大正から蒸機の末期まで。そして平成に蘇り現代まで!
稚内から鹿児島まで。もとい、樺太から台湾まで。
本線の急行から、極支線区の混合列車に入換まで。
あらゆる場面で活躍してきた機関車。当然、皆様の作品だって多いのです。
自分も2020年に挑戦してみました。
しかし、正直申せば惨敗。あの題材の難しさ、正直なところ舐めてましたよ。
難しさ、上げてみます。
・ランボードの位置が低い。低くしないとスタイルが壊れる。
・中庸な、中型。大型機の文脈も、小型機の文脈も通じません。
・昭和初期の空気制動化改造がカオス。
当たり前の機関車なのに、ここの改造に拠る変形がすごいことになってます。
・極端な個性がない、故に難しい。
・見慣れた姿ゆえ、嘘がつけない
……案外、そこが難しい理由なのかも知れません。
そして一つの衝撃がyamatai氏の原形仕様機。
http://legotrain.seesaa.net/article/481242976.html
7幅で原形という羨ましい(笑)条件ですが、8620らしさの極みができてしまったのです。幅広のランボードとスッキリした仕様にクラリと。
正攻法ではどうにもなりません。
8620に至る機関車も作ってみる回り道も必要と思い、制作したのが8700形・8850形でもありました。各記事参照ください。
(まぁあのへんの道内炭鉱系機関車は元から欲しかったので、回り道も楽しむ「限界旅行」ですけどねぇ)
その辺のノウハウも込で、此処までこぎ着けたのがこの8620。
敢えて逃げず、空気制動の「平均的な」姿を造ってみました。
デフレクタ? ランボードの白線? そういう「戦略的撤退」は最初から封じてます……逃げるのは何時でも出来るんですから。
(誤解されないように記せば、どっちも大好きなんですよ。でも、敢えて封じる!)
気を配ったのはボイラ中心高。8700と8850の間に設定しています。
段付きのランボードは面倒……。ここにポッチが出てるとかっこ悪い(分厚く見える)ので頑張ってタイル処理です。上がった部分の下にはエアタンクですが、これが第3動輪のフランジの外に重なるように。微妙な位置決め。
サイドビュウ。
やはりレール2本分の全長は守りました。
その意味で、先にテンホイラー2形式造ったのは良かった。8700同様に第2・第3動輪の間は1ポッチ空けてます。
先輪は第1動輪の真下辺りから1点接続(ボールジョイント)。無難な方式。
非公式側。やや機器が多め。
色気は極力抑えて、一部の真鍮磨きだし程度に留めてます。
メインロッドは1x6テクニックプレート(またはハーフハイトのテクニックアーム)をスライドバーの上に「乗せている」だけですが、それゆえ動作抵抗はミニマムです。薄く出来るメリットもあります。8幅ジャストは無理でしたが。
ランボードの曲線部はいつもどおり、1/4タイル。
その気になればSキャブも作れますかも。
煙突は複合形態?です。金帯表現しつつ、レアパーツの使用を避けて……。
バックビュウ。
入換とか支線運転も多い機関車ですから、後ろ姿も大事です。
PUのテンダドライブ。テンダは無難な作りです。
おすまし。斜め上から。
8620は缶胴が細身の印象あるんですが、Φ3だと細すぎる。Φ4ではやや太め。
(8850では気にならないんですよねぇ)
キャブ前面窓大きめにすることで、心做しか缶を細く見せてる……?
まぁ、これが今の限界でしょうか。見上げる角度は、やや苦しいですね……?
模型的には見下ろすことのほうが、多いでしょうから。
第1動輪のスプラッシャと缶胴の間隙、大事です。
軽快さは身上の機関車ですよね。
先にも触れましたよう、使いやすい機関車であります。
大正から令和まで。いや、空制機だと昭和初期以降ですけども。それでも曳く列車や状況を選びません。
動輪などが純正品で揃うのもメリットです。足回りもトリッキーな要素が無いので蒸機にしては「ノントラブルで。安心して走らせられる機関車」なのですよね。そういう意味で実物の汎用性の再現できたのは感慨深く。
で。仕様違いとかバリエーション展開は今後の課題ではありますね。
北海道拓殖鉄道のデフレクタ付で直線ランボード(原形に近し、なお最初から空気制動付)は大好きな個体です。あとは、みんな大好きS字キャブモデル……。
狙ってるのは現役機、58654……の、「濃緑時代(1992−2000頃)」。しかし、装飾の多さに戸惑ってたりします(笑)。プルマンカー思わせる塗色だった50系と合わせて英国ムード満点でしたね。尤も、ウエスタンではなくてブリティッシュで売ってほしかったですが(笑)。