東側のこの種の車は得てして「技術もスタイルも詰まらない」ものになりがちですが、タトラ社はWWII以前からの優秀な技術そして秀逸なデザインセンスをもっており、V8をリアに搭載したセダンは西側輸出も叶うほどの名車になったのでした。
ただ、寄り目の前面スタイルは強烈に好みが割れるところですよね。
その妖しげな姿に、関山は惹きつけられたほうです。ゆえに過去に制作済。
http://legotrain.seesaa.net/article/308964428.html
(写真は2011年版)
さて。
レゴ(よく考えたら今のチェコ共和国は主要産地の一つでありますな)のパーツ事情はこの数年で大きく、良い方向に変わってきました。ビルドも表現も変わって来るべきでありましょう。そんな作品が、はぐるま様のT603です。

前頭部のファーストインプレッション。カーブスロープ、そしてかまぼこ断面形1x1タイルがこの柔和にして妖怪めいた顔を円やかに再現可能に。
まとめ上げたのは、無論はぐるま様の技量です。

製作中バージョン。リアは当初大型の一体キャノピー(スピチャキャノピー)を考えられてた模様です。これでも綺麗にラインは流れ、個人的にはありだと思ってたりします。 後部のフィン(垂直尾翼的部品)が鮮烈ですが、それをルーフで表現して、後部にイメージさせるセンスもなかなか。
縦目のテールライトも嬉しい。

このバージョンの前からみたところ。
なかなか整っておりますね。サイドのカーブスロープ処理は2018年ころから4幅車を変えてしまった表現でありましょう。流麗さとボリューム感。もはや1x3ドアのカラバリの少なさを嘆くのは時代錯誤なのかもしれません……?


テールフィンをつけるための検討の様子です。

そして、完成車。
テールフィンではなくて、盛り上がったリアウインドウの表現を行う方向で纏められています。リアのサイドスカート周りがボリューミーなのが如何にもなリアエンジン車らしい重みに見えて好ましい表現ですね。
かまぼこ断面形タイルによる装飾性もこの車には必然でありましょう。

美しいテールです。

前から。整った、究極的作品ですね。
(うちの子も、大改修したくなりましたよ!)

スタイル優先なので、ミニフィグの着座姿勢はやや犠牲になっています。ここは割切致し方ない所でしょうか。
ともあれ。
4幅車という進化著しいジャンルの最新デザインを、レトロな東欧車で観ることできるのは僥倖であります。制作意欲を掻き立てられる作品なのです。
(やはり、うちの子も、大改修ですね……!)