営団500形電車は嘗ての丸ノ内線の主役。300・400・900形と編成組み、1954年の開業から(このときは300形のみ)1960年代まで製造続き、1994年迄活躍を続けました。
その姿は正に「地下鉄のアイコン」。
デザイン・性能で画期的な車両であり、現役末期の印象にしても、また地下鉄博物館の保存車(300形)を改めて眺めても「古さ」を感じさせないのです。とても昭和20年代の敗戦から9年後の車には思えないのですよ!
廃車後はブエノスアイレスに譲渡され更に活躍続けたのも凄いこと。
あちらでも流石に老朽廃車されてしまいましたが、しかし1編成が「里帰り」という奇跡です。
まだまだ、伝説は続きそうなのです。

ばばん。
7幅のフルスケール。飽くまでディスプレイモデルとしての割切……とのことです。
(しかし、この大きさで走行モデルも多い世界ですから、希望は捨てちゃいけません)
窓の大きさはこだわりとのこと。前面窓も側面窓も大きく明朗に。地下鉄だからこそ明るい車内! は当時のコンセプトでもありました。
側窓はプレート9枚分。サッシの表現も。デビウ当時から1970年代前半までの鉄サッシ赤塗が好きな人も多いのですが(自分も。末期でも鉄サッシ車残ってたの思い出し)、しかし、作品としてはアルミサッシのメリハリも「あり」に思えます。
2000系でも復活したサインカーブは丸ノ内線の象徴。
プレート3段分でのチェック表現です。現状で無理せずに出来るベストな表現でありましょうね。

前面。此処も窓を大きく。それが実物の「イメージ」。
実物は凝ったデザインの(ちょっとアールデコ入ってるんですよ!)前照灯・標識灯金具はヘッドライトブロック底面と クリッププレートの表情での表現です。なるほど!
アンチクライマーも外せませんね。独自の密連も。
桟板、運行表示板入れ(左のライト横)、存在感の大きな車番。3ポッチ分幅の方向幕ですが、左右には「標識灯」があるので初期車だとか。こだわり!
微小な後退角は流石に割愛されてますが、どこを取るかはどこを捨てるかはこのスケールのモデルでも大事な判断でありましょう。
何よりもバランスが良いです。幅と高さの調和です。

究極的なのは屋根のグリル表現。
ここは有り難くも拙作の阪急1010系を参考してくださったのが嬉しく。無論、こっちはずっと洗練されています。
それから。
ディスプレイとしてサードレールも見逃せません。取り付け題材も凝ってますよね!
無論、台車にはコレクターシュウも備わるわけです。この台座は地下鉄では極めて珍しい「木製」部品でもあります。

サイドビュウ。むろん、省略の無いサイドビュウです。
3つづつ並んだ大きな開閉窓に、これは日本初の本格採用だった両開き扉は戸袋窓も備わるもの。なお、扉そのものは1970年代以降のドア窓小さなもの。当時は原型損ねてて嫌いでしたが(笑)、今見るとあの時代の営団らしく懐かしく。
(余談ですが、8000系なんかドア窓を大きなものに更新で変更してたりしますよね)
側窓の割付。0.5プレート単位の調整が入りまくり。内装は諦めての内部構造により、リアルな形状を得てる由です。
また、帯と窓、上下方向の寸法調整もパーフェクトじゃありませんか。

連結面。此処も手を抜かず。
なお、400形にしておけば両運転台になるので単行で展示しても様になる……? のですが、あえて500形にしたそうです。でも、連結面や、窓が車端部に2つ並んだ姿も良いものですよね。
300形 両運転台
400形 両運転台
500形 片運転台
900形 中間車
両運転台が必要だったのは開業から間もない時期のみで、すぐに3両以上の固定編成になり、最終的には中間車まで造られた由です。
また、6両固定編成になったときに300形・400形は例外なく中間車代用にされてしまいました。300形の中には運転台撤去車までいた由。
こう思うと、原型の美しさも良いのですが、末期のカオス感も別の魅力なのかもしれません。このスケール・クオリティで編成くんで遊ぶのは流石に困難ゆえ、別スケール・別解釈での遊びとなりましょうが……。

まずはこの角度で、中間車900形を妄想してみるとしましょう(笑)。前後シンメトリーの意外と美しい中間車でありましたから。

ディスプレイ。ホーム側も魅力あるものです。
白線の埋め込みは羨望です。

赤坂見附気取って、反対側に銀座線……むろんオレンジの(屋根はエンジ!)銀座線車両を並べてみたくなリます。

あるいは、中野坂上のつもりで赤い2000形or100形か?

撮影時にミニフィグ忘れたのを後悔です(笑)。

なお撮影は11月末に、某ファミレスで遂行。光線状態のよいスタジオのようなファミレスでした。

程よい、重厚感が伝わってきます。
やはり、1954年生まれの電車という雰囲気なのか?

車体構造。
屋根部分の絶妙な部分です。斜め固定のグリルと、パネルによる間隙うめ。
このスケールならではの表現です。
(拙作の阪急1010系ではもっと簡易な表現ですので……)

床下機器。昔の電車ですから機器ひとつひとつの役割が分かるかのごとく。
パイピングも丁寧です。

こちらは駒場祭展示での模様です。背景にコンセプトペーパーがありますね。これは別記事にしましょう! その価値がある中間制作物ですので……。

8850形蒸機と並んでいたようです。ミニ交通博物館の趣!?

おまけとして。各種内部構造LDDも。
前面の作り方。

何かしら、読者諸兄の参考になれば幸いです……。
屋根の作り方。

前面と屋根。車番の0,5プレート厚技に注目ですよ!

貫通扉の0.5プレート調整です。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆
営団500形他 あの世代の電車はゆっくり取り組んでみたい題材ですね。
6幅ショートで「編成で遊ぶこと」考えたモデルも手掛けてみたいものですし。300形や900形も混ぜて、時代考証を原型よりの1960-70年代にするか、あるいはあえて崩れた80-90年代で行くか?
そして線路の繋がってる車両の融通のあった銀座線のあの時代にも思いは広がってくわけです。
ディスプレイモデルから引用できる文脈も沢山有るわけですから。