それだけの驚きがあります。

「リゾートエクスプレスゆう」は バブル期 1991年に485系から改造されたもの。
改造と言っても、他のJR東の電車ジョイフルトレイン同様に車体新造行っています。
類例するものなき、流麗な前頭形状。そして、なによりも圧巻は「ドーム&ディスコカー」。
ドーム部分は近鉄10000形よろしく大胆に屋根上に飛び出す。
平屋部分はミラーボールも備えた本格的なディスコ! 「相当に好きな方が企画に携わったのでは」とか?
改造当初は、欧風列車の一つとしてリクライニングシート中心の座席配置でした。しかし利用者にはウケが今ひとつだったようで、早くも1998年にはお座敷車に再改造。でも、ドームとディスコはそのまま残置されています。
コンセプトは破綻してるようで。
でも、和風ディスコはそれはそれで楽しそうでありますよね?
幾つか掛けてみたい曲思いつきませんか? 吉幾三「俺ら東京さ行ぐだ」に 偽物語OP「白金ディスコ」あたり?
幸いにも再改造後は長く活躍続け、2018年に退役しています。
あぁ、乗ってみたかったなぁ。
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ユーハチ様の作品、検討段階から追ってみましょう。

前頭部の検討です。大きめのキャノピを使い、ピラーは内側に表現する案。
スロープパーツの積分的案。
流麗さの表現にはやや難があり、ボツに。

先頭車。件のキャノピ案。外側にピラー貼付け。
雰囲気決して悪くは無いので、他題材に転用しても良いのかもしれません。
さて。
この題材で困惑するのは前頭よりも寧ろ、薄紫の塗装でありましょう……。さて、レゴでどうするか。
ユーハチ様は、迷うこと無く、ブライトピンクに一発で。
これは正解でしたね。意外な選択ですが、しかしベストマッチです。また、供給がそこそこ潤沢なのもメリットです。

キャノピは半月型を3段重ねする方向にチェンジ。
これは最高にスマートな感じです。
側面も検討の跡が窺えます。
横組の側窓、縁表現はやめています。窓を大きく見せるか、あるいはすっきり感を優先するか、難しいところです。

この地点での、編成図。
ほぼ、完成のようです。

別図。
先頭車の前頭部、上部分は半月型キャノピ3段重ねで落着いてるものの。
下半分は二種類の検討だったことが窺いしれます。
先の案は、側面とのつながり無視してスムーズさを優先。スムーズ案
こちらの案は、側面のつながり優先の直線的なもの。繋がり案。
さて。どちらがよいのか?

他の図も観てまいりましょう。
先頭車の車内。お座敷仕様です。運転台表現有り。運転台直後のソファが快適そうです。お座敷車には、お茶? 急須の備え付けが芸細ですね。

中間車。こちらは洋風仕様。大きめのリクライニングシートです。
嘗てのスペースシート部品を使って表現しているのですね。十分、バケットシートに見えます。
485系ですから、屋上機器も賑やかです。上手く要点抑えておりましょう。
(交直両用電車のパンタ周り。製作者の個性が出やすいですよね)

中間車。動力車。PU機器搭載。
9V時代ほどではないものの、機器の小型化・集約で内装つくりやすくなったのかもしれません。

そして。ドーム・ディスコ。
床のチェック模様・ドーム部座席のチェック模様まで再現です。
ディスコ部分は階段、カウンター。華やかなライト。見せ場を分かってらっしゃる!
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この作品。CAD上がってきてからの実制作までの期間の短さも衝撃的でした。
1週間ほどで実制作が上がってきたのは驚きましたよ。
でも、制作中の様子からです。


前頭部。
キャノピ三段重ねの取り付け。そのままでは固定できないので、苦心がわかります。

先頭車の構体。
この地点では、前頭部の下半分はスムーズ案だったのですね。

完成車。先頭車。
よくぞ、あの難関題材を……! の驚きに満ちております。
ピラーの外部貼り付けも、実際は上手く溶け込んでいるんですよ。
(取り付け部分の白い丸プレートとクリッププレート、黒とか目立ちにくい色にされてはどうでしょうか?)
側面は丁寧さが顕れてます。横組み窓とちらりと見える内装。ポチスロ使った空調キセが綺麗。
前頭部下半は繋がり案を採用したようです。
ただ、張り出しが足りないので前照灯が飛び出て見えるのが少しゴツく見えてそこだけが残念でしょうか。上手く引き込ませるか、前照灯自体の表現を変えると、スムーズに繋がりそうに思えます。
スカートは、CAD当時よりも「ミニ」ですね。
ロング丈にすると鈍重に見えてしまうので、ここは正解でしょう。
密着連結器と胴受けの表現がいい感じです。
連結器はカバーされてるよりは、露出してる方が寧ろ流線型車両の魅せ場になるのですよね。実用美。

先頭車内装。お座敷仕様です。
座卓に座椅子。CAD通りに急須が備えられ。またカラオケのマイクも。

中間車。二両ともパンタ付きのモロです。
鮮やかなカラーリング、良いものですね。パンタは小ぶりですが、ここは好みも入ってきましょうか。
さり気なく、台車が凝っています。
1幅の1x1−1x1ブラケット使ってボルスタアンカの表現に。コストはかかりますが、美しく・らしい国鉄台車の表現ではありませんか。
台車、大事です。
(自動車ならホイール、飛行機ならエンジンみたいな部分ですよ……!)

中間車内装。この車もお座敷仕様に。
やはり座椅子・座卓。またカラオケマイクもあります。


ドーム・ディスコ。
側面形状の違いも再現です。縦長の窓は鉄道車両としては珍しいものでしたよね。
窓なしの大きな側面も、印象的な部分です。
ご意見申せば。窓なし部分で1x4ブロックの存在感が目立つので、揃えずに互い違いにする。あと、重く見えるように気がするので、ドーム部分は窓を1プレート分下方向に大きくする(大きくする分、黒のプレートかトランスブラックのプレートにするかは難しい問題ですが)のは如何でしょうか?
床下機器表現も良いです。
タンクの取り付け方とか、新灰・新濃灰での表現とか。


そして、車内。
ドームのシートは回転式に。肘掛けが嬉しい!
床面のインパクトは言葉失います。
ディスコ部分。メタリックなカウンターがクール。コスト掛けてますね……!
ジャンプシートが有り。それでもなおかつ二人が踊れる空間があるのが素晴らしい。
社外品のLEDライトなど仕込んでみるのも面白いかもしれません、なるべく派手なやつを(笑)。
すごい作品の、実現です。
実車は引退久しいですが、伝説を語り継ぐ一助になりそうな作品なのでした。
蛇足。「ゆうマニ」も欲しいですよね……?