独自のスプリング入台車を履き、床下に設置したカメラでその動きを記録することが出来ます。
モデルになったのはスヤ11形。
1970年に1両が製造された車両強度振動試験車で、車両の応力や荷重、振動加速度、変位などを測定するものでした。残念ながら1987年に廃車されてしまい、この種の試験車としては最初で最後のものになってしまいました。測定対象を機関車・客貨車に限らず電車や気動車も想定すればまだ活躍できたような気もするのですが……。
(なお、形状がにている車両性能試験車マヤ10、また高速軌道試験車マヤ34とは別の車です。車両性能試験車はマヤ10以前にマヤ38等がありましたし、軌道試験車はマヤ34の後継が多々製造されていたりしますが)

最初のCAD図です。7幅フルスケールの客車モデルでもあります。
実車との違いですが、なぜか特徴であったベイウインドウ(マヤ34と同様)が割愛されてしまっています。それでも、この側面からは窓の少ない特異な印象が伝わってきますよね。

左右側面で形状が違うのが試験車の証。
中央の扉と、やはりベイウインドウが割愛されています。

車内。車内の多くはカメラ搭載スペース。
また、照明などの電源用の単4電池boxの考慮があります。

実制作された作品より。
カメラがこうして台車を観察・記録できるようになっています。

「ツァイス」マークが格好良いですね。業務用? かと思わせますが、残念ながら?民生用アクションカムです。でもツァイス!
台車の枕バネは、スプリングシューターの分解によって取り出したもので、一応レゴ製とのこと。右の台車、ボルスタ?と台車本体が分離しているのが分かりますよね? うっすら隙間見えますから。

クーラー個数は実物同様の5基。7幅車両だけあって丁寧な造形です。
特殊な機能は抜きにしても、魅力的な客車モデルでありましょう。

片目の反対エンド。


尾灯及び、作業灯が点灯可能です。

ここは余興。しかして楽しい余興です。
レーザー刻印機も個人導入できる時代です。刻印機によって刻まれた「車両強度振動試験車」「連結注意」「スヤ11 2002」の文字!
これは結構画期的です。パーツに刻印するのは賛否は割れましょうが、まぁ、普及している部品にならば文句言うことでもありますまい?
なお車番は実物の、スヤ11 2001の続番なのですね。

刻印入った車体はまたかっこよく。
台車が浮いていると、台車の構造も理解できますよね?
さて。
スヤ11の活動状況の模様はこちらをどうぞ。
揺れに強い…#宇治レゴオフ pic.twitter.com/KMQS3qe8iy
— オ缶ガルー (@Ocangaroo) 2019年9月8日
車両試験台上の、台上試験の様子です。
車両試験台でテスト pic.twitter.com/PKJ6wP5sO0
— キベルネ (@kyberne) 2019年8月5日
こちらは製作者の撮影です。
YouTubeにJAMの動画をうpしました。
— キベルネ (@kyberne) 2019年8月18日
LEGOで作られたスヤ11の、サスペンション付き台車の動きを見るだけの動画です。https://t.co/c4EItvUoTh
床下のツァイスが捉えた、走行動画。
非常に興味深いものです。カーブでのモーメントなど印象的です。
試験車……。
動力車の電圧電流など測定記録できる車両性能試験車(ダイナモメーターカー)や、軌道の変形を記録できる軌道試験車(ジオメトリーカー)も、いつかレゴで叶う日が来るのかもしれませんね。