文脈が違う世界観、文脈が違う作品については「語りにくい」のです。
言葉が出しにくい。その意味で記事を書きにくい。
この辺りはどうかご容赦ください。
如いて申せば、Nゲージの担当者が1番ゲージを語るような無理です。
バイエルン王立鉄道S3/6……ドイツ連邦鉄道の18.4形という機関車は大好きなのですよ!
14年ほど前、自分の初の蒸機作品もこのお題を選んでおりますし。何時かリメイクする際には、いろいろ「盗ませて」頂くことにしましょう。
文脈は違えど、共通するものはありますから。

まず、目を奪われたのはこのアングルです。
楔形のキャブの表現が美しい。また火室底部の表現も
文字通り、「スキ」がありません。
上部が丸になった窓部品、最高の使われ方でありますね。
ボイラーハンドはテクニックの柔シャフト。

フロント。ほぼ10幅というサイズが、すっきりした線の細さに繋がることが分かります。各種のディテールもオーバースケールにはなっておりませんし。省略ではなくてすべてを再現するという方向です。
それにしても、このサイズでもってデフレクタの薄さが羨望です。

サイドビュウ。
BBB-XLが小さくみえてしまうという問題は目を瞑らざるを得ないでしょう。3Dプリント品でBBB-XL以上のサイズもあるようですが……。
省略せず。全てを取り込む。

エンジン部分をアップで。
この写真ではわかりませんが、4シリンダの内部表現があり、可動するようになっているそうです。
一つだけ難をつけさせてください。フロントデッキが重い感じがします。機関車の軽快感を削いでるように思うのですが。

ただ、正面がちに見るとエンドビームの質量感が魅力でもあるので、難しいとこをかもしれません。
「盗みたい」要素はいっぱいに詰まってます。

サイドビュウ非公式側。
テンダも凝ったもの。片方固定片方ボギーの台車とか、リベット打ちであることとか。
自作シールの効果も絶大です。
目立つようで、「公式が製品として使う範囲」に抑えている禁欲。鬼に金棒ですね。

レゴという素材は面白く。
玩具的な方向にも巧く作用しますし、精密模型な方向にも作用します。
模型と玩具の中間的な世界というのはどんどん奪われていく世界なのですが(30年前のおおらかなNゲージ、40年前のおおらかな欧州ものHOゲージ、はたまた大昔の3線式のOゲージ等)、レゴトレインはその世界を彷徨い続けることが出来る……のかもしれません。
語りにくい作品と申しつつ、いろいろ語ってしまいました。
それだけ、素敵な作品と言うことにほかなりません。いやこの超絶作品を「素敵」の二文字で終わらせることは不遜では有るのですが。
敬意を込めて、盗ませてください。
18形蒸気の最大の特徴である4気筒複合エンジンの再現だが、4年目にして漸く正解に辿り着く。
— KMartworks (@KMartworks) 2019年4月10日
安全かつ正確無比な連続運動に導くまでの道のりが長かった。https://t.co/fTI71VobE2
動作部分動画です。
この度は掲載ありがとうございます。
不調が多くて走りがイマイチだった拙作BR18.4ですが、無事リメイクできました。
何事も先達のあることは嬉しいもので、リメイクにあたっては関山さんの先行作品を参考にしました。
特に四気筒の基本的な仕組みは、貴殿の作品からアイディアをもらい、さらに独自に改良しました。四本のロッドが、90度ずつ位相をずらして安定して動作するよう手を加えています。
機関車自体は、2015年発表当時に比べ少し大きくなっています。
発表当時、キャブは8幅でしたが今回9幅に直しました。
また、エンジン、テンダーそれぞれにXLモーターを1基ずつ搭載していましたが、これを止め、トレインモーター2基搭載テンダードライブ形式に改めました。
フロント部分は、おっしゃるとおり改良の余地があると思っています。
テンダーの台車ですが、実のところ前後とも回転します。
後ろは固定に見せかけているだけです。左右の台車の装飾が壁となるため回転幅は制限されますが回ります。その分、前の台車を自由台車として可動域を広く取っています。
動画には上げていませんが、純正カーブを曲がれます。
が、やはり大曲線推奨です。
以上、乱筆乱文失礼しました。
いつも紹介が後手後手で失礼します。
でも、この18.4は紹介したくなる、そして記事書いてて楽しい作品でした(記事を書くと、言語化するために作品をよりしっかりと見ることになりますから)。私の旧作を意識してくださったのが嬉しいです……今思うと恥ずかしい限りですね。
なお、走行性能への配慮でテンダモータ化はなるほどと思いました。キャブの造形はラージスケールならではを感じます。でも、いろいろエッセンスは盗みたいです。
何時か返礼として、自分なりの18.4のアップデートは果たしたいと思っております。