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2022年01月16日

【実物鉄道】キンダーブック「きしゃ」(1940)。戦前の日本は遠い異国か、地続きの世界か?

 所有していないものを拾い物の画像で紹介するのは気が引けますが。
 でも語っておきたい記しておきたい。

 でもまぁ、おそらく著作権的には問題ないでしょう。
 法律の条文(○ィ○○ー死ね。氏ねじゃなくて死ね。著作権延長のロビー活動は文化の積極的破壊だよ!)はともかく、
 社会通念的には「権利切れ」でしょう。戦前の絵本です。

 でも、復刻されたら買うでしょうし。
 また売りに出てたら買ってしまいそうです。
 ヤフオク、気がついたあとでした。6000円くらい。競り合ってしまったかも。

 そんな言い訳はともかく。


 検索ワードとしてテキストに起こしておきますね。1940年刊行。

 画 吉澤廉三郎
 文 西崎大三郎

 フレーベル館の「キンダーブック」は1920年創刊。今も続いています。
 (1942-1944年は「ミクニノコドモ」と)
https://www.froebel-kan.co.jp/kinderbook/bn/kagaku.php
 リンク先は同社HPより、科学絵本。この系譜に思えます。


 表紙はC51。端梁が赤塗で。でも自動連結器。
 C51ば当時の汽車の平均的イメージなのでしょうか。

 裏表紙。本文の登場人物の子供たちなのです。時計も見えるので駅での出会いか分かれか?
 「鉄道省検閲済」はきな臭い? まぁ戦後なら、「国鉄監修済」って表現になるような気がします。あるいは「東日本旅客鉄道株式会社許諾済」とか。


 見開きの、C55。
 これもまた、当時の一般的な汽車のイメージなのでしょう。最新型は既にC57だったはずですが、それより一つ前の形と。

 機関車の美しさ、力強さは捉えた絵です。

 それ以上に、頁上段の野山の光景! 美しき、日本。
 手旗や信号機といった小物が嬉しい。

 そして朗読したくなる、詩のような味のある文章です。


 3等車(スハ32?)。この切り取って中身を見せる演出が堪りません。

 客車自体は窓数を半分ほどに減らしたショーティですが、細部が凄くリアルなのです。感じられる雰囲気は当時の鉄道模型……Oゲージのsトーティかもしれませんね。

 リアルとは申しましたが、台車はTR11ですね。TR23ではなくて。
 でも、そういうツッコミは無粋でありましょう。


 やはり、文章は誌の如く。
 読んで聞かせる、もあったのでしょうね。

 上部のカットは警手の居る踏切。ここで待っているのはトラックです。
 
 駅は当時の一般駅。貨物も旅客も両方扱うのが一般駅です。ここにはまだ荷車が。

 小さなカットは土瓶のお茶です。


 夜の汽車。2等座席車と3等寝台車。
 こうした絵本に当時買ってもらえた子どもたちというのは、それなりの家庭であったことでしょうから2等車もおかしくはなさそうです。空気枕の貸し出し、一般的だったのでしょうか。

 3等寝台(スハネ30?)は当時もっとも快適だった車です。
 
 上段カットは夜の汽車。
 そして夜の駅。広がる線路に駅長さんの敬礼。細かいカットが泣かせますね。


 そして。朝へ。
 食堂車は当時最新のマシ38形です。広窓で、明るい内装色。
 台車が2軸ボギーなのが残念……! ですが、広窓3つのショーティのバランスは楽しいものですね。

 これまでの絵もそうですが、お客さんがみな子供たちであるのに注目です。
 食堂車ではコックさんやボーイさん、ウエイトレスさんが甲斐甲斐しく働かれている。この絵本の理想であろう、子供を大事にする、子供に優しい世界……が描かれているのが嬉しくなるのですよ。

 流石に、食堂車利用するようなお子さんたちはお行儀が良いのですね。
 こういう理想主義もまた良きものであります。


 頁変わって。郵便車。活魚車が隣り合ってるのはご愛嬌ですが、後者は当時の国鉄の自慢の車であったのでしょう。映画の記録とかもありますよね。

 郵便車の仕事は絵本にすると見栄えが良いものですよね。仕分けと捺印。
 
 上のカットは投函、自転車で回収、自動車で輸送、そして鉄道への積み込みが描かれています。

 活魚車はナ1かナ10か。
 かなり正確な描写と思われます。広報資料かなにかあったのでしょうね。

 水タンク・シャワー・空気ボンベ・ポンプ。床下の車輪には駆動装置も見えます。


 ここからは貨物列車。豚積車。有蓋車に依る馬匹輸送。そして家禽車。

 先の活魚車もそうですが、こうした「生き物」を運ぶ車にはつきそいの人間もまた必要であったことが描かれています。振動とか匂いとか、相当な重労働であったことでしょう……。夏暑く。冬は寒く(暖房もない)、

 お馬さんは「出征軍馬」なのですね。そういう時代を感じさせられて、重い。上のカットで駆け巡る様が描かれてるだけに、重い。

 豚や家鴨の世話、輸送。
 そして逃げ出した家鴨が可愛い。

 荷物車で運ばれるであろうわんこはおとなしそうな子ですね。

(余談:描かれていませんが。いわゆる家畜車は馬ではなく、牛を運ぶ車でした)


 タサ1形。19-20噸積の石油類・ガソリン用タンク車。3軸貨車。大正時代に当時最大のタンク車として150両ほどつくられたもの。1968年までに引退。

 タンク車は珍しいのか「茶壺みたいな鉄の筒」って表現です。
「タサの印はなんでしょう。油がたっぷり20トン」
 って説明してくれているのが嬉しいですね。

 そして上段のカットには、そのガソリンを用いるものたち。
 飛行機、バス、サイドカー(軍用です)、オートバイが描かれる。


 次のページが。
 「後に続いたホロかぶり。車が車を載せている。大事な車が載っている。ホロを被って寝んねして。あのあの車は何ぐるま 云ってはならないホロかぶり」

 装甲車の輸送です。
 現在の模型とかイラストで軍用車運ぶ際はどうしてもホロは無視してしまうのですが(笑)、機密というよりは品質保持の観点でもホロはかかってる方が自然なのですよね。イラストでは様にならず、模型では面倒ですけども。

 上の絵は。この大事な車の、向かう先であります……。


 最後を飾るのは一等展望車です。マイテ49でしょうか? 台車はきちんとTR73っぽい。

 身近なものではなくとも、憧れの存在ではあったのでしょうね。

 読み取れないですが、解説があります。



 全体の印象です。
 1940年。まだ明るさの残る時代で、児童向けにこんな素晴らしい色刷りの絵本が出版されつつ。
 でも、歴史年表で語られる破滅への行程も見えてくる。複雑な気分です。
 
 まぁ、「ミクニノコドモ」に改題されてからも色刷りは続いているようなので、当時の世相や印刷事情などもわからなくなってくるのですが。
 

 嗚呼。戦前の日本は遠い異国なのか?
 はたまた、我々の地続きのところなのか……?

 この絵本が考えさせてくれることは大きなものでありましょう。

 まだ、かろうじて残っている戦前生まれの車両に接する気分であったり、ビィンテージのOゲージ鉄道模型などに触れる際の心構えとかは変わってきそうです。
 
 多くの方に、伝わりますように。
 


posted by 関山 at 23:59| Comment(0) | 実物鉄道 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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