今でこそ標準軌のレールも繋がってる英国と大陸欧州ですけど、鉄道文化はぜんぜん違うのはご承知のとおり。
英国は車両限界も小さい(日本の1067mm軌間より少し小さいほど)。その代わり日本同様高いプラットホームです。各等客車の設備など車両の品質は大陸よりも概ね上等なものでした(ここは1970年代以降大陸も質が上がって差がなくなりましたが)。
旅行者的には、ユーレイルパスが使えない英国! のイメージは未だ強い(笑)。まぁ、英国旅行は別に分けて考えたほうが航空費用の低い時代では真っ当ですが。そういえばTEEも英国には無かったですね。
ワゴンリ(国際寝台車会社)のサービスも英国で行われていました。
ただ寝台車は大陸航送のもの以外は扱わず、プルマンカー(サロンカー)の事業だけ行ってたようです。結構利用者は居たようで、1920年代初期の初期鋼製車が使われるばかりか、WWII後の軽量客車MkIやMkIIにもプルマンカーがあったほど。流石に1970年代に多くは定期運用から引退しておりますが。
然し、華やかで豪奢な客車ですから、残存率が高く今も観光列車的運用されてる車がそこそこ残っているのは大陸同様です。
即ち、合わせる機関車を選ばないという模型的メリットも同じく(笑)。
蒸気機関車でも、最新型のディーゼルや電機でも似合っちゃうのですね。
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先ず1両。形にしてみました。
全長32ポッチの何時もの寸法です。
車体の大きさに対して相対的に窓が大きな印象があるのがイングリッシュプルマンですから、側窓は3x4の建築用窓。ただ、これをそのまま使うと些か窓まわりが大きくなりすぎるので、裾部は腰板部に1プレート埋め込むような使い方を思いつきました。
茶とクリームの塗り分けと、窓ガラスの下辺が揃って良い塩梅に。

楕円窓は新幹線922形(1000形1004号)で行った、ポチスロ詰め物方式です。固着なし嵌め込みのみですが巧く固着しています。是非お試しを?
黄色のモール塗りが有りますが、流石に割愛。半端に入れるなら無い方が良い?
但しマーキングやレタリングの表現は行っています。窓下は茶色だけだと流石に間が抜けるので焦げ茶1プレート入れて締めてみました。ここは10194エメラルドナイトの客車と近い意匠です。そういえば、あれもmk1プルマンを意識した造形でしたよね。
屋根は45度スロープです。カーブスロープ全盛の今日ではありますが、客車の屋根に適切な曲率のものが未だに出てこないと思ってます。未だ45度スロープの出番は残されてると。
横組箇所も殆ど無いので、全体に堅牢かつ軽量。そしてローコストです(笑)。

車両端部。楕円窓のデッキと端面の窓をギリギリかつローコストで表現です。ステップの車体側への表現は英国形(ホームが高い)ならではの拘り。大陸形(ホームが低くステップも低い位置)なら台車マウントにしちゃうのですが。
ホロはポッチ間に嵌め込んでるだけ

こちらは調理室と個室付の車です。窓が大きいので、最低限でもインテリアは必要になるでしょうね。

最後に、読者諸兄が気にされてるであろう楕円デッキ窓の組み方です。
ブラケットで2x2パネル4枚組を車端部に張り出す。その先に端面形成して、1x6アーチの車端側を持たせてしまいます。これで或る程度堅牢な構造できるので、そこに手前の車体側アーチを嵌め込む。上から抑えれば安定します。強度面の不安もほぼありません。
この組み方だとデッキの中が補強で埋まってしまうことと、窓が奥まってしまうのがデメリットですが、透過感は抜群ですしローコスト。
アーチの中に1x2などのクリアプレート埋め込むとデッキ窓が透過しないデメリットがありますしコスト面でもやや痛い。
気に入ったので、過去作のワゴンリ(大陸系)も折りみて改修でしょうか。
余談ついでですが、1x6アーチブロックは金型改修前のもの(3455 1972-2011)より改修後の現行タイプ(92950 2010-現行)の方が、鉄道車両向けな気がします。