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2019年05月13日

【作品紹介】なも様の、フルカオーバーアルプ鉄道の列車。魅力的な世界観!


 素晴らしい作品なのですが、詳細がわからないのが大変に申し訳ないです。

 フルカオーバーアルプ鉄道(FOと略されてました)は、2003年に合併再編によりマッターホルン・ゴッタルド鉄道(MGB)になっています。瑞西のメーター軌間の私鉄の一つであり、かの「氷河急行」のルートの一部です。今でこそレーティッシュ鉄道(RhB)の専用車両で運行されている「氷河急行」も嘗てはFO等の客車も混ぜた編成だったのでした。


 ぶっちゃけて言えば、線路も繋がってる同じ世界観の鉄道です。

 FOのDeh4/4 51-55形電車(wikipedia 日本語)は、1972年に5両が製造された電動車。ラックと粘着の併用です。
 荷物室付きの電気機関車というか、電動貨車(デワ)か荷物電車(クモニ)の一種というか。
 彼の地の鉄道ではそのへんの区別は曖昧ですね。国私鉄とも。

 基本的に運転台付きの客車と編成を組むようです。

 スタイルは1950年代に始まる丸みの強い軽量車体。今の目で見ると古臭いというよりは寧ろエレガントな印象。とはいえ近年の更新や塗色変更で趣が変わってしまっているのはやや残念ではありますが。それでも、5両全車が健在の模様。



 なも様の作品。先ずは電動車から。

 一昔前の(いや二昔前かそれ以上前か?)瑞西の電車の典型と言いたくなる形状ですね。1940年代に始まった国鉄標準軌の軽量構造の流れを汲むデザイン。

 丸みのある前面形状。丸目のライトがかわいらしい。
 塗色はFO時代のもので、白いラインが引き締めます。


 なも様の作風通り、要点を抑えたセンスの良い精密さ。実車の魅力を引き出しています。

 ピリッと精細さで効いているのが前面のジャンパ栓。横組にしている屋上機器箱。そして十字型の仕切りのある横組ルーバー部分でしょう。6x6のタイルでも使ってるのかしら???

 動力系は制約の少ない9Vです。


 サイドビュウ。
 パンタグラフは近年のクリップパーツの充実で、凄く作りやすくなった……とのことです。欧州系車両のワンアームパンタのリアル化の参考になりそうです。


 前面は曲面ガラスを平面に解釈し、貫通扉を半ポッチずらしとかなり「意訳」しているのですが、なぜか違和感が皆無で、実車の雰囲気を寧ろ正確に反映してるかのよう。ディフォルメしていないようで、ディフォルメ巧いのです。


 運転台付きの1/2等合造客車です。
 形式はABt4195 らしい。ABが1等2等合造で有ること示してるのですね。日本的にはコロハかクロハでしょう。

 やはり、丸みの強い可愛い顔です。
 そこに桟板とかジャンパとか手すりがついて賑やかになっちゃうのが瑞西の車両の魅力でもあります。


 サイドビュウ。
 悔しいけどトレイン窓がベストマッチな題材でありましょう。

 トレイン窓を出し惜しみする、デンマークの某玩具メーカーは人類の敵ですねマジで。
 冗談は兎も角。FOの白帯がすごく品良いです。京急言うな。
 印象的なのは屋根表現で、車端部の絞り込みを緩バメで表現してしまってます。隙間はカブスロ埋め。これが凄く美しい!
 

 連結面にも何かが宿ってるのがなも様作品の良さですね。 横組の妻構とホロがかっこいいのです。連結器の位置をギリギリまで下げているのも瑞西の米軌鉄道らしくと。

 余談ですが、1000mm軌間と1067mm軌間は僅か67mmの差異なのですが、1000mm軌間は「ナローゲージの最大級」であり、1067mm軌間は「変則標準軌のミニマム」なのかと思ったり。瑞西製の鉄道車両でJNRに入ったED12・ED54・ED41の三形式は1435mm標準軌用機関車のミニサイスであり、形状的に瑞西米軌と関わりが見えないのがまた面白いのです。



 先の電動車とはいろいろ顔の表現が変えてあるのに気が付かれましたでしょうか?
 前照灯の位置が半プレート分違うとか、貫通扉の上の塗り分けとか。


 形式不詳ですが、2等客車。無論、制御引き通し有。コハというか、サハというか。

 シンプルに、美しく!
 でもそれって凄く大事なこと。


 屋根は先の制御車同様、絞り込みを緩バメです。ポッチをアクセントにされているのは却って安心しますね。なんでもツルツルが良いわけではないぞ……と。


 サイドビュウ。トレイン窓じゃないと出せない味……。これを乗り越えるのが課題なのかも知れません。欧州系の車両に多い下がった車体裾の表現という意味で、トレインプレートも重要? 28ポッチ長の赤が希少なのもなんとかして欲しいものですが。



 ともあれ、小気味の良い3両編成ですね!

 


 あと、おまけ紹介で恐縮ですがこちらはレーティッシュ鉄道の保線用?ホッパ車。日本で言うところのホキ800形相当の貨車です。

 台枠の貼り合わせ製法に嫉妬ですよ。
 また、ホッパからの流し板が台枠貫いてるところを再現しているのも驚かされます。貨車1両も精細な「模型」たるのがなも作の魅力!




 こちらの車はRhBのトラクター。Tm2/2形。
 日本だと機械扱いの保線モーターカーか貨車移動機のポジションですが、欧州だとあの種の車両も鉄道車両扱いですよね。

 9Vモータでも小さくされるのに苦戦されたようです。デッキ?部分にフィグが立てるのを諦め、車高下げに徹されたようです。この種の車って他の車両と連結したときに「あっ小さ!」って印象になるのがキモでありますからね。

 
 ずっと前にも記した気がするのですが、瑞西米軌とレゴトレインの相性は実は、ものすごく良いのです。過去も含めれば面白い題材は多く、普通のひとにも「氷河急行特急のお仲間なんですよ」で通じるメリットもあります(笑)。

 自分が未だ参戦できてないのも何ではありますけども、魅力的な世界観ゆえ、もっと参入者が増えてほしいなぁと思うのでした。 
 
posted by 関山 at 23:59| Comment(0) | 国内の作品紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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