完成後は別記事予定。
小田急3000形SE(SuperExpress)車は、1957年に製造された日本初の高速・軽量・低重心の画期的な特急型電車。国鉄151系に先駆けるものでしたし、低重心・軽量化に関しては151系よりも先進的!
鉄道友の会の「ブルーリボン賞」の第一回に輝いておりますが、そもそもブルーリボン賞自体がこの車両のために生まれた、という話があるほど。
未だ軽量高速の特急電車のなかった国鉄に貸し出され、高速度試験に使われたりもしました。
もちろん新宿〜箱根湯本間の特急ロマンスカーの主役であり花形に。それまでの1700形・2300形を一気に旧式にしてしまいました。
しかし、より完成度高めたNSE 3100形の登場。また、御殿場線電化による輸送力向上の必要もあり、1968年に連絡急行「あさぎり」用に転用。
8車体x4を5車体x6に組み直し。全面形状は若干の修正。以後をショートSEの略でSSEと称することもありました(ただ、実車が健在だった1980年代の記憶ではSSEと言われてた印象はありませんが)。
時に、SE車同士の重連で10両編成も組む。あさぎりの多客時であったり、NSEの代走であったり。
以後ロマンスカーは輸送力増強のみが続き、LSEやHISEの登場も、SE車を置き換えるものではなく、併存してた時代が続きます。
そう。この車両のもう一つの意義は、華奢な軽量車体にも関わらず1991年までという長寿を全うしたことでもありました! この世代の特急電車は軽量化が祟って殆どが佳人薄命に終わっていますが(近鉄10000に10100、国鉄151系など)、SE車は31年も活躍を続けます。而も、小田急はこまめに内外装を手入れするため小汚くなることもなく、末期には絨毯敷のLSE並のインテリア。ロマンスカーの象徴だった喫茶サービスも最後まで行われていたのです。
現在、1編成が2両をデビウ当時の外装に。3両を末期の外装として保存されています。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆


最初の前頭部検討。この地点で、ほぼ完成です?
流線型に後付けのヘッドライトとヘッドマーク。
ベクトルを変えまくりつつ、よく見ると半プレート単位の調整まで入っています。
フロントガラスは真ん中の2枚を傾斜させ、左右の2枚は後退角の表現。awazo氏のクモハ52辺りからの文脈を引き継いでいるのは電車史的にも興味深い? いや流線型表現の定番文脈とも言えましょうか。ウチのモハ52原型も同じ流儀ですから。
もちろん、車種によって味付けは全く変わってきます。SE車に関しては複雑な塗り分けが難度高めてるのですが、巧く処理されてる。小田急ロマンスカラー、やはり美しい。
なお、特徴的な乗務員扉形状が再現されているのも見逃せません。

先頭車1両出来た段階での検討。
横組みに依る狭幅の窓が如何にもこの形式らしい。航空機的雰囲気とも。
ポチスロで噛み合わあせた腰部の斜め塗り分け。
45度スロープ同士を噛み合わせた屋根肩の塗り分け。どちらもスムーズ。品格上げてます。
屋根もつるつる仕上げ。スムーズな印象ありましたからね。

参考になるか? 内部構造です。

そして、フル編成。5両分の車体が完成です。

恰も、3両編成のような姿で。
先頭車は先の検討より1プレート車体高を上げています。窓上のラインが白1本から、実物どおり紅白になりました。

中間車3両の車体。一番奥のは白ラインのみの暫定版か?
やはり窓上の「赤」がないとバランスは良くないかもしれません。
車体の差異も作り分けており、奥からトイレ付き。真ん中は喫茶カウンター付き。
パンタ周りが密度濃く。碍子だけでなく、バネも表現。
上屋根はグリル部分のブラックアウト処理が効果的です。
あとは足回りと、連接幌廻り。
小田急ロマンスカーの、いや、日本の電車の歴史に残る美しい電車。完成が楽しみです。ウチのNSE 3100形と早く並べてみたいところですよ。