それはそれで憧憬なのですが、而して「6幅の中でどこまで正確なフォルムを追求するか。ディテールを盛れるか」という方向も古くなってはいないと思うのです。
さて。
エース君は昨年の6月にC56を造られています。
http://legotrain.seesaa.net/article/450873455.html
そのときに感じたのは、蒸機作品に関してはエース君のクオリティは大人作品クオリティにすでに追いついている……ってことだったのです。
このC56は習作的にすぐに解体されたとのことですが(大事なことです)、この度、新たな方向性でC56をリメイクされてきたのです。

コンセプトは、精密さとプロポーションを維持したまま、「ひと回り小さく」。
実際、C56という機関車はとても小さいのです。そして小さいがゆえの魅力がある。近年のNゲージ模型がやっとC56の正確なサイズを再現し、その小さきことに皆が驚いた。
これがレゴトレインでも叶ったと。
ランボードやエンドビームの基準で、前作の7幅に対して、6幅に。
缶胴も4幅オーバーだったものを、今度は4幅アンダーに(3幅とプレート1枚厚分)。
それでいて、ディテールは寧ろ強化されている。
大人クオリティ、それはすでにクリアされた水準でありましょう!
ただし。
もう少し理想を求めるのが許されるのなら、動輪はBBBミドルの方が正確ではありましょうか……。
先輪の位置は正確ですね。
先輪があ安全マージン取りすぎて前進しすぎってことはなく、きちんとスケールどおりの引き締まった位置に収まっております。

あっと驚かされるのは動輪廻り。
軸距の不均等なところを再現するのはもちろん、ブレーキパッドの表現が目を惹くところです。この表現、これまででも初めてではないでしょうか?
キャブ下ディテールも忘れておりません。

バックビュウ。
電池boxの露出を割り切った上での完全6幅化です。
C56の炭水車は小さいのですけども、この作品も電池boxとトレインモータを収めつつ、ミニマムサイズに抑えているのが分かります。
電池box上の石炭表現も嬉しいですね。
惜しまれるのは炭水車の足回り表現でしょうか。C56だと重厚な板台枠ですね。

真正面から
デフのステーが印象的です。

列車を曳いて。35系4000番代。C56との組み合わせは2017年後半限りに終わってしまいましたが、多くの人の印象に残っていることでしょう。

C56 160とD51 200との重連です。

C57 1との重連も何度か見られましたね。

あまりにも素敵過ぎる並びです。
大型機に挟まれた小型機という感じが伝わってきますね。

そして、野外撮影。
緑の中をゆく重連です。

築堤上をゆく。

バリバリに順光。列車がかっこよく見える角度ですね。
またこうしてみると、C56とD51のサイズ差もリアルなものでありましょう。

見下ろしも良いものです。


C56のさよなら運転を再現。客車は12系だったそうです。
やまぐち号も長らく、青の12系であったのですよね。
スハフ12の妻面が精密に折妻ですね。側面がや弱いのは惜しまれますけれど。
国鉄時代1980年から長く親しまれてきた動態保存機としてのC56の歴史にひとまずピリオドですが、然しC56はなおも大井川鐵道では健在です。
また、現役時代を想定した「遊び」もこれからでありましょう。
エース君作品。期待なのです。