中島AT-2(wikipe)は1936年に造られた、DC-2類似の中型輸送機。
DC-2は中島がライセンス生産した6機がありましたが、AT-2はそれを一回り小さくしたものです。前頭部形状は改良され(逆テーパの風防など)、また機体断面は角ばったものとなりました。
結果的に、DC-2/DC-3よりも凛々しく締まった印象の機体に見えます。
33機が作られ、主に国内から大陸への連絡航路に用いられたようです。戦前最後の華やかな時代の日満を結んだのでありました。
あの時代の豪勢なる旅は憧れを募るものですね……。
1945年、日本の敗戦による航空禁止で引退してしまいました。戦争で失われたものや(徴用されたことと思います)残存機も疲弊していたとは思いますが、輸送機は進駐軍も「許して」ほしかったと思うのです……。
また、陸軍向けに同系の九十七式輸送機(wikipe)が300機以上造られています。
こちらも敗戦時に残っていたようです。……あぁ惜しい。

ぬぬつき様の作品。飽くまで九十七式輸送機としての仕様でしょうか。
なんであれ、この時代の輸送機の作品は軍民とも珍しい!
角ばった前頭部は如何にもAT-2ですね。胴体側面と屋根のエッヂが目立つ胴体側面はカーブスロープで表現です。ゴツくもなくスマートでもなく、独特な雰囲気。
丸窓はアレンジでしょうか? 九十七式輸送機も角窓だったようなので。ただ輸送機の民間バージョンが角窓、軍用バージョンが丸窓という事例は多いですよね。
エンジンナセルが無骨で、此処はあの時代の国産機という感。
主翼はタイルとカブスロとウエッジプレート合わせた、無理のない作りですね。強度も含めると無謀は出来ません。
惜しいのは尾翼周りでしょうか。水平尾翼もタイル張りだったら。また垂直尾翼がもう少し大きかったらと思うのです(ラダーが動くのは嬉しいですが)。

それでも、後部の絞り込みが綺麗です。
灰色の新旧が混用されていますが、この時代の軍用機ならば「苦労してるんだなぁ……」という印象になり、悪いものではないですね。
日の丸? 日の丸にも解釈できますし、架空国家のマーキングにも見えます。
それから、雲背景に撮影しているのが巧いです。

優雅に洋上を飛ぶ。
下方に船を見下ろして。素敵な世界観でありますね。

要人輸送でしょうか。
背後に見える町並み含め、よく出来たシーン撮影です。ドア開閉できるとシーンの幅が広がるのですよね(自分も既存機改修したいです)。
カーキ色の軍装もこの飛行機の時代に合ったもので、うれしくなります。
(当時は民間機でも、乗客は高級軍人が多かったとも聞きます)
飛行機の脚はテクニックアングル使ったゴツくも安心感のあるもの。弧の部分が補強に見えます。
このAT-2、ウチのDC-3(日ヘリ)と共演させたいですよ。
強引に解釈すれば活躍した時代も重ねることはできますし。なにより、サイズ比が良い感じになりそうですから。