TRIX-BRIXの新製品が意外なところ。
— 関山@浦賀☆ (@houmeisya) March 10, 2021
ゴム輪というから嘗ての9Vの修理用(需要が微妙……)かとおもいきや、さにあらず。
RC・PF・PU用の軸穴車輪のゴムを交換することで、グリップを改善して登坂力を上げるという魔法のリング! ……の模様。4個3.7ユーロ。https://t.co/USAI5I3DD0 pic.twitter.com/f4YKDVOxWB
こういうアイディアなのです。
モータのパワーあげるのではなくて、摩擦係数をあげる感じですね。
その部品が届きましたのでテストしてみました。
結論から言えば、空転はしなくなります。
但し、夢のように登坂力が上がるかというとちょっと違うかな…なのですね。
空転はしないけど、モータの力が試される感じになります。
それは何らかのラック式鉄道などと同じなのでしょう。
例えば 歯車で粘着力に制限のないはずのED42がなんで4重連で、それでもキハ82の6両(360噸)押し上げるのが精一杯だったかという事実に目を背けてはなりますまい?
小汚い部屋なのはご勘弁を
— 関山@浦賀☆ (@houmeisya) April 6, 2021
テストコース。
レール1本につき1ブロックです
昔聞いたような気がする推奨はレール1本につき2プレートなのでややキツめ。
連続カーブ。ループ線を想定。 pic.twitter.com/0oa8T3L8Ir
補足します。
レール1本に付き1プレートの勾配は実物では25‰あの「碓氷峠」が66.7‰ですよ!
レール1本に付き2プレートの勾配は実物では50‰
レール1本に付き3プレートの勾配は実物では75‰
玩具的補正考えたら、レール1本で1ブロック持ち上げるのは碓氷峠同格と見ていいでしょう。
実物、どんだけ無理してるの!
なお、箱根登山鉄道は80‰です……。
玩具的誇張を含めたらレール1本で4プレートあげても良さそうですよね。実物通り登れるのならば(笑)。
※:‰(パーミル)。
鉄道の勾配くらいでしか使わないですが、1m(1000mm)で何ミリ登るかという意味です。66.7‰だと、1mで6cm7mm上がります。たった6cmではなくて、6cmも登るのは実際に坂道登ってみると体験できるでしょう。自動車でも6.7%の坂道はきついんじゃないでしょうか?
なお、このコース。ゴム交換前テストしたところ。PUの機関車は単機なら、また2軸貨車一両なら平気で登っちまいました(苦笑。
— 関山@浦賀☆ (@houmeisya) April 6, 2021
しかし三軸ボギーの客車引かせるとこの動画の通りです
空転多発。 pic.twitter.com/n4YbjDZyzf
なんと! 意外と力持ちなPowered Up!
ゴム交換後
— 関山@浦賀☆ (@houmeisya) April 6, 2021
空転はしなくなります
しかし5−6ノッチは要る感じです。
純粋にモータのパワーが試されてる感じになります。 pic.twitter.com/tlEdspXgaV
そんなわけで、件のゴムには「空転しない効果」はあります。
しかし、モータのパワーは変わりません。
故に、どんな動力車でも登れるわけではない! 実用的な編成には制約ありそうです。
1Mの機関車なら客車2両がギリギリか? 或いは電車の1M2T。思えば公式のトレインセット(City)も考えてみたらそんな編成ですよねぇ。
2M動力車になると何とも言えません。
例えば、EF59やEF63、EF71のような補助機関車を作り、必要に応じて重連。そしてパワー全開させたら?
極端に入線可能車両を絞るのもありえます。
要は箱根の登山電車(とか京阪大津線とか)。1M1Tか、全Mの2−3両編成の小型電車専用のレイアウト。
そんなのじゃやだ?
どんな列車でも登れるような勾配を含めたいのなら?
勾配を1レール1プレート程度に緩めるか、はたまた勾配を直線ないしR104程度の緩曲線を使うか、カーブの走行抵抗は大きいですから。
何れにしても設置場所は大きなものになります。大イベントでないと難しそうです。
それでも、このゴムで空転しなくなるのは事実です。
純粋に、平坦線での牽引力アップに使う手はあるかもしれません。
そういうわけで。
「魔法」というよりは、「物理」の限界を露骨に突きつけてくるゴムリングなのです(笑)。
……使い方次第で面白いとは思います。空転しないということはモータの実力をフル発揮できるって事ですから。
最後に。
モータに負荷強いてるのは事実なので、自己責任です。
「空転」するのは過負荷から守るためかもしれず、過熱での劣化や寿命低下、最悪出火とかないとは言い切れません。そこはお気をつけて!
◆◇◆◇◆◇◆◇◆
あと蛇足。
BB0129というモーターがあります。トレインモータではなくて、ほぼサイズが同じの、昔の(1990年代の)年少者向けセットに入っていたパックモーターで、低速大トルクです。ウチではED41とED42に使っています。
この登坂力もテストの必要はありそうですね……?
◆◇◆◇◆◇◆◇◆
更に蛇足。
過去にラック式はテストしています。コスト掛かるのと汎用性に余りに欠けるので断念していますが。
ラック式を否定するわけではないのですが、粘着性能あげるだけなので空転防止の車輪のゴムと変わらないわけです。やっぱり、魔法ではありません。
……ただ、ロマンはありますよね?