
蒸気機関車の車軸配置で0-6-4(日本式に言えばC2)というのはあまり多くはないようです。アメリカ式の名称もないようです。
然し、このちょっと無骨でマッチョな機関車。本線用機関車の大きなボイラを搭載していて、それを支えるがための従輪2軸。一方先輪は高速性能よりも軸重を確保するために省略した……というストーリィが浮かんでくるじゃありませんか。なのでこの軸配置も納得です。
ぶっとい缶胴もその流れで説得力がありますね。
アメリカ的な無骨さを持ちつつ、製造はイギリスの何処か? 故にきれいなランニングされた缶胴を持つ? はたまたアメリカ由来の機関車に英国流儀のおしゃれをさせたものか?

ともあれ、大変に力強い印象の機関車です。用途は重連での軍用列車牽引用とのこと。即ち重貨物用。はたまた重入換用。とにかく力は求められるはずですので、この雰囲気は自由形として納得できるもの。
足回りは締まった印象で、間延びしがちなレゴ大型蒸機の流れに対して一石を投じておりましょう。特に第三動輪と従輪ボギーの距離が堪りません。
ぶっとい缶が真正面に突き出るインパクトもプラス。あと、大柄な車体に似合わぬ?小さなデフレクタが良いアクセサリに。
惜しいのはキャブですね。蒸気機関車(テンダー式)の場合は「窓ー窓-ドア」か「窓ー窓-ドアなし」がセオリーでしょうから。「窓-ドア-窓」はちょっとだけ違和感あります。
レゴ的にはエンジンドライブで、第二動輪上にMモータが見えますね。裏面見せてもらうのをつい失念いたしましたが、平ギア+ベベルギアで1:1でしょうか?
ロッドはプレートロッドです。形状的には望ましいのですが強度的にはテクニックアームに比べて劣るのが難点です(拙作のED42では断念してテクアーム化)。ただ、艦船オフでそこそこ運用したにもかかわらず、ロッドの原因のトラブルはほぼありませんでした。使い方次第なのでしょうか?


重連で軍用列車を曳く。ユニークな装備は「重連総括制御」。
同じ機関車を2両作られ、それぞれにPF機器を一式搭載。但し相互のモータ同士はケーブルで結ばれ、どちらかの機関車を制御すれば重連が操作できる由。
PFはモータよりも受光ユニットと電池boxが高価ですから、ややもったいない使い方ではあると思うのですが……どんなものでしょうか?
(この種の運用を合理的に考えると、片方の機関車をマスターとして受光ユニットと電池box搭載、もう片方の機関車はスレイブに割り切り、モータのみ搭載……とするのがセオリーではあります)
但し、同型機2両をバラで使ったり、ときに重連で使うような楽しみはあります。

埠頭をバックに。港湾の情景がなんとも似合いますね。

連絡船と。

岸壁の内側をゆく。


クラシックな電車と競争。
この並びだと大昔の京浜急行が、恰も西海岸のインタアーバン……パシフィック電鉄辺りに見えてくるから不思議です。港町の臨港線と電車線が絡み合う情景はアメリカンインターアーバンでも、また日本の京浜や阪神でも観られた光景でありました。


アメロコなC52(拙作)との並び。C52は高速旅客用ですから実に好対照です。
武骨な力を感じさせる機関車同士の並び、良いものですね。
軍用に、民間に。柴様のこの機関車の活躍、期待しております。