
国鉄初の電気機関車(日本初、でないことに注意!)と知られるEC40形(10000形)。
ラック式で独はアルゲマイネ社製。
小柄な凸形機であり、その姿は可愛らしいものでもあり。
然し、彼女らの舞台はかの碓氷峠。主要幹線の一区間であり、その姿に似合わぬ重責を負わされたのでした。1912年のこと。12両があの区間に揃います。
健闘25年。1937年までに大型のラック式電機ED42に追われる形で引退し、2両が京福電鉄福井に払い下げられテキ511 及び テキ512に。
碓氷峠時代にもかなり改造改修の手は入っておりましたが、京福では片方のボンネットを撤去し、凸形ともL形とも箱型とも言えない独特の形状になっています。
むろんラック用の機器一式は降ろして「ちょっと変わった」粘着用の機関車に。29トンで200kwの出力は私鉄の小型電機としちゃ悪くないものですが、流石に最高速度18km/hは流石に遅すぎ、ギア比変えて31.5km/hまで上げていますが、それでも電車中心の路線ではキツかったでしょう。除雪用にはパワーあって好まれたという話もありますが。
1964年にテキ511が国鉄に返還、EC40の原型に復元され今に至ります。
残ったテキ512は1970年迄活躍続けました。同じ碓氷峠の電機でもED40は日光軌道線が最後で1968年引退。ED42も1962年の碓氷峠新線化で全機退役ですから、最初のEC40が一番長寿を全うできたのでした。
この機関車。過去に制作しています。
2007年! もう13年前ですね……。

動力なしで、何らかのユーレイ動力車を要します。
当時なりに頑張ったつもりの作です。色は黒にアレンジしています。モノクロ写真だと黒にも見えましたので……。
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気になる題材故にリメイクの機会は狙っておりました。今なら動力系にはPFやPUが使えますから自走も夢ではありません。よりコンパクトに収まるPU使った動力を考えてはおりましたが。
そこで鮮烈だったのが、2019年秋のジョージレモン様の貝島アルコ。
9Vでロッド駆動をやってのけた偉大な作品です。それを見て、自分もアルコ用の足回りをテストしてみたりしましたが。

2019年11月制作。9Vモータで、三軸目を横スライドにして蒸機のメインロッドを可動させようというもの。テストはOK!でした。
これを流用し。

また車体に関しては、yamatai様のLDDのEC40形を意識。この可愛さ真面目さよ!
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さて。2020年の第一作目として。

今回、パーツ事情が大きく好転しているので茶色にしました。譲渡当時はいざしらず、1960年代以降は茶色塗装になってたはずですから。
アクセント部分は濃茶です。
足回りは先の貝島アルコ用試作品を修正、電気機関車のサイドロッドらしい形状と動きに改めています。
理想もうせば、PUなんですけどね。それもトレインモータではなく自作動力で。今後の課題です。
全長は前作と同じく16ポッチです。この題材、18ポッチにすると印象が変わってしまうのは13年前に実践済です(笑)。
側面はyamatai氏のEC40参考に今様に。個人的趣味で窓上に窓縁表現を半ば意地で行ってます。

前面から。前面はyamatai氏LDDどおり、横組の方が良かったかも……?
アーチ状の部品が茶色は得にくいので、そのへんのハッタリが黒ほどは効かせられません(笑)。
ボンネットも1プレート嵩上げしたほうが良いか、撮影後も悩みはあります。

不思議なサイドビュウです。
元から足回りは前後非対称の機関車でありましたが。

ボンネット撤去側を前に。実はハシゴという目立つアクセサリが有るんですが付け忘れてました(苦笑)。ここもなんとかとかしたいですね。

2019年最終作の、京福3000形と並べて。
この京福同士が並ぶシーン、やってみたかったのです。
3000形は1974年の導入ですから、1970年廃車のテキ512とはタイムラグあります。然しテキ512はしばらく保管というか放置されてたそうなので、構内ではこの並びもありえたのでしょう。
都会からやってきた高速電車と、山里降りてきた古典電機の並び、印象差異がやはり、鮮烈。
そして、京福福井支社の1970年代に思いを寄せてみたり。他にも中央通路ボンネットの凸型機テキ501も居ましたし、電車も個性的なのが……。
少しづつ揃えてゆきたいですね。今はなんだかんだで毎年福井訪問する機会も有るわけですし! モチベは維持されるのですよ。
それから。
この足回りでED40も作れるかと早くも妄想炸裂(笑)。王道の日光軌道線仕様か、はたまたゲテに徹して凸型になった南海(秋田中央)の方か。
ええとEC40原型は……yamatai氏に任せますね(笑)。