マッチョ感・実用感剥き出しのスタイルはやはり好き嫌いが割れるものなのでしょうか。同じ外国機でも比較的人気のある独逸機・英国機とは違うジャンルですよね。

ゆえに、この作品は貴重。
実用本位のシンプルなコンソリデーションです。聞けば、JAMにあわせて短期間で構成されたそうで、ディテール類が未だ間に合っていないようです。
でも、蒸機としての基本造形は秀逸なものでありましょう。
ぶっとい缶胴はアメリカ機ならば寧ろ自然なもの。あの大地では、機関車もまた強くなくては生き残れません。
肝心の蒸機としての各部分。先輪……動輪。シリンダにロッド。
缶胴とキャブ。そしてテンダ。この辺のバランスが全て整ったものです。
そして、ユニオンパシフィック?と思われる華やかな塗り分け。マッチョなボディだからこそ色気も映えるというものです。

筋肉。
当然、エンジンドライブで牽引力優先のセッティング。ガッチリと組まれてパネルでシールされた足回りは華奢にギアを見せるような繊細さ……の対極ですが、これはこれで安心感と力強さに。
Mモータx2のパワー。電池boxは機関車全体を効率よく加重。
牽引力に期待するなという方が無理でしょう。
フランジレスの動輪はプーリーのゴムタイヤ履きで代用ですが、これはこれでボックス輪心に見えて自然な印象です。

上面より。ほぼ8幅です。また、8幅からのでっぱりは極力避けて造っているそうです。

JAMでの活躍風景。旅客列車を曳いて。
1Dのコンソリデーションはどちらかというと貨物用ですが、華やかなカラーリングのこの機関車は旅客列車もまた似合うのですね。ストリームライナーの前補機・後補機ななんて運用さえ思いついてしまいましたよ。
他にも長大な貨物列車を曳いてるシーンもありました。それこそはまり役。
また、近年は鉄道+ミリタリも盛んな文脈ですが、この機関車が軍用列車に似合うのは言うまでもないでしょう。ミリ要素も含むオフ会などが楽しみ。
あとは、現状でやや物足りないディテールの強化でしょうか。先ず、ドームや汽笛や安全弁はほしいところですね。その次にパイピング類か。アメリカ機だと「鐘」も欲しいです(今のディーゼル機関車にも鐘、付いてるのは驚きました。伝統です)
このコンソリ、素材が良いだけに、ディテール強化は「鬼に金棒」になる筈です。