しかし、最初からいきなり高精度な作品ですね。
大胆ともいえるディフォルメを効かせつつ、しかして機関車の精細部表現には拘るという理想的なバランス取りで生まれた作品です。
6幅? かと思いましたが、世界観的には寧ろ8幅大型モデル寄りでありましょう。6幅の文脈を8幅に使っているので、全体にゆとりさえ感じさせます。それが可愛さにも繋がっているのでしょう。
題材は千葉公園に保存されている、嘗て川崎製鉄(現JEFスチール)千葉工場で使われていたというNUS5という産業用機関車です。
http://rail.hobidas.com/blog/natori/archives/2013/04/3_2.html
こことか参考に。
川崎車輌1953年製造ですので、日本の蒸気機関車……特に国内向けとしては最終期の製造です。自重26噸ですから、まさに産業用の小型機関車です。1969年まで使用されたとか。
千葉公園では大変丁寧に、保存してもらっているようですね。恵まれた保存機の一つといえましょうか。

腰高? な印象は実は本物どおりです。
車体幅は突出部で8幅に納まる感じ。シリンダが8幅ちょうどという塩梅ですね。
高い位置の缶胴はΦ4の円筒重ね仕上げ。綺麗にまんまるです。
キャブの曲線がエレガント。ここは実物よりも美化されてますかも(笑)。

サイドビュウ。高さと全長も調和が取れておりましょう。
とても気になるのは動力系の格納方法ですね。電池boxがキャブ内。
ラージスケールの大柄モデルは有利ではありますが(主題枠内にMモータ仕込むとかできるかも?)、それでも小型蒸気です。苦心はあったことでしょう。

真正面より。面長の、好ましい表情です。
近年出回ってる2x2のウエッジプレート使った端梁が良い感じ。連結器が上下二段になってるのもまた実物通りでしょうか。
随所に「奇数幅」を含めているのも、精細度を上げておりましょう。

バック。逆スロープによるコールバンカー。
この角度で初めて分かるのは、サイドタンクは6幅で、キャブ上半はなんと5幅という構成。ランボードはレールプレートで実質7幅相当ですから、子気味のよい上すぼまり形状でもあるんですね。これがスマートさに寄与しておりましょう。
走行動画です
— 6n2b2c (@6n2b2c) 2017年9月4日
先にも触れましたけど、8幅系の世界観にしっくり来そうです。
同じく製鉄所の機関車として、案外なし氏の新日鉄八幡E8500とかと共演しても似合いますかも? 貨車は8幅合わせで大ぶりに造ったものがあればよく似合いそうですね。