
先に前頭部をお見せした、西鉄1300形電車が完成しています。
西鉄1300形電車は1951年に製造された600形電車(3両固定編成 吊り掛け駆動)を1961年にカルダン駆動の4両固定編成の特急用に改造したもの。2編成ありました。
1975年まで特急に活躍し、以後クロスシートを維持したまま一般車に。1986年に退役。
戦後生まれには珍しい、国鉄モハ52を思わせる本格的流線型!
原色に近いコバルトブルーに黄帯という、鮮烈な塗色も特徴でありました。
さて。この黄帯は窓下だけかとおもうとさに非ず。窓上、屋根際にも黄ラインが入っているのですよ! この微妙なラインの存在に気がついたのは先の前頭部試作品を造ってから。実物写真を睨んでるうちに気がつく。
思い切って割愛することも考えましたが……。

先頭車(1301/1304)。1951年製造。当時は片方電動車・片方制御車でしたが、1300形改造時にどちらも制御車化されています。狭窓。屋根肩はややいかり肩。
問題の黄色ラインは屋根を1幅のブロックとプレート・タイルで「横組」することで入れることが出来ました。コレが入るだけですごく精密な模型のような気がする(笑)。頑張って大正解。なお、この屋根は結構な強度があります。
流線型前頭は先の試作品のままです。1300の特徴であった「吊り目」の表現は未だベストな回答は出ません。でもまぁ長年の夢がやっと叶いました。大好きな電車の一つですから。つい近年まで模型の製品は皆無だったのですし。

中間車(1302/1303)。1961年に製造されたもので他の特急用車両(1000・1100・1200形)の流儀ですので、先頭車と車体断面も窓形状も全く異なります。広窓になで肩。
不揃いな編成はそれはそれで味のあるものでしたね。
で、屋根はなで肩表現のため45度スロープ使うため、件の黄色ラインの表現は諦めかけておりましたが……やや強引に表現。
余談ですが、この中間車に湘南顔2枚窓の運転台をつけると1000形に。更に窓を1段下降窓にすると1200形になります。
無論、こちらはまともな揃った編成でした。何時か造ってみたい気もしますが……。

鉄道模型芸術祭がお披露目。元来は路面走行区間はない(※)電車ですが、本線よりは軌道の方が似合う気がします。なんとなく。
※:1950-60年代の大手私鉄各社には路面軌道やそれに近い区間を有してるケースは少なくなかったのですが(東急京急京王名鉄近鉄京阪etc)、西鉄にはそういう例はありませんでした。
ともあれ。
「九州の鉄道」……のようなテーマに味を添えられる?私鉄電車の初登場です。
いや、西鉄ならもっと作るべきものあるだろ! ってツッコミはありそうですけども(8000形辺りとか。あれもそろそろ引退らしいですが)。
地元に持っていっても、数十年前の電車ですからお父さんお母さんの世代でもう時代が違う。で、特急時代になるとおじいちゃんおばあちゃん世代の電車かも知れませんね。
でもまぁ、好きな電車ですから!
(……関山の好きな電車は古いのばっかりです)