英国の鉄道車両は、小柄。
鉄道創始国であるだけに古い規格が残り、車両限界の拡大ができないまま今に至ってしまってる(ユーロスター走る線だけは別)そうです。故に車体の大きさは日本と大差がありません。というか日本よりも小柄なくらいです。
さて。レゴビルドでも案外難しいことが有ります。
スケールを意識して、小柄に造ること。
無論、大きく造るのも難しいので(関山は苦手です……)、小さければ偉いってわけではありません。でも、引き締まった作品の魅力は肯定されるべきでしょう。
(その最右翼に居るのが、自動車ビルド界隈の「4幅車(#4wlc)」かもしれません。ラージスケールよりも高度な技術の詰め込まれたミニマムな作品たち)
その文脈で、見逃せない作品がさらりと公表されています。
Great to see Isaac Smith's Mallard on @LNURailway's collaborative display this year! pic.twitter.com/MS39edRZ3i
— Bricks McGee (@TheBricksMcGee) 2017年11月11日
作者は、Isaac Smith様……でしょうか?
然し、題材は実にわかりやすく。世界で一番有名な蒸機の一つ。LNER A4!
世界最速記録を持つ流線型の蒸気機関車。国内外で多くの作品が作られてきました。

この作品をじっくり眺めてみましょう。どうやら6幅基準で収まっているようです。蒸機は製品のエメラルドナイトがキャブ7幅という規格でしたから大きくなっても良いような風潮は有りましたが この作品はキャブは6幅に。
そして、カバーの掛かった動輪部分。A4は動輪のカバーを外した姿も一般的でしたが(それはそれで格好良いのですが)、動輪のカバーも再現。上1/3ほどを覆っています。
この表現のため、車体幅のマックスは6幅+プレート4枚分(左右サイドで2枚づつと解釈して良さそうです。実質8幅でしょ? って言われそうですが、飽く迄最大突出部の話ですからね?
動輪カバーの代償としてメインロッドは省略です。醜い姿になるくらいなら思い切って割愛してしまうのもまた正義でしょう。それにサイドロッドは有りますし。サイドロッドは3Dプリント?のカスタムパーツのようですね。これもルックス面で有利になっています。
流線型で覆われた缶胴は実質5幅くらいなのでしょうか?
上部が2x2系のカブスロで覆われ、サイドにポチスロで幅を増しておりますので、5.5幅くらいですね。で、動輪周りのケージングに綺麗に繋がってます。
何気なく嬉しいのが従台車。イギリス型も日本型もですが、従台車が外側台枠なのですよ。
動力系はおとなしく?テンダドライブ。3軸のテンダは英国型なら違和感なし。PF車輪枠の中の赤い車輪が粋な感じ。
あと、従輪とテンダの1軸目はどうやら「連接車」になってるようですね? 拙作のパシフィックではよくやる手法ですが、走行性能俄然良くなるのです。
青い車体に、白い手すりも映えます。
そして、背後の英国らしい情景も。猫いっぱい(笑)。
惜しむらくは、他の写真が探しても見つからなかったこと。肝心の前面、気になりますよね(笑)。
でも、大事な部分の情報が欠落してるからこそ、この作品はイマジネーションと創作意欲を与えてくれます。スケール遵守の英国型蒸機、造ってみたくなるのです。
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【追記(2018年6月24日)】
この作品の、前側の写真も得られたので追記です。


マークI客車曳いて。

A1/A3との並びです。
デブじゃないA1/A3も良いものですよね。

肝心のA4ですが、ステッカーなど頼らずに塗り分けを再現しています。
前端部の微妙な絞り込みと傾斜の両立が素晴らしい!です。小柄な英国機らしいスマートさのA4、魅力的なのでした。