このゲージは採用例が少ないですが……。都電の他、京王がこの軌間ですよね。
故に車両の譲受などは少ないのですが、都電の中古の他、京王電鉄……まだ路面電車の延長にあった時代の車両が使われたことがあるのです。
函館市電(函館市交通局・函館市企業局交通部)の400形電車。
1940年に京王23形を譲受したものです。
京王23形は1920-26年に製造された木造電車。
44両という大量が導入されましたが全長は12mの小型車。連結運転も前提ではなく、かなり路面電車としての色が強い車です。
(今の同じ線区には20m級の10両編成の長大列車が運行されているのは信じがたいですね……!)
然し、しょぼい車ではなく。
前後を絞ったスマートで、2個づつならんだ窓とかちょっとエレガントな車体。電車ファンの間では名車と言われることも。
京王では1941年までには小型であることで廃車されていますが、各地で再活躍したのでした。
最後まで残っていたのが函館市で、1962年まで現役でした。こちらが詳しいです。実物画像あり!
http://wakouji.sakura.ne.jp/hakodate/400.htm
なお、この電車に次ぐ戦後生まれの鋼製大型車(路面電車としての)が、あの500形です。こちらは長く使われ、今も1両が残っておりますね。
全長23ポッチ。路面電車制作の流儀で2軸アレンジ。ダミー台車。
ただ、この時代の電車は「高床車」です。
今のノーステップ低床車どころか、鉄道線と大差のない床高さの車両であり……。つまりレゴ的には制作難度は下がります。上下逆に組んで車輪の逃げを作るような手間はありませんから(笑)。
また前後2扉というのも作りやすいのですよ。実物もそうですが、3ドアの中間扉は車体剛性面ではかなり辛い要素ですからね。
なお、制作時間は怖くて書けません。
真面目に造ってる方が申し訳ないですから。
細面の美人顔は4幅です。車体との段差が如何にもな古典電車ですよね。
前面そのものは平面な顔なので、見た目ほどは手間はかからず。そして強度も有るんですよ?
函館では500形と同じツートンカラーで使われてた由。古典木造電車が戦後もツートンカラーで生き延びてた姿というのは惹かれるものです。
ダークタンの車体ですが、シルヘッダは新濃灰での色差表現です。
旧濃灰・新濃灰はシルヘッダの色差表現で迷うときの最終手段的な色ですね(笑)。
ダブルルーフにビューゲル。
実はレゴ的にはダブルルーフは難度低いです。
ビューゲルは時間的制約の中(函館に行く時間が刻々と、迫る中です!)、そこらに転がってた部品でさらっと造ったものですけど、あらまた意外と良い雰囲気でしょうか?
なお、R24(TRIX-BRIX)を曲がってもこのオーバーハング張り出しで済みます。
前後絞った形状は伊達ではないのですね。
最新形、1600形との並びです。余りにありえない並びではありますが(笑)。
(なお、函館ではおなじみ30形や排形という古典単車が現役ではあります)
両作、函館で開催中(9月17日 月曜迄)の「カネモリトレインフェスティバル」で展示・運行中です。ぜひご覧くださいませ。
http://legotrain.seesaa.net/article/461647472.html