
おもえば、民間機(旅客機)の作品というのは凄く少ないものです。
自分の観測範囲で、年に一つか二つか……と言ったところでしょうか。
そこに現れた、大物であります。
https://twitter.com/YForestYul/status/1502860112830287874
より。
ハンドレページ42(H.P,42)は、1931年から就航した、当時としては大型の陸上旅客機でした。
陸上、としたのは、大型機は飛行艇も多く使われていた時代であったからです。
8機が作られ、英国と欧州各地、また英国と植民地を結びました。
1939年に民間からは引退。軍用に徴用。
……その中で全機が喪われてしまいました。
巨大な複葉機であり、露出した車輪など引退した1939年の地点では旧式であったのでしょう。航空輸送を変えてしまった単葉・金属製の量産機、D3-3の就航が1936年のことでしたから。
それでも、航空旅客輸送初期の優雅さ、壮麗さの記念碑的な機体です。
それ故に某アニメータさんのお気に入りともいわれてますね。「魔女の宅急便」の冒頭、タイトルロゴの浮かび上がるところの飛行機、といえばわかる方も多いと思います。
なお、1931−1939年の間に、旅客死亡事故ゼロであったことも特筆されましょう。
豪華なだけでなく、安全な飛行機でもあったのでした。

優雅で、そして大きな飛行機です。
複葉機としては最大級でしょうか。省略されているとは言えトラス構造が素晴らしい!
4発のレシプロ。エンジンもまた作り込まれています。飛行機造り慣れてる方の作品という感じです。
あの時代の民間機はシルバーペイントが普通ですが、白の解釈です。
銀を白に解釈する作風もありますね。
青のラインと、垂直尾翼の青い舵がまたスタイリッシュ。

ただ、個人的な解釈ですが、近代改修型として戦後まで生き残った機体……なんて想像もしたくなるのです。
戦後ならば、エアラインも白塗装が多くなります。キャノピーや前頭部も合わせて改修されたというのはどんなものでしょうか。
(このあたり、もり様の意図と違ってたら大変申し訳ない解釈ですが)
G-AAXC「ヘラクレス」(Heracles)は1940年に地上衝突で損傷受けて……と言われておりますが、修理受けて活躍できていたら……と想像したくもなるのでした。

舞い上がる。
ランディングギアは実物でも固定です(そういう時代です)。
テクニックのゴツさが、良い雰囲気。
主翼のトラス構造もよくわかります。微調整が可能で、無理なくトラスが作られているのですね。

翼幅。かなり大きく取ってあります。
胴体の絞り込みもエレガント。
タイルとカーブスロープに依る平滑仕上げも、この大きさだと目を引くものです。翼端の丸みも省略せず。
機体番号の書体も見せ所でしょう。

地上姿勢も美しい。
胴体は6幅です。4幅の機首からうまく繋がておられますね。
即窓は飛行機窓横組。あの時代の角窓の雰囲気、出ていましょう。

テールの美しさ。鳥の美しさが尾にあるものなら、飛行機もまた同様?
主翼はさすがにトラスだけで構造維持できないので、支持柱があります。でも、殆どの角度からは目立たないものです。
機体が白なので、支持柱も白で正解でありましょう

作者と。
誇りが、伝わってきます。
さて。
この飛行機は拙作もあります。2020年作品です。
魔女の宅急便 がトレンド入りと聞いてw
— 関山@浦賀☆5月3-4日群馬HMR☆6月11-12日JBF参加 (@houmeisya) March 27, 2020
HP42。魔女宅で有名になった? 複葉旅客機。
あのキキを追い越していて、そしてキキが見上げてるシーンが大好き。 pic.twitter.com/HZSFRW62bh
よく考えたら、また自作品の記事を記していなかったのでした!

自分のは原形のシルバーペイントの設定ですが……。

こうしてみると、ややスケールは小さめですね。
エンジンとか、かなり粗いです。次にお披露目する際はいろいろ手直しもしたくなります。
というか。翼が胴体に対して小さめなので、ちんちくりんな印象が否めず。
この期待に必要な「優雅さ」が足りないという、相当な反省点が……。
失礼ながらも。
記事で並べさせていただくことで、拙作の欠点がいろいろ顕になった感なのです。
(それだけでも、こうして記事にした意義がありました)

G-AAUC。「へカティ」(Hecate)の設定。同機では唯一の女神名でした。
改修経て。もり様の「ヘラクレス」と何時か、並べられる日が来ること、願っております。