手押しの小さいな列車。手押しでもレールの上、走ればより楽しいのです。
でも、それではでは有りません。

マイクロスケールの58654。そして50系客車。サイズは4幅。
素晴らしい密度感。
玩具的サイズであるはずなのですよ。でも、密度が濃い!
サイズのレンジが違うこと承知で例えれば、通常トレインサイズをNゲージにするなら、Zゲージの細密感ですよ。この作品。
(Nゲージは始祖が玩具的なものでしたが[アーノルドラピトとか]、然しZゲージは最初から精密な高級品[メルクリンミニクラブ]でしたからねぇ)

小さな、58654。大正の名機8620の中で平成と令和に生きる機関車です。
4幅のマイクロモデルで有りながら、レールに乗っていること。転がせること。
繊細なディテール。このスケールなのにデフレクタのステー、手すりが再現。
8620空制機の特徴たるランボード段差も表現されてるのです。
パーツ見立ての巧さ。シリンダに使ってる変形カーブスロープ。缶胴はΦ3の部材を組み合わせ。
そして、58654ならではの華やかな装飾です。金色のランボード、相応のコストかけてシールなど使わずに再現しきっているのですね。プーリーやグリルタイルも良い効果です。
言うまでも有りません。8620としてのバランス感の秀逸さは。
ランボードをグリルタイルにしてるのは成功でしょう。動輪に掛かるので、ランボード低く魅せているんですよ。

バックビュウも素敵です。
キャブは前方窓タイルで横組みしているんですね
ミニフィグ乗れること、すごく大事です。
テンダの三軸足回りが泣かせます。
バッファはレゴトレインとしての記号でありましょうね。
唯一気がかりなのはキャブ下が重苦しいこと。ここ、8620は軽快なのです。ミニフィグ乗れるままで、裾を2プレートほどあげることは出来るかもしれません。

ここから見ると、キャブ前面窓がよくわかりますね。
先輪、小径車輪ではなくて敢えてΦ2丸タイル使っています。8620の「少し大きめ」な先輪の再現になっているのです。驚きました。

足回りです。ナローカーブレール純正品はR24で、実は車輪3つ並べると回らない急カーブなのですが、第一動輪に首振り与えることで解決しています。先輪も大きく首振り。
この地点では一次改良前で、テンダとの連結は1点連結です。これだとテンダの浮き上がり脱線が起こりますので、改良が行わています。

改良後。フックとテクニックビーム連結に。2点連結にしないとカーブきついのですよ。

改良後、レールと相性が良くなっています。
ディスプレイモデルではなくて、転がせることって大事なのだと……。

客車も気になります。
4幅なのに、フィグ乗り。内部が開いてる飛行機用パネル窓を駆使しています。
展望室部分、横組みの上、格子グリル使っているのに驚かされました。なるほど!
ダブルルーフも気持ち良い表現です。

客車内部。乗れるって大事ですよね。
ボギー台車なのも、精密感上げて走行性能を上げていましょう。

展望車の端面です。ウエッジプレートで絞り込むことで、展望車の折妻感を強調しています。カーブスロープによるおでこの処理が綺麗ですね。
ところで、2x2窓と、1x2クリアブロックは上下入れ替えたほうが、展望車らしい邑楽かさが出てくるように思いますが如何でしょうか?

熊本城と! 精密なマイクロスケールの熊本城。以前よりもディテールが強化されています。こちらもまた美しい。
熊本の復興、願っております。
この小さくて濃い作品、なんらかの貢献ができるといいですね。