
以前「あかつき」レガートシートを作られていたあおつき(蒼月)様ですが、今度は牽引機もセットの4両編成化をされてきました。
前からEF66、スハネフ15、オハネ14 300台、オハ14 300台。
小気味の良い、巧く要約したミニマムな4両編成です。
「あかつき」は2008年の廃止直前は、6両中個室寝台が3両、B寝台2両、座席車1両という密度の濃い編成になっておりました。
他の廃止直前のブルートレインたちもそんな状況になっていたのは記憶に新しいところ。系統の整理で個室寝台車が集約されまくったが故ですけども、それでも最後に華を咲かせた! と言えなくもありません。オハネ14 300台はB寝台と言えど、その車内レイアウトは往年の1等寝台マイネ40に共通するものでありましたし、レガートシートが1-1-1配置のフルリクライニングでやはり嘗ての特ロ以上のものでした。
末期「あかつき」の併結相手「なは」も、B寝台x2、B個室x2という極論的編成。
惜しみらくはこうした美しき黄昏、ずっとは続かなかったことでしょう。

既存作のオハネ14 300と、今回の新作オハネ14 300台。

オハネ14 300台は出雲2/3号用に改造された個室寝台車で、車内設備はトワイライトエクスプレスのB個室に共通するものでした。出雲2/3の廃止であかつきにコンバートされたものです。左手の天窓部分が二人用個室。右手が1人用個室。
全長28ポッチの中に特異な窓配置を巧く要約しています。
如何にも、旅をしてみたくなる車両!なのですね。

反対サイド。通路側の形状が全く異なるのはこの種の車両の常ですね。
このサイドも、古典的寝台車らしい品格は感じられるのです。
グレードアップ車で多用された金帯も、ダークタン表現でしっくり来ています。

こちらはスハネフ15形。
一般的なB寝台車(二段ハネ)で1978年ころ製造されたもの。14系15形は最後のブルートレイン新製でしたが(除く夢空間・カシオペア)、その凋落が製造時に予見されていたかどうか?
余談ですが、中国やロシアでは高速鉄道の導入も進む一方、大量の寝台車の新造を今も続けているのは忘れてはなりますまい。
あおつき様の作品、やはり28ポッチへの要約が巧いのですね。
窓のサイズと車体サイズがベストマッチとしか言えません。
車端部、あの愛想なかった切妻(微妙な後退角あり)も、今見ると懐かしい。丸ブロックに依る丸みと車体断面表現が綺麗。そして適度に目立つ貫通幌も。

牽引機 EF66形。
レゴでのEF66(基本番台)は何作があります。前頭部も側面も難易度の高い機関車ではありますが……。しかし。
この的確なイメージ把握!
客車に揃えた、コンパクトな要約感。それから来る可愛しさと密度。
前頭部は4段分の横組で成立しています。よく見ると、無理な組み方はせず、堅実感があります。その御蔭で隙間だってありません。任意のヘッドマークだって付けられるのです。側面にかかる部分、斜めの切り上げも綺麗。
前面窓はピラーは割愛した、1x3x6キャノピに依る仕上げ。スマートかつ強度面での有利さもあります。これも一つの見識でしょう。
側面は窓数を2個省略してショート化。先にも触れましたよう客車が28ポッチですから徒に機関車長くなっちゃいけません。
側面上部を平面出し組みすることで、ルーバーをグリルタイル表現にしているのですね。やはり、グリルブロックにはない立体感が魅力。その上は車体の絞込も表現されており、凝った車体なのでした。
ナンバープレートや区名札を強調しているのも「楽しい」表現です。
細密な交差式パンタも見逃せません。
足回りは動力化を考慮せずに、BBBの車軸配置表現を優先。動力台車があるとどうしても台車の大きさが不揃いになり、かといって動力台車にホイルベース合わせると全長が伸びまくってしまう……という、国鉄F級電機の問題に対する一つの回答です。
(動力は、スハネフ15に組込)

EF66と、EF65(taizoon氏作)の重連。
実際にはなかったはずですが、1970年代の花形電機同士の華麗な組み合わせ。
個人的にはEF65・EF66よりも、EF58やそれ以前の方が好きと公言しておりますけど、この組み合わせの魅力の前には信念だって揺れますよ? 国鉄新性能電機、ヤバい。

前半はtaizoon様の24系25形ですから、恰も「なは」+「あかつき」の如く趣に。

デビウ当時は派手に思えたレガートシート車も、こうしてみるとエキゾチズム誘う存在なのですよねぇ。
(毛色違うのが1両最後尾に、なんて情景は国際列車的魅力なのです)
末期の華を咲かせていたブルートレイン。模型としての魅力の再評価は「これから」ですね。国鉄型全盛期……とはまた違う魅力、過去になったからこそ感じられるものなのかも知れません。