宇部興産専用道路は1972年から使用される、日本最長の「私道」。
セメント工場間を結ぶ、30kmに及ぶ4車線の道路と、そこに運用されるダブルストレーラーは有名な存在です。
法規制の対象外ですからとにかく大きい。全長30m。120噸。
トレーラーはホッパ形でセメントクリンカを輸送するもの。
10年ほどで更新されるトラクター・トレーラーの車種は歴代で多種に渡ります。
現行車種ではケンワースのボンネット、キャブオーバーではボルボ、スカニア。国産車ではいすゞも使われています。
sakurai様の作品は、いすゞの再現のようです。
6分割のグリルが鮮烈な印象です。直線的なラインと曲線の組み合わせで、巧く今のトラックの顔にたどり着いているのですね。
そして、皆を驚かせたのは「宇部ブルー」の再現でありましょう。
レゴのミデイアムアズールは近年供給も増えてきたといえ、このサイズの大型作品に使われるとインパクト十分です。
ロゴ表現も素晴らしい。6幅車のサイズに収まってしまうのですね。
トレーラーは、前半分がセミトレーラー。
そこにフルトレーラーを増結したもの。
作品では、エアシリンダなどの装置。積込口。歩み板といったディテールがすべて宇部ブルーで揃っています。
ホッパ側面の丸みは割愛されておりますけども(そうでもしないとロゴが困難に)、1x4プレートの補強でそれらしく見せ、平板さを逃れているのですね。
トラクター・トレーラー・トレーラーのケーブル類の連結も印象的です。
アップで。
タイヤは余り見かけない部品ですが、この題材にはベストチョイスでありましょう。
11209を50945の上に重ねているのでしょうか?
トレーラー同士の連結部。
トラクターとの連結部。今のトラックらしい排気筒が精密です。回転灯は穴あき丸プレートに差し込みで、サイズ感出しています。
トレーラーは二台ともセミトレーラ仕様にも出来るようですね。
左は回送風景の再現か。
エヴァンゲリオンを背景に。
宇部の名物であります。庵野監督の描かれる大規模な輸送作戦……の原点のひとつなのかも知れないですね。
野外撮影写真は、宇部興産専用道路の「宇部大橋」を意識されてのチョイス。
力強さの引き立つ、いい情景です。
宇部興産専用道路の自動車は、「同じ役目を果たす」専用鉄道の機関車や貨車と同等の魅力を感じさせられるのです。
いや。より先鋭的な……!
嘗てのトリプルトレーラーとか、また現行車種でもボンネットのケンワース、いろいろな切り口で楽しめそうな題材でありましょうね。