先にお断りしておきますと、ディスプレイ用のトラムです。
でも、街並みの中に置くという用途を考慮しますと、ディスプレイモデルも正解となりましょう?
なにより、動力を考慮外にすると、悔しいほどスタイルは良くなるのですから!
(低床にしないとみっともない。路面電車の動力は、常に悩ましい問題なのです)
さて。
飽くまで自由形とのことですが、このエレガントな佇まいは、阪堺電気軌道のモ161形という、現役最古の電車を思わせるものが?
いや、もっと古く、更に優雅さを誇っていたモ101形かもしれません。
彫りの深い顔。明確にダブルルーフ。溢れ出る古典感。
参考。
昭和の電車 改訂版(10)ー阪堺電車モ101ー https://t.co/auiQdPbNVg pic.twitter.com/HS3h5BOZ9w
— DRFC-OB デジタル青信号 (@drfc_ob) August 17, 2019
しかし、作者の解釈的には
「クラシックなデザインの中に現代的な設備を詰め込みました」
とのこと。
比較的近年に新製の、レトロデザインのトラムというのは意外と多く走っているものですが(都電・嵐電・熊本市電など)、阪堺がモ101モチーフを行ってくれたら素敵だろうなと思うのでした。
いずれにしろ、良いモチーフを持ってこられたものです。
レトロモダンとして、秀逸なデザインですから!
サイドビュウ。センターの丸窓部分は扉ではなく、装飾窓のようですね。
黒と臙脂に白帯入れたカラーリングは標準色というよりは広告電車でしょうか? レストランの広告タイルが似合うのです。
(そう、広告は控えめのほうが注目を惹くのですよ!)
屋根に目を向けると、ダブルルーフがヌケています。
集電装置はZパンタ。きちんと、今の電車なのです。だからこそ、大きなガラスの側窓や扉との相性も良いのですね。
そして、足下。
小径車輪使ったボギーが、路面電車らしさを強調しているでは有りませんか。
正面。真ん中だけ大きな窓が嬉しい。赤く標識灯(尾灯)が入ってるのも注目ですね。
角度の付け方も好ましいものです。
(自分がモ101を作る際にも参考にしたくなるのですよ!)
エレガントなジャンパプレートは「87580pb002」ですが上手い使い方です。
車内はクロスシートです。観光用として、乗って楽しい。
全クロスシートの市内電車。名鉄の510・520・600など思い出されるところです。
扉は開閉ギミックではないものの、取り外し平易にして昇降中シーンの再現を考慮しています。
この手法は有りでしょうね。開閉ギミックでは大仰でも、これなら出来る場面も多そうです。
そして。
街とあわせて。
主役が街並みであり、電車が正しく脇役であります。
このバランス感、なかなか難しいものであるのですが、この作品は達成してはイないでしょうか。
ミニマムに。停留所とあわせて。
停留所は近代型ですね。
過去と現代を、そして未来へと繋いでいく。素敵な電車であります。