DB、OeBB、SBBとメジャーどころから始まって、どんどん東欧方面にも手を広げているのが興味深いです。
実際。冷戦終結後は(あれ、悪いの全部ソ連だよね……!)、東西の距離が縮まり、直通や混結も増えていった感です。
一方で、客車自体は「西側化」されている感じですよね。
幾つか東欧系客車も造られつつある中で。
爽やかだけど、難しい奴も立ちはだかるのです。

ハンガリー国鉄の新塗装客車だそうです。
とても爽やか、あのあたりの文化圏で好まれる青系です。斜めのラインと、帯の組み合わせ。
ええっと。レゴで作るの拒むデザインじゃないですか!
でも、これをmazta-k様は設計されてきました。最初、冗談化かと思いましたよ!

でも、冗談ではありませんでした。
大量のミディアムアズールの細かいパーツを前に、実制作にかかられている様子です。

ほぼ、完成。
斜めのラインはすべてポチスロの合わせで処理。
そして、窓上には半プレート厚の細い白ラインまで!
車体構体は、ほぼ全て横組です。6ブロック分!
強度が不安にもなるのですが、幸いにもトレインプレートが使えるのでした。これだけで強度が確保できて、軽いのはありがたいですよね。

内部構造。インテリアどころではありません。
バーとクリップが多用されています。窓上の半プレ厚の白ラインも凄いことになってます。ただ、ブラケット使うことで強度保持部材にもなってるのですね?

やはり、凄いことになっています。

2等車。完成……!
流石に、美しいです。そして細密です。
よく見ると、窓下も0,5プレート厚の部分をブラケットで埋めているのですね(驚!)。
客車自体も、3幅分の横組み窓が今の欧州客車らしい感じがします。公式の3x3窓は今のところカラバリ少ないのが残念なんですよね。あれ、横組にしたらちょうどmazta-kさんのスケールの客車にピッタリと思うのですが。
閑話休題。
ここまでパーツ細かいと重量がものすごいことになってしまうのだとか。
大パワーの動力車で押し切る力技……でしょうか。

さて。驚きの2両目です。何になるのでしょうか?

! 食堂車のようですね? 窓配置が特殊です。

2両目の完成。食堂車。
フォークとナイフのマークが左方にあります。よくぞ、再現されたなぁ……と。

2等車と食堂車。この細密客車が並ぶとなかなか壮観?ですね。
重量ばかりは致し方ないところでしょうか。
ガッチリ固定されているようなので、そこは心配もなさそうですけども。

こちらはハンガリー国鉄の旧塗装客車と。
旧塗装はシンプルでありますね。くすんだ青とのことで、わざわざ日焼けした青の部品を選定して使うという、別のこだわりのある作品でもあります。
しばらくは、混結も見られるのでしょうね。

おまけで恐縮ですが。
このハンガリー国鉄の客車以前の、果敢な挑戦が。このロシア鉄道パターンです。
キリル文字での「RZD」のロゴが、全客車に入るという凄いデザインで。
いや、初めて現地で見たときには(2009年)、まさかこんな面倒な塗分に統一するわけないだろ……とか思ってましたけど、今はほぼ全客車がこのスキームなのだとか。
ロゴとか、どう塗ってるんでしょうね?

で、mazta-k様の作品も、凄く驚いたのです。
窓に掛かる、いや屋根にまで掛かるRZDのロゴ。車端部には斜めラインまで。
これを再現してきました。すごい存在感です。

反対サイド。客車としてはかなり最近の形のようです。
いかにもなソ連的な客車が刷新される中の、ドイツ系(ジーメンス?)のメーカーに依るもののようですね。
こうした客車は、車内も近代的です。

解説。mazta-k様。

編成のイメージ。これはモスクワ〜パリ・モスクワ〜ニース間の直通列車想定の編成だとか。
左端は特別寝台車。ポーランドの食堂車が編成に挟まります。
こんな列車が、少なくとも2020年ころまでは直通していたようなのですが。
(尤も、特別寝台車。必要だった理由が今になって見えてくるのはなんだかなぁ……でありますが)

解説。mazta-k様。

こちらはスロバキア国鉄の寝台車。
「W」の大きなロゴが特徴です。銀色なのを、あえてクリアでキラキラ表現が大胆で、そして効果的ですね。
窓まわりなども、大変に近代的な感じです。
欧州の鉄道事情。まだいろいろ激変はあるのでしょうけども。しかし西の方で夜行列車・長距離列車が再興しつつあること。中欧東欧ではなおも客車列車こそが主役であること……。
希望の持てる状況は、未だ続きそうであります。

解説。mazta-k様。