この種の機関車は日本陸軍 鉄道連隊のものがそうであったように、小さい動輪径の小型機関車が前提です。軌間も軽便軌間でしょうか。
しかし、何ごとにも例外はあり。
日本でも、もうひとつ双合機関車とか言われてる形式があって。国鉄190形蒸気機関車で鉄道開業時の機関車の一つ、つまり有名な1号機関車150形の仲間です。
車軸配置も150形同様の1Bタンク。1Bタンクは動輪が実は大きめでパワーよりはスピード優先の機関車です※。これを背中合わせに、間にブレーキバンを挟んで使うという目論見だったとか言われてる機関車ですよね。
※:1Bタンクが導入されたのは京浜間や京阪神のような、後世に「電車化」されたような区間です。汽車と云っても短距離運行かつ高速という、或る意味特殊な性能が要されたのでした。長距離で高速……だと2Bテンダ機の世界になります。力を求めるならCタンク乃至C1タンクに……。

ぬぬつき様の作品は、鉄道連隊双合機関車と、190形その両方のイメージの融合でしょうか。
軍用機関車として本線用の、ある程度の高速出せる機関車が要された。
軍用機関車として双合式のノウハウはある。
そんな状況で生み出された機関車という感じがします。はたまた、元来の190形がそうであったように、1Bタンク使用してた都市近郊の高速区間での輸送力増強用……という仮説もできましょうね※※。重連で合理的な機関車です。
※※:奇天烈に思えますが、昔の電気機関車の2B+B2や2C+C2という日米ともに多かった車軸配置の機関車は、或る意味蒸機の2Bや2Cを双合重連にしてしまったものという見方もできます。
なんであれ、動輪の大きな、軽快な1Bタンクが生まれました。
一見して炭庫がありませんが、サイドタンクの後方が炭庫と思えば納得できましょう。サイドタンク前方は曲線が優美です。
足回りは1Bタンク造るときの定番? 片方フランジレスです。
スタイルに口出しあえてしますと、サイドタンクは190形原型のように側面下方に張り出してても良かったかもしれません(笑)。ここだけ8幅にすれば、工夫次第でサイドロッドを避けること、できたかもしれませんよ?
あとメインロッド、そろそろ頑張ってみましょう(笑)。

戦場にかける橋……? チィンバートレッスル渡る姿がまた絵になります。

対ベ◯ビ◯国との戦争……ではなくて、フレンズ国との紛争勃発?
こういう演出がうまいのが、ぬぬつき様の真骨頂!
しかし、フレンズ国は敵なのか味方なのかw

双合機関車はばらして、2両の機関車として使うこともできたそうです。この雰囲気もまた良いものです。また、同じ形の機関車が2両居るって状況そのものが「鉄道事業者として(いや鉄道連隊?)、なんかリアル」なんですよね。
可能性ある、楽しい自由形なのであります。