国鉄→JR貨物シキ160形は1955年に1両が製造された、富士電機私有の大物車で荷重130噸。釣掛梁式で当然ながら変圧器専用。
特徴はトラス構造のB梁で、後年・現役のシキ610などに比べるととてもクラシックな装いでした。空荷の際はあたかもトラス橋を運んでいるような姿です。
4つならんだ三軸台車もリーフサスが目立つ、やはり古風なもの。
この姿でありながら荷重的には使いやすい車であったのでしょうか。1987年以降も運用されJR貨物車籍も得る(より「近代的」な大物車は引退しているのに)。
1997年迄使用実績はあり、2002年に廃車。
現在は三重県の貨物鉄道博物館に収蔵されています。大物車の保存車は少ないですものね。

先ずはLDDから。トラス橋を乗せたようなサイドビュウ。
B梁部分はテクニックアーム。強度もあり、コストも低く、極めて理想的な構造部材でありましょう。そして、再現度も高く。
標準トレイン車輪も、どことなくリーフサスの古典的なものに見えます。
ボギープレートの黄色は、実物の黄色帯(65km/h以下制限車 ロ車)の表記に見立てられています。

「積荷」の取り外し状態。トラス構造も良くわかりますね。

空荷状態です。
大物車でも、この長さなら「運用」に制限はなく(長い大物車はカーブでどうしても内側にはみ出してしまうのです)、広範囲に使えそうですね。

完成作。見事なまでに実車通り。強度というか、剛性も高そうですね。安心感があります。

「荷物梁」を取り付けようとする状態。


積載状態。
見ての通り、360度カメラ「THETA」が積荷であり、この大物車は撮影用台車として制作されたそうです。大物車ベースなのはカメラの背が高いのを低床構造(というよりは吊り下げ構造)でカバーするため。カメラ自体も重量ありそうなので、トラス構造も必然でありましょう。
見た目良し、そして実用車でもあります。

同様の撮影台車用「大物車」と。
カメラという「大物」を運ぶもとい運用させようとすると、変圧器用大物車の荷姿ならぬ似姿になるのは興味深いですね。そして、ベストチョイスでもありましょう。