個室寝台とリクライニングシートは当然として、最後尾の展望車と編成中途のドームカー。そして鮮やかなカラーリング。
その後の……航空機の大型化と運賃の低廉化が進んだ60年代なかばからの急転落があまりにも激しいものであり、その末にゃ1971年の「鉄道旅客輸送の半公営化」に至ったわけですが。
ミルウォーキー鉄道の「ハイアワサ」はシカゴと西海岸シアトルを2泊3日で結んだ列車。並行するグレートノーザン鉄道の「エンパイア・ビルダー」のライバルでもありました。しかしハイアワサは1963年には廃止。その後はエンパイア・ビルダーのみが運行され、今に至ります。
なお「ハイアワサ」にはシカゴ〜ミネアポリス間の短距離列車もあり同じ名前なので紛らわしい。こちらは1930年代の流線型蒸機で有名になり、そして一度廃止されたものの現在もハイアワサ・サービスとして継続してるようです。
ただ、現在の車両はすべてAmtrakの画一的なものですが(笑)。
一方、昔の客車の一部は博物館に保存されている他、「プライベートカー」として企業・個人の私有車であったり、或いはチャーター用に残っているものも。


薬師山様のLDD。下はレンダリングし直されたものでしょうか。綺麗!
重連のディーゼル機関車と、客車5両を想定。
ン年も前ならオレンジと臙脂をこの分量集めるのは想像したくないことでしたが、今はどちらも廉価で入手容易な色ですね。
実は初めてカラー写真でハイアワサを見たとき、なんて派手で暑苦しい色なの……! とか思ったものです。幸いにも訪米時に現物を拝む機会があり、これはこれで鮮やかさとエレガンスの融和したものと思うようになりましたが。

ディーゼル機関車。よくあるドッグノーズスタイルの流線型ですが、ここは薬師山様の得意技? ヘリキャノピでの表現です。ヘリであるがゆえの余計な窓とかがあるんですが……ことアメリカ型だと気になりにくいですね。
そして、適度にシンプルに抑えたディテール。然し手すりのような目立つところは気合入れる。側面の丸窓はタイル貼り付けですが、無理に透過させるよりは綺麗さを優先させるべき……というのもあるべき思想でしょう。

スカイトップと言われた展望車と、フルレングスのドームカー。
スカイトップは小分けのガラスが天窓になっている、実に不思議でレトロヒューチャーな車両でありました。流石に小分けガラスの表現は潔く割愛。大きめのキャノピーでの表現ですが、それがベストなものになっておりましょう。
キャンピーに寄るものですが、端面に流線型の傾斜角がついてるのもまた大事なことですね。銀色の帯表現も見逃せません。
実制作されたら、さぞかし美しいモデルになることでしょう!
全体にディテールは控えめ。然し車端部空調機カバーは良いアクセントにされています。なお、ドア窓は丸窓だったと思うのですが、ここはディーゼル機関車と同じく丸タイルで表現されるのもありかもしれませんね。
ドームカーは全長に渡ってドームが続くもの。
無難に?2x4キャノピーを連ねた作りです。他にもドームカーの表現は考えられましょうが、透過度が低い組み方だと魅力も落ちてしまいます。良い割り切りに思えるのです。

参考:スカイトップ。2009年9月 ミネアポリスで「エンパイア・ビルダー」の停車中に撮影。プライベートカーになっているもの。
短距離の方のハイアワサに使われていたもので車内はパーラー状の座席。
改めて実物写真見ると、小分けガラスの表現は薬師山様のモデルで正しそうですね。

参考:ドームカー。同条件にて。こちらもプライベートカーとして現役!
大迫力の車です。三軸ボギー台車にも注意。
「ハイアワサ」はディーゼル機関車だけではなく、行程の半分ほどは電気機関車牽引でもありました。これはアメリカの長距離列車では極めてまれなことです。
(アメリカでまとまった長距離の電化区間なんて、1974年に廃止されてしまったミルウォーキー鉄道と、あとは北東回廊位です)
強烈なスタイルのレールの女王(または バイポーラー)とか言われた複数車体の大型凸型電機。日本に来たやつの親玉的なGEやWHの造った箱型デッキ付。はたまた流線型のリトルジョー(ソ連向け発注流れ)。この辺も合わせて楽しんでみたいものですね。