近鉄志摩線は志摩電気鉄道として1929年に開業したもの。
接続するのは国鉄参宮線鳥羽駅で、1067mm軌間の電化線。戦中に三重交通に吸収されます。三重交通は路面電車・762mm軌間の軽便線・この1067mm軌間の志摩線と3種類の規格を持っていたことになリます。
三重交通時代に垂直カルダン駆動の5400形の導入など近代化を行ったものの、貨物輸送の衰退で経営苦しく。然し、近鉄の志摩進出計画(鳥羽線建設)により、1965年に近鉄に買収 志摩線となりました。
鳥羽線開業の1970年、志摩線も1435mmに改軌。大阪・名古屋からの直通特急が入るようになり、今に至ります。
三重交通の塗色は全線共通の緑とクリームのツートンカラー。
近鉄の復刻塗装車も揃ってきましたが、買収先のカラーリングは初めての事かもしれません。尤も、近鉄を離れた北勢線には同じく三重交通時代のカラーになった200形がおりますが。
色の解釈は難しいらしく、VW38のはかなり明るめ解釈ですね。
(先の三岐200形はかなり濃いめです)
昔の関西私鉄でよく使われた「緑」は、光線次第で見え方の違う難しい色でありましたから。
ただ、今の電車には明るめ解釈は似合います。恰も、三重交通の鉄道部門が未だ近鉄系の子会社として残っていて幾ばくかの独自性をもっていたら……というifを叶えたような姿でありましょうか? よく似合っているんですよ。

ベースはエース様の何時もの近鉄通勤車です。1980年代の窓の上下に銀色拡大した姿の電車の表現、もう完成形ですね。
迷われたのは、緑とクリームの塗り分け位置だとか。
割と腰高な印象なので、これで正解でしょう。さすが近鉄贔屓。
こだわりが有るのは、他の近鉄一般車と編成組んだときに車体裾が揃うように、1プレート張り下げていることでしょう。この作品が初めてではありませんけども、車輪が当たる部分を上下逆転組みして、その部分をポチスロ処理しています。車体裾をどうしても1プレート下げてみせたい! ときに参考になる手法です。
(ただ、他の通勤車で脱トレインプレートされるなら、この表現は止めたほうが良いのかも知れませんが)

志摩線での2両運行よりは、名古屋線で何らかの増結に回ってることが多いみたいです。

2連のサイドビュウ。とても落ち着く色合いですよね。

増結状態の仮想です。未だ連結器は増結対応ではないみたいですけども。
個人的には志摩線というと……三重交通時代の電車、小柄な丸窓電車モニ10→近鉄モ5920形であるとか、日車標準ボディのクロスシート車のモ5400形→近鉄モ5960あたりをいつか作ってみたいところですね(でもって、そんな小さな電車が漁港へ貨車牽いてくような情景をば)
やはり、色は明るめの解釈の方が良さそうな。
そんな思い切り与えてくれる作品なのでした。