クロスシート装備のロマンスカー。福井鉄道の顔的存在であり、嘗ての「急行」は概ね200形の運用でありました。1989年ころに冷房化。
そして大型車では最後まで残りました。2016年ころまでは現役で運用に入っていたのです。
今は203編成のみが保管されています。車籍は既に無いとのことですが、2019年末に「自走」したのはちょっとしたニュースに。
流石に老朽化も著しいので、静態保存の可能性が高いのでしょうか。上手く残って欲しいものです。
前回の製作が2013年ですから、もう7年前です。
このときは未だ実物が2編成が運用に入っていた頃でもありました。
7年前のバージョン。ややお恥ずかし。
当時の203編成をモデルにしたもの。側面は横組みへのこだわり?です。
前面は当時既に「ただの湘南顔」では無いということに気がついていたのですが(意外と彫りの深い顔です)、そこを2高キャノピで表現した……というものでした。
7年越しのリメイクです。
色は迷いました。1980年頃の印象は薄めの青、丁度国鉄車両(20系や旧型客車などの)青なのですよ。自分も最初、なんかの本の写真で「カッコいい!」と惚れ込んだ第一印象もそんな色の時代です。
で、1980年代後半の塗装変更経て、そして2010年代に203が旧塗装復元されたときは紺色と言える濃い青になり、あれ、こんな濃い色だったのかと正直驚いたのです。
然し、1970年ころと思しき古いカラー写真を観ると、濃いめの色でありました。なんと!

ただ、この電車の最も華やかだった1980年ころのイメージを重んじて、今回は通常青にしてみました。
当然、非冷房仕様となります。

変形湘南顔と言える前面は下半分を内部プレート張り出しジャンパプレ留めという何時もの方法で作り、庇状に張りでた「おでこ」はカーブスロープでまろやかに作ってしまいました。
前面下部には空間あけて、そこに方向板兼装飾板を嵌め込んでいます。今の203では復元されていますが、翼状の飾りがカッコよかったんですよね。

屋根肩は今様にポチスロ処理です。上屋根はカーブスロープで優雅に仕上げてみました。大きかった独特の形状のベンチレータもカーブスロープで。


サイドビュウ。ドアは緩やかな陰影表現です。実物もプレスドアがちょっと古風で目立っておりましたね。
側窓は横組への妙な「拘り」を捨て、順組で素直な作りに。でも、これが一番あの電車の窓らしいと思うのです。

連接部は片方の車体にホロを固定してしまうmugen氏方式です。車体はフックで引っ掛けるだけの簡単連結。動力は取り敢えずは9Vです。

7年越しに、やっと満足できるものが出来ました。
前面側面とも強度は上がってます。何時か沿線に持ち出して撮影とかもやってみたいものですね。尤も実物合わせはちと難しそうですけども。
今回は非冷房仕様としましたが、濃青で203を作ってみるのもありかなぁと思っています。その前に、何らかの福鉄の仲間を考えたくもなりますが。電動貨車とか電気機関車とか濃ゆいのもおりますし、連接車でも前面切妻のも居ましたよね。あるいは200形デビウの時代に合わせて、木造ダブルルーフの渋いやつとか……。夢は膨らみます。

さて。えちぜん鉄道と福井鉄道は今でこそ田原町で線路迄つながっておりますが。
200形が現役だった頃は、線路は繋がりそうでつながらず。ぎりぎり対面乗換が出来る程度の連絡でありました。
そのうえ、此処まで都合よく電車並ぶような配線ではありませんでしたが。

でも、個人的に大好きな湘南顔の電車が並ぶ情景は夢がありますよ。
かたや自社発注の新車、かたや中古車ではありますが、どちらも福井の地方私鉄華やかな時代の象徴でありましたね。
<未完>