アメリカのボールドウィン社製。古典的なアメリカ機の形状を残したものでした。
全長15mで自重は59噸。
ちなみに日本でいちばん有名なコンソリ、国産機9600形(1912年)は全長16.5mで自重95噸でした(重量は炭水車・燃料含 運転整備重量)。
9600の3/5程の大きさってことになります。
動輪4つのD形(1D形 コンソリデーション)としてはとても小さな機関車。愛称は小コン(小型コンソリの略)
13両が輸入され、全車全生涯、道内で使われました。1925年に全機廃車。ゆえに記録の少ない機関車です。
ただし、美唄鉄道が同型機を輸入し、9046号としたものがあります。
こちらは雄別鉄道に転じで、なんと1964年まで活躍を続けました。


雄別鉄道9046号としての制作です。
実は雄別鉄道の他の機関車の資料集めてる時にこの存在に気が付きました。
コンソリデーションなのに小さい!可愛い!
その印象は通常軌間の機関車と言うよりは、ナローゲージの機関車にさえ。
(もっとも日本の1067mm軌間は標準軌から見ればナローゲージですが。メーカーも914mm軌間のノリで造っちゃたのかもしれません)
そして、古典的アメリカンスタイル。それも日本向けにアクが抜かれた程よいバランスです。
当時も人気者だったのか、資料写真も沢山集まります。

作品は「小さく作ること!」を心がけました。
缶胴は細めに。そして空気制動(後付)の機器類を大盛りに。昭和に生き残った古典蒸機の醍醐味です。
車輪はBBBミニ。ロッドはメインロッドのみの簡易表現。
第一動輪のみ横スライド許容でカーブを通過できます。

バックビュウ。
雄別の9046は生意気にも?ボギーのテンダを付けてましたが、これもアメリカ流儀ですよね。あの7100(あれもまた、小さなモーガルですよね)もボギーテンダでしたから。
レゴ的にはテンダは縁表現や台枠表現、手すりで盛ってます。

サイドビュウ。小さいけどいっちょまえ。同スケールで9600や夕張鉄道10形とか造って並べたらまた鮮烈な印象になることでしょう(笑)。

この作の一番とんでもないところ……。
先輪は見ての通り、はめ込んでるだけ。カーブでは横スライドのみ。
これでもなんとか走ります。ポイントも分岐側避ければ大丈夫なのです(ギリギリ 分岐側も通過は可能です)。
ただ、上下の軌道グラつきが多い環境だと不安は残りますが。そういう場合、先輪外して走行させりゃいいのですけども。
(別形式ですが、実物でもこの種の無謀な改造はあったそうで)
第一動輪は通常の横スライドです。

カーブ通過の図。先輪のアタック角はもうギリギリですね。
あと、小径車輪は使いたくないのですがこの題材に関しては「やむを得ず」ですね。

炭水車は9V自走用として造っていますが、状況によって後押しされること前提の「小型ボギータイプ」にも出来ます。
これも小径車輪だらけなので走行性能は宜しくないですけども。

これが9Vモータ装備の走行バージョンです。
テンダ機はなんとか自走させたいですから。
さて、此処で一つ余談。
実制作わずか5時間(笑)。 設計というか試行錯誤の時間も込みです。
早けりゃ良いってもんじゃないですけど、でも、短時間で「機関車が1両ものになってしまう」のはLゲージの醍醐味ではあります。
真面目に鉄道模型やってる方から怒られそうではありますけども。でも、「自作が手軽」なのはLゲージの特徴ですからね?

他鉄道(定山渓鉄道)の気動車ではありますが、50ん年前の最新型と最旧型の並び。
昭和の30年代から40年代前半にかけて。道内の私鉄のいたるところで見られた取り合わせ!
古典機はなんだかんだで、1950-60年代の末期の姿が好みです。空気制動装備の賑やかさに、輸入機であればアク抜きされて日本に溶け込んでるかの姿。
そして、気動車や電車とも共存しちゃってる世界観!