので、その文脈の車でもあります?
特徴的な車体は余すこと無く。
除雪用としてユニークな旋回窓が特徴ですが、これはφ2レーダーディシュのクリアを前面窓に固定することで実現しています。除雪車両・極寒地向けの車両やら船舶で活かせるアイディアで有りましょう。
前面の微妙な折れ角は割愛ですが。しかし前面扉部分はハンドル付きタイル横組にすることで、その角度表現の暗喩にしています。あの部品はもっと使いこなされるべきですよね。
白い手すりは良いアクセントです。縦棒も省略無いのが嬉しい。
そして繊細な屋上表現。
半埋め込みのライトは「なるほど」!ですよ。

サイドビュウ。全長は小ぶりになるよう苦心されたとのこと。全長は10m余の小さな機関車ですから。
側面の窓は横組みで、雰囲気絶妙に伝えています。
台車は小ぶりで、この種の私鉄電機らしい雰囲気です。キハニ由来か、西武由来か特定できない仕様ではありますけども……。
なお、動力は割愛のダミーです。構内で待機してるイメージが強い除雪機関車なので、この割り切りもありでしょう。

比較的近い時代の ED45 21号機と。

隼駅での保存をイメージして。JR四国から来た客車とセットされているようですね。
ユニークな私鉄機関車。末永く残されてほしいものです。
また、北陸鉄道の車両シリーズにも期待しております。
石川線(石川総線)は、赤とクリームのツートンカラーの旧型電車が走り回ってた時代。もありますし、東急7000系の中古車に統一された時代も。どちらでもED30は似合います!
そして。他の、より怪しげな電動貨車や凸型電機なども今はネットで史料も見つかりますね。北陸鉄道という沼、ようこそです(笑)。