
JAMで函館駅の構内にこっそりと。而して強烈な存在感を放つ。
6幅の、妥協なきDE10です。
ここからだけでいろいろなものが読み取れます。
リアルなフロントエプロン。精細な前面手すり。
折妻角度のついたボンネット先端部。
ボンネット幅自体は4幅ですが、グリル部分は肉増しがあり、痩せて見える懸念はありません。

サイドフォルム。
キャブの上窄まりを絶妙な角度で。合わせて、キャブ前端の折妻も割愛されていません。なにより印象的なのは、キャブとボンネットの接合部でしょう。実物は一度凹んでからキャブに接しているのですが、ここを再現された作品は初めてでしょう。
キャブ側面のディテールも楽しいですね。
多くの人が驚いていたのはサイドルーバーのヒンジに依る表現でしょう。網目感と立体感!
このフォルムは9Vでないと実現困難なのは事実です……? いやボンネットを幅広にしてPUを埋め込むのも不可能じゃないか? いろいろ考えさせられます。
そして、リアルな足回り。2軸側をモータ、3軸側をダミー。露出した車輪とブレーキロッドはDE10・DE11・DE15の三姉妹、あとDD20やDD54のアイデンティティでありましょう。
なお、褒めっぱなしも何なので申すと、ちょっと腰高感はあるかもしれません。足回りを1プレート下げることが出来たら、更に良くなりそう。
ともあれ、「盗める」表現は多いモデルでありましょう。

14系客車(隼氏)を曳いて、急行「天北」を再現です。1985-1988年の3年間、「宗谷」「天北」が異例の客車急行で運行されており、天北線内はDE10の牽引でした。
DE10というと特急「あけぼの」の牽引もあり、「万能型」として意外と華やかなシチュエーションも多いのですよね。その意味でも、広く楽しめる題材です。
「一家に一両」。コダワリを魅せる価値がありましょう。
無論超絶ディテールが正解じゃありません。ディテールの引き算であったり、使いやすさのための割り切りも正解たり得ますよ。
確かボンネット端部のキャブ接続部はiL氏の8幅DE10でも再現されていたと記憶しております。
間違っていましたらゴメンなさい。
IL氏の8幅DE10、失念しておりました。
ただ、6幅であの表現を取り入れたのはやはり画期的だと思います。ラージスターケールの技法がさらっと取り入れられるのは凄いことかと。