いや、薬師山様の作品にはいつもやられっぱなしでありますが(苦笑)。

「多々古交通(笑)のキャブオーバーバス(いすゞBXD20E)とタクシー(日野ルノー4cv)」とのことです。
写真は薬師山様撮影。
ゴツいフロントグリルはキャブオーバーの証。
5幅のバス。敢えてボンネットではなくてキャブオーバー形。これまた大変にレトロなタイプではありませんか。概ね1950-60年代位のもの? 側窓は上部Hゴムになった所謂「バス窓」の時代ですね。リアエンジン車よりも小柄なバスとして重宝されたものです。ただボンネットバスよりも引退は早いものでありましたが。
(とはいえ、現行のマイクロバス各車種もキャブオーバーバスの一種です。小型バスとして用途は或る程度被りますし)

薬師山様の作品、フェンダー以外の殆どの部分を順組で素直に仕上げられています。無理なくスッキリシンプルに? でもレトロ感は十分過ぎるほど。
なお、タイヤのトレッドはナローに訂正されたいとかご本人からお伺いしました。ナロートレッドの妙な華奢さが加われば更に古風に見えることでしょうね。
シンプルなカラーリング。当初はダークターコイズ1色を考えられていたそうですが、一般路線車よりも寧ろ特殊用途車に見える……とのことでツートンに。
やはり、彩度の低い昔の青緑のペンキにみえるのです。

勿論、お尻の写真も。
昔のバスは流線型……丸みが綺麗です。


拙作と並んで。多々古交通の新旧並びでありましょうか。
ボンネットとキャブオーバーが共存してた時代。

手前の日野ルノーのタクシーも実に羨ましくなる1台(2台?)ですね。

後部フェンダーの造りが、以前のルノー4CV作品よりも洗練されているのが印象的です。拙作でも使ってる、1/4円タイルの効能は大きいのです。
それにしても、ツートンに逃げず(笑)、ほぼダータコ1色の車はインパクトあるものです。行灯も蒲鉾形パーツ使用で凝った形状に。
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合わせて、薬師山様の他作品も紹介します。
#レゴさんこういうクルマ見たい#レゴ化
— セメダイン (@cemedinecoltd) 2019年10月3日
昭和20年代に走っていたとされる伝説の「セメダイン宣伝カー」です。
当時何色だったのか全くわかりませんが、レゴさんなら再現してくれるって信じてる…! pic.twitter.com/aJgIfQag4y
はじめまして。自動車雑誌『高速有鉛デラックス @FEN810kHz 』で着色写真の連載を担当している者です。本誌ライター @ChillReactor の監修により「セメダイン宣伝カー」を再現してみました。ベース車の考察は下記の通りです。 #ギジカラーhttps://t.co/XRRAnStN5z pic.twitter.com/Ji23VmLvzp
— 濱田 良章 (@HAMADAYOSHIAKI) 2019年10月4日
10-11月頃に話題になっていた、セメダインの宣伝カー。これを見事な作品に仕上げてくださったのでした。

<薬師山様撮影及び作図 以下同じ>

LDD。この地点で「!」な出来でありましたが。

そして、まさかの実制作です。

薬師山様いわく。関山式とのこと。
嬉しいお言葉です。横組の窓とかウチの流儀であります。流麗な、而してキャブオーバーゆえの力強さもあるボディですね。この種の車はトラックベースなのだそうです。

無論、装飾類は余すこと無く。
側面の「手」の表現まで。
「セメダイン」の文字表現が泣かせます!

後部には演台が。ここも流線型です。
テレビ時代の前後である1950年代はこうした宣伝カーの全盛期。各企業が意匠を凝らした改造の限りを尽くした宣伝カーで行脚、デモンストレーションをおこなっていたのでしょう。尤もテレビと、そして民放CMの普及でその多くは役目を終えていくのですが。
なので、あの時代を表現するアイテムとして有用でありましょう。

内部構造。上下逆転に横組に。

<以下 関山撮影>
高速道路を往く。派手な姿はインパクト十分です。そして未来感有るデザイン。

夢を載せた宣伝カー!
先にも触れましたが、1950年代にはこの種の凝った宣伝カーは沢山の種類が活躍しておりました。題材として魅力的なのは言うまでもありません。
バス、デコトラ……に次ぐ、5幅車のジャンルになってくれることを期待しております。