前回記事。
「hiro様のC51。8幅の大物(1)。標準デフと門デフ。白ラインの有無。すべて良し!」
http://legotrain.seesaa.net/article/464683927.html
前回記事よりは、「古い」バージョンの写真となります。
そのため、「完成」形と異なることはご承知くださいませ。ただ、数々のバリエーションや試行錯誤も記録に値するものです。

真の原型である、デフレクタなし。
C51のデフレクタ装備は1930年代には終わってるようで、戦後の写真は何らかのデフレクタ付きになっています。
日本で初のデフレクタ付きの蒸機はC54で、8620や9600の大部分とC51やC53に遡及装備された由です。
当時のhiro様のコメントには「イマイチ」とか記されてたと記憶しますが。
しかしなかなかどうして! 原初の魅力というか、C53やはたまたC52にも通じるエキゾチックなカッコよさに繋がっています。

機関車元来の良さを引き出す「ネイキッド」ですね。

正面より。手すりや解放テコの表現がこれまでのレゴ蒸機とは根源的に異なるのが分かります。手すりはハリポタの杖。解放テコは複雑な形状を再現してますから。ダミーカプラーも丁寧な印象です。

デフなし原型の圧巻はこれ。
「燕」牽引の再現で水槽車(当時は形式なしで機関車の一部扱い。後にミキ20形)を増結した姿です。「燕」の歴史、日本の鉄道高速化の歴史として暫し模型やイラストなどで観るあの勇ましい姿!


水槽車。当時の石油系タンク車と類似する低重心のカマボコ型タンクが特徴でした。タンク体の表現はやや手間取られた模様。理想を申すならカーブスロープでありましょうね。

hiro様の製作計画が「富士」に変更となり、この姿も幻になってしまったようです。
ただ、C51そのものと優等客車はありますから、何時か「燕」も再実現してほしいと思うのでした(1等展望車は兼用できますでしょう。富士から燕に転用された車もおりましたので)。

ディテールのわかりやすいアングルから。

225号機設定のようです。何時かお召装備もあり得るのでしょうか?
「新1号」に収斂する前の、戦前や戦後暫くのお召列車編成も興味深い対象です。

見えないディテールも見てまいりましょう。
キャブインテリアも備わります。8幅キャブ故に機関士も機関助手も着席が可能です。

キャブ内。よりわかりやすく。真鍮のパイプやメーター枠が印象的。
そしてブレーキレバーやスロットルがよく実物観察されてる感じなのです。

テンダの妻面がすごいですね。石炭口がやや傾いての再現です。
ブレーキハンドルも再現。テンダだけ留置してても絵になることでしょう。見えない場所なのがもったいない感じですよ。

テンダ後端面。ハシゴの表現にジャンパプレート裏面使うのはなかなかのアイディアです。この面も凝ってますので、入換などでの逆行も良さそう。

動輪周り。メインロッドは後に改良されて別の形状に改められています。
注意してほしいのは、ブレーキロッドとブレーキシューの表現が動輪間にあることでしょう。
純正動輪で大きく見せる造形は先に触れたとおりです。BBB-XL万能でも無いみたいですね。

先輪の固定方法。動輪の方に目を向けると、件のブレーキ関係の装備が分かります。

完成時の記念写真。

時期が分かりませんが、白線入り。
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丁寧に時間かけて造られ磨かれ、そして程よく弄くられ? スーパーディテールを実現してしまったhiro様のC51。2018年12月の中四国オフでお披露目されました。
次の登板は3月23-24日の池袋鉄道模型芸術祭です。おそらく「富士」編成を連れての登場となるのでしょう。また、7-8巾の他の方の客車モデルと合わせるのも魅力あることでしょう。
拝見できること、楽しみにしております。