上から下までの意識改革の中で、柔軟なアイディアが通りやすく。そしてそのアイディアを形にすることの出来る技術と設備があったのです。
今になってみると、国鉄末の約5年ほどと、JR初期の数年は夢のような世界であったのかもしれません。不可能はない! とばかりの。
それを象徴するのが数々のジョイフルトレインでしたし、その中で営業形態なども含めて飛び抜けていたのは北海道の「アルファコンチネンタルエクスプレス」であったのでしょう。1985年の暮にデビウ。
キハ56形気動車の改造でしたけども、当時の鉄道趣味誌の第一報で「ほんとにこんなの出来るのか?」とか思ったものでした。
そして、形になった車両のかっこよさ!
また、これまでのジョイフルトレインの「団体向け」ではなく、個人小グループ向けのリゾートホテル提携の販売形態も今から思えば未来先取りしてたように思えます。大口団体向けのジョイフルトレインには未来は無かったでしょうし。
さて。
意外とこの題材レゴでの再現はありませんでした。
茶色ベースなら今のパーツ事情なら不可能ではありませんが、なぜかどなたも手を付けないまま。

サニー様の作品。第一報。
傾斜の前頭部はスロープに寄る素直な表現です。もっとスラントしてる印象ありましたけど、66度が寧ろ自然な印象なのですね。
前面ガラスはブラックアウトに割り切ってますけど、不自然な印象よりは好ましいですし、なによりすっきりと美しい。下端のポチスロ処理も上手いです。
ハイデッカー部分の屋根。ポチスロの上にカーブスロープでボリューム感充分ですね。
色は新茶にタン色帯。実物は更にアクの強い中間色多用でしたけども、でも充分に雰囲気伝わってきます。

3両編成での完成です。

ソリッドな質感が伝わってきます。
全体でやや惜しいのは先頭台車の位置でしょうか。スカートの逆スロープを45度のものにして、2ポッチ台車を前進させたらもっと整った姿になると思うのです。
動力系は、どうしても台車の形状が影響出るので、中間車を動力車にするほうが良いかもしれません。
屋上機器は新濃灰で正解ですね。重厚感が増す感じです。
実物は引退久しいですが、この作品の活躍、期待したいものですね。

あと、おまけとして
JR化後最初の増備となった、トマムサホロエクスプレスも作品例がありません。
このLDD、なかなかの出来じゃありませんか。前頭部の円やかさが充分に伝わってきます。キャノピー選択適切ですし。また、前照灯周りとその下の曲面処理がズムーズで美しい。
今や懐かしい存在になってしまった感も否めない北海道のリゾート列車。まだまだ題材として作品としてポテンシャルは高いものといえましょう。
そして、実物の方もルネサンスが来たること、願っております……。
観光列車のポテンシャルが一番高い土地ではあるのですから。