
長野電鉄2000系電車は1957年から1964年にかけて3両編成4本が製造。日車標準ボディをもつ地方私鉄向け優等車の一つ。
類形車が名鉄・富山地鉄・北陸鉄道にも。長野電鉄の2000はそれらの中でも、特に流麗なスタイルでした。
前面2枚窓というのも湘南顔の亜流に見えるんですが、よりなめらかな流線型なのですよ。名鉄5000系ほどではないのですが、車体断面も丸み帯びたものでした。
このロマンスカー、長く信濃の地で活躍続けました。2006−2012年に引退してゆきました。
最終編成は静態保存されています。
さて。
この題材、レゴ的には一筋縄ではいきません。
すでに公式のある「湘南顔」の文脈で解釈できないんですよ!
制作前に思い出したのが、この2つの過去作です。

江ノ電500形。ほぼ同じ時代の電車。丸みたっぷり。2018年作。

福井鉄道200形。これも同じ時代。湘南顔に見えて、実は別文脈のデザインといえます。2019年作。
この辺を思い出し手を動かし生まれ出るはこの試作品。

手前のが一次試作。すかさず二次試作も。
カーブスロープ横組でまろやかさを作り出す。
角丸プレートで形を作る。
あたりが基本です。
塗り分け線はヘッドマークでごまかす(笑)。
あとは1/4タイルで、それっぽく。
前面窓はセンターピラーの細さが印象的なのでいつもの湘南顔的手法が使えません。そして大きな曲面ガラスなのですよね。
ここはポチスロ表現にしてしまいました。
二次試作では、前面下部のカーブスロープの繋がりをよくしています。
角型の尾灯は敢えて上面ポッチを出して、実物の突出感の表現にしています。

車体構体、出来。
側窓は2連窓です。ただし太い方の窓柱はかなりしっかりした印象なのですよ。3ポッチ幅分にブロック2個とプレート1枚挟んでの表現です。0.5プレート分の辻褄合いませんが、そこはポッチ露出で埋めるのです。

足回りつけて完成。丸っこい顔に角テールライトのバランスがあの時代の電車のデザインですよね。
想定年代は赤+クリームツートンの1970−80年代イメージ。まだ冷房つける前です。A-Dの4編成あったなか、スカート付きのD編成ではない、AかBかCのどれか、ですね。

丸みの表現はうまくできたと自負。
一方で車体裾の丸みは割愛してしまいました。無理に表現すると違和感ですから。名鉄5000系位に丸いなら、話は変わってきますけども……。

モハ2000形。側面窓数はむろん間引いてます。戸袋窓も思い切ってますが、まぁ2連窓の片方が戸袋なのでしょう(そういうデザインはありますから)。

サハ2050形。なかなか美しい中間車です。

モハ2000ーサハ2050。

斜め上からの角度が様になるようです。
デビウ当時及び、末期の一部編成でお馴染みだった茶色塗装も……なんとかなるかしら?
それよりも長野電鉄の車両では幾つか気になるものもあります。
信州での企画が続いてくれると増備の可能性も出てくるというものですよ?