操重車:国鉄の車籍がある(貨車の扱い)。用途は事故復旧用若しくは架橋用。使用頻度はその性格上低い。存在は1900年ころから1987年まで(静態保存も多い)。扱い荷重は比較的大きい。
動力有さないもの・自走できないものもある(ソ1形等)。
ロコモティブクレーン:車籍はなく機械扱い。用途は主に荷役や各種作業用。使用頻度は高い。存在は概ね1960年ころまで? 扱い荷重は比較的小さい。
動力は必須(多くは蒸気)。
鉄道趣味的観点で、日本国内を前提に分類するとこういう感じでしょうか。
ロコモティブクレーンは多くが構内や工場内など撮影の難しいところで使われてきたこと、それ以前に鉄道車両ではなくて機械扱いだったこと(で趣味や研究の対象から漏れてること)で、実物の記録や画像が出てきにくいです。
それなりの数が日本国内でも使われてたはずなのですが。
なお、動力が内燃化されずに蒸気時代1960年ころまでで消尽しているのは、その用途がそのままクレーン車(トラッククレーン)で代用できてしまうからでしょう。
(代用できない鉄道工事用としては、現役のものもあります)
ともあれ。蒸気動力のロコモティブクレーンは国鉄操重車とは違ったユーモラスな魅力を放っていること言うまでもありません。
画像検索「locomotive crane Steam」
この種の車両は洋の東西を問わず、類似形状になります。
(操重車ソ20形も輸入車でしたし、ソ30形はその国産化でしたので)
さて、もりりん書房様の作品です。

可愛く。ユーモラス。典型的なスチーム・ロコモティブクレーンの形状です。アメリカ型?という雰囲気ですが、先に触れたとおりこの種の車両に洋の東西差は微小です。
(とはいえ、既に作られているシェイギアードに似合いそうなのは言うまでもありません)
もちろん電動ではなく、ウインチ手巻きです。PFで電動化するとコストもサイズもえげつないことになってしまいますから(苦笑 というか黒歴史)
http://legotrain.seesaa.net/article/211703992.html
でも、その割り切り合ってこそのこの雰囲気・スタイルです。

クレーンはブーム部分のテクニックアームの使い方が美しい。
ミニマムなサイズが快い。
左のツマミでブーム上下、右のツマミでフック上げ下ろし、
— もりりん書房 (@morimorilego) 2017年4月18日
後ろの左右2つのピンを押すとロック、引くとフリーに pic.twitter.com/ikr8KWt0Ec
動作動画です。


内部。簡単なものながら(いや、その簡単さでの機能が凄い)ロック機構があります。留め付シャフトの「留め」の部分をギアに引っ掛け、ロック機構としているのですね。
兎も角、クラシックな貨物扱い所の雰囲気を出すのに有益な一品でしょう。
電動ではないぶん、コストや運用も「肩のこらない」ものですし、遊んで情景つくって楽しいのは言うまでもありません。真似して一つ作ってみたいと思わせる逸品です。
(フラットカーをセットにして、回送してる姿も絵になりますし!)